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ストレスフルな現代社会への処方箋になる1冊『ストレス脳』

世界中でベストセラーになった『スマホ脳』の新作、『ストレス脳』と現代社会

この本、いいよ! と激推ししたいくらい、ストレスフルな世の中に背中を押してくれるのが、アンデシュ・ハンセン(訳:久山葉子)の『ストレス脳』だ。2021年に『スマホ脳』によって、世界中でベストセラー作品になった著者の最新作、ストレス脳は現代社会がなぜ、恵まれた環境下にいながらストレスを感じ、日本でも多くの人が精神科を受診し、精神的に不調を訴える人が激増したのか、本書は教えてくれる。

サバンナでの生活、防衛本能の名残

サバンナで私たち人間の祖先が、狩猟をしていたような過酷な時代からすれば、現在は一部の地域を除いては、飢餓も解消され、楽しいコンテンツがスマートフォン1台で入手でき、最新鋭の利器を使い、不安がないように見えるのに、なぜ、こんなにも鬱っぽくなるのだろう。
その不安の原因を著者は、人間が狩猟をしていた時代の防衛本能の名残なのだ、と指摘する。

SNSと不安感、このモヤモヤした気持ち

ところでネットやSNSを開くと、急に不安感が押し寄せてきた経験が心当たりがある人は少なくはないだろうか。
ハンセン氏はそのネット広告に見られるような、幸せそうな光景を何度も閲覧すること、または、大いに成功した人の経験談を見すぎることで、自分自身との境遇を比べてしまい、さらに自分がさほど、幸せではないんじゃないか、と不安感が大きくなってしまうのだという。
それはサバンナで人類が狩猟をしていた頃、敵に見つからないために防御するためで、生存本能が快適になった社会では、うつ病を始め、不安障害、PTSDなどの気分障害を誘発する、原因になっているのだという。

ハンセン氏は無理に幸せになろうとしなくてもいい、と本書で述べた。
私はそのくだりを読んで、胸の中にあった、長い間、トラウマで蓄積していた、しこりが減ったような気がした。

他者と比べてしまい、幸せはこうあるべき、と押し付けられた理想像に翻弄され、私自身が根拠のない幸福像に惑わされていた。
ステータスや流行に押され、『こうじゃないと幸せじゃない』と過度に思い込み、自分自身を苦しめていた。

幸せは決してゴールじゃない

幸せは決してゴールじゃない、むしろ、人間性の中で感じ取るものなのだーー。

その幸せと感じるものは別に社会規範がどうだ、といったものではなくて、日々の生活の中で感じるもので、それこそ、SDGsに代表される、多様性があってもいいものなのではないか。ストレスが多い社会で最も、有効な手出てをハンセン氏は『運動』にこそ、意味がある、と述べる。ここでいう運動とは、別にオリンピックに出場するような、本格的な運動だけではなく、近所を軽く散歩するとか、部屋の中でストレッチや軽いヨガをするとか、そういった手軽な運動でも全然いい。
鬱っぽい気分や不安感を払拭するためには、日々の運動の積み重ねが必要不可欠なのだ、とハンセン氏はさらに続ける。

運動の効果はすごく大きい

私も解離性障害や複雑性PTSDを発症してから、よく運動するようになった。
コロナ禍になる前はジムにも行き、そこで水泳やランニング、ヨガやダンスなどやっていた。
コロナ禍になると感染リスクのため、ジムを退会したものの、休日になると市民プールでの水泳や近所の神社の階段や坂などでランニングを行っている。

その運動は主治医から言われただけではなく、自分が運動をしていると気分が楽になるので、無意識的にやっていたのだが、本書のように運動がPTSDなどの気分障害の治療にいい、と分かり、今までやっていた方法は間違いではなかった、と背中を押してもらった。

コロナも長引き、多くの人が心身機能に不調をきたしている世の中、本書を手に取って、参考にしてみるのもいい方法だと思う。

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