「べてるの家」と聞くと何を思い出すだろう?何か少しメルヘンなイメージを持つ方も多いのではないだろうか。
私は友人から「当事者研究」というものを、北海道にあるユニークな事業所「べてるの家」が行っていると聞いて、Youtubeで見たことを思い出した。
べてるの家とは、北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点だ。
確かひとりの医者が、入退院を繰り返す精神障害者を見て、仕事中に「歌を歌ったり、寝たり」と精神障害者がありのままで自由に生活できるようにしたのが「べてるの家」の印象である。
べてるの家は、1984年に設立された北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点です。社会福祉法人浦河べてるの家、有限会社福祉ショップべてるなどの活動があり、総体として「べてる」と呼ばれています。そこで暮らす当事者達にとっては、生活共同体、働く場としての共同体、ケアの共同体という3つの性格を有しており、100名以上の当事者が地域で暮らしています。
昨日、第13回当事者研究全国交流集会に参加して思ったこと。人間として○○になったら終わりだなんてことは何一つないこと。そのことを「べてるの家」の人達や総合失調症の人達から、改めて学ぶことができた。「降りていく生き方」、「弱さを絆に」など、経験に基づく豊かなコトバを多く聴けた。
— 太陽の子 (@naimei16) October 10, 2016
べてるの家の友人と話して、べてるではケアマネをとれる人はとろうと進めているとか。
障害者も高齢化になり、総合支援法だけでは対応できず、ケアマネが必要で、当事者の利益を守るために発言していくためにもケアマネが必要とのこと。
仲間の利益のために、来年も挑戦したいと思いました。— ひるね (@hirokun4444) October 10, 2016
北海道の設立者でもある向谷地生良さん(北海道医療大学教授)佐々木実さん(現法人理事長)を中心に、入院にかたよりがちな精神科(統合失調症)の医療から、同病の人と共に暮らし、向き合いつつ「病気の半分は病院で、残りはべてる(浦河べてるの家)で治す」をモットーに昭和59年から30年にわたり活動を続けている。北海道日高管内浦河町の教会内で始まった活動は、昆布の加工、販売や福祉用品の販売、カフェの運営等を行ない自立への道を探る同病者約90人が暮らす共同体(家)となっている。社会福祉法人としての運営や同病の当事者が自ら研究して共に解決方法を考える「当時者研究」等が注目され、年間2,500人以上の見学者も受け入れて海外との交流も始まっている。
理事長の佐々木実さん自身も当事者で、27歳で統合失調症を発症し、入退院を繰り返した。
1978年、統合失調症で7年間の入院生活ののち、佐々木さんは浦河赤十字病院精神科病棟を退院。その退院祝いの場で、佐々木さんが、「これから自分たちはこの町でいったいどうやって生きていったらいいのだろう」と発した言葉をきっかけに、『社会福祉法人浦河べてるの家』を中心とした当事者主体の取り組みが発展していった。過疎地域において、当事者自身による自立への長年の功績が高く評価された。
退院後、行き場がなかった佐々木さんが、ソーシャルワーカーの向谷地 生良(むかいやち いくよし)さんと暮らし始めたのをきっかけに、統合失調症の当事者らと共同生活が始まった。「当時は、生きることばかり、自活することばかり考えていた。」という佐々木さんがコツコツと貯めた10万円を出資し、仲間らと地元特産品の日高昆布の下請けから始め、現在では自分たちで製造・販売をしている。介護用品の販売にも取り組み、当事者の雇用機会を拡大、現在も『有限会社福祉ショップべてる』代表取締役社長をつとめている。
私も経験があるのだが、同じ症状の人と接すると気持ちがラクになることがある。
同じ症状の人と接することで、症状が改善するという説が100年前からあり、べてるの家では「当事者研究」というものを行っている。
「ツレがうつになりまして」読了。うつを少女マンガエッセイの文体で描くことの達成を感じました。専門家として違和感を感じる一方、そこに開かれることはとても大切だと感じました。当事者研究もそうなのですが、病むことと癒されることが多様な生き方と関わることを、改めて感じました。
— 東畑開人 (@ktowhata) October 11, 2016
当事者研究と称して、患者さんが自身の精神状態や妄想、幻聴などについて発表し、ほかの患者さんたちがそれに対して意見を述べるミーティングを毎日のように開いており、つまり、患者さんが患者さんを治療しているのです。
画像引用:べてるねっと
この幻覚や妄想の体験を発表しあう「幻聴&妄想大会」を含む「べてる祭り」が7月15日・16日に北海道浦河町総合文化会館 文化ホールで行われた。
「べてるの家」で興味深いのが、幻聴を抱える人を「幻聴さん」と「さん」付けで呼んだり、また幻覚や妄想を「お客さん」と呼ぶなど、自らの病気を客観的に見つめ迎え入れようとしている取り組みだ。
幻聴や妄想に捉われ、混乱している際は「今、お客さんだらけになっています」と表現したり、「お願いしたら、幻聴さんが大人しくなってくれました」という報告もあるそうだ。
年に一回開催されている「幻覚妄想大会」というイベントを開催し、大賞を決めたりもする。
大阪大学大学会館で開催されている、第13回当事者研究全国交流集会に参加しています。今、べてるの人たちが壇上て挨拶されています。幻聴さんも連れてきているそうです。 pic.twitter.com/YKaXrtFK5Z
— fujino_lecture (@fujino_lecture) October 9, 2016
その模様が、10/16(日)・10/23(日)19:00〜 Eテレにて「バリバラ 幻聴さんと暮らす~“べてるの家“の奥深き世界~」で2週連続放送予定だ。
当事者の方はもちろん、障害福祉に関わる方、そして日々悩みを抱えて生きる全ての人に是非見てほしい。
https://www.fesco.or.jp/winner/h26/winner.php?wid=12133
via:公益財団法人 社会貢献支援財団
https://www.schizophrenia.co.jp/support/lilly/award/09_activity01.aspx
via:Schizophrenia
http://www.urakawa-bethel.or.jp/betheltoha.html
via:社会福祉法人浦河べてるの家
via:べてるねっと
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