骨折と命のリスク
太ももの前部「大腿四頭筋」と呼ばれる筋肉が弱くなってくると、転倒して、最悪、命を落としてしまうことがあります。筋肉は鍛えることで、強くすることができます。それでは、「骨」を鍛えていない人はどうでしょうか?
鍛えていなければ、小さな刺激で簡単に折れてしまいます。骨密度のピークが決まるのは早く、20歳前後です。また、身体は40歳頃までは、その骨の量をキープし続けようとしますが、加齢と共に衰えて行ってしまいます。
また、殆どの人が知らないうちに骨折のリスクを自ら築いているようです。
「まさか、命を落とすことはないですよね?」
「20代の女性のうち、6人に1人は50代並みの骨密度と言われていて、WHOが定める「骨量減少者」に該当します。さらには、最近の国民健康・栄養調査を見ても、女性はすべての年齢層でカルシウムが不足しています。骨折から寝たきりになるなど、命のリスクとなってしまう可能性も否定できません。」
今回は、そんな骨折の怖い話をサラッとご紹介します。
骨の刺激が少ないとどうなるのか?
アメリカのミズリー大学の博士が、20~50歳の男性で、1週間に6時間以上のランニングをする人と、サイクリングをする人を比較しました。すると、ランニングで19パーセント、サイクリングで63パーセントの骨粗症予備軍の割合となりました。
これは、骨への刺激が少ないために起きた結果です。
他にも、スイミングをする人はバスケットやバレーボールをする人よりも骨密度が少ないという報告があります。水中では「浮力」によって、骨にかかる負担が遥かに少ないからです。
骨に適度な刺激がかかると、筋肉と同じで「強くなろう」とします。骨の主成分カルシウムの沈着が促進されます。しかし、カルシウムをいくら摂取しても、骨への刺激が少ないと骨づくりに活かされないので骨がもろくなります。
骨が減少するスピード
女性は、およそ50歳ごろから骨密度が急に減少していきます。閉経後10年の間で、骨密度は約20パーセントも減少すると言われ、60代で、若い頃と比べると、80パーセント前後も骨密度は低下します。
また、女性ホルモンの一種「エストロゲン」の分泌量が減少することで骨を壊すスピードも加速します。「エストロゲン」は、骨の新陳代謝に際して骨吸収をゆるやかにして骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあります。
そのため、閉経期を迎えて女性ホルモンの分泌が低下しますと、急激に骨密度が減り、同年代の男性に比べて早く骨密度が低くなります。加えて、加齢とともにカルシウムの吸収率が悪くなり、骨がもろくなるスピードも上がります。
骨が折れると命のリスクも上がる
骨粗しょう症とは、ちょっとした衝撃にも耐えられないほど骨がもろくなる病気です。そして、骨粗しょう症になりやすいのが、背骨です。
背骨は、「椎骨」という小さな骨が積み重なりあって出来ています。椎体と呼ばれる部分は、骨粗しょう症になると、体重や骨同士の衝撃で簡単に押しつぶされてしまいます。これを椎体圧迫骨折と呼びます。
この骨折後の5年間での生存率は約80パーセントと言われ、5人に1人の割合となります。大腿骨(太ももの骨)の場合は、これよりも生存率が少なく50パーセントです。2人に1人が5年以内のに命を落とすかもしれないということです。
大腿骨を骨折すると、治るまでの期間は、安静にしなければいけません。その間、脚の筋肉も衰えるとなれば「転倒」して大ケガするケースもあります。高齢の方はリスクが更に上がるでしょう。
今からできる予防策
次の項目に該当すると、骨粗しょう症のリスクが高くなると言われています。
- 陸上より、水中での運動が多い。
- 車通勤が多い。
- デスクワークが多い。
- 紫外線を浴びないようにしている。
- ダイエットが多い。
あなたは、一体いくつ該当したでしょうか?日焼けしたくないからなるべく紫外線を避けたり、ちょっとしたお出かけでも車を使ったり、ダイエットと言っても、日に当たりたくないから水中歩行をしたり……。
これらの行動は、骨折のリスクを高めていたのです。
それでは、今からでもできる簡単な予防策を以下でご紹介します。
・日光を15分浴びる
紫外線は、シミやクスミの原因と言われていますが、日光をまったく浴びないというのは、あまり骨に宜しくないようです。
紫外線を浴びると「ビタミンD」が生成されます。ビタミンDは、カルシウムやリンなどの骨のミネラルの吸収を促進させる働きがあります。
また、5歳以上の日本女性、約1400人を対象にした研究では、血液中のビタミンD濃度が低いと転倒するリスクが高まるということが判明したようです。他にも、イギリスで約4200人の高齢者を対象として行われた調査報告では、ビタミンD不足が筋力のパフォーマンス低下に関連があったとされています。
勿論、食事で摂取することはできますが、日光を浴びた方が早いです。平均的な食事を摂っている場合、顔や肘、手までの部分を15分前後浴びるだけで、毎日の必要なビタミンDが生成されると言われているからです。
また、食事で摂取する場合には、アジ・サンマ・サバなどの青魚や、まいたけ・エリンギ・干し椎茸などのきのこ類に多く含まれています。
・運動をする
カルシウムやビタミンDの摂取に加えて、ジョギングや筋力トレーニングで骨に刺激を与える運動が推奨されます。
アスリート選手の骨密度は、一般の人よりも骨密度が高いことで知られていますが、重心がかかるような競技は特に高いと言われています。
軽いダンベルを持ったウォーキング(パワーウォーキング)で、少し体に負荷を増やしたウォーキングは効果的です。ウエイトマシンなどを利用した筋力トレーニングも、筋肉と骨は腱を介しているため良いと言われています。筋トレの利点は、ウォーキングやジョギングで強化できない上半身の骨も鍛えることです。自分の弱い部位を選択してトレーニングできるところも利点ですね。
重りを扱うので、いずれの運動も医者と相談しながら運動しましょう。
・栄養バランスを考える
骨の健康のために最も重要な栄養素は「カルシウム」ですが、カルシウムの吸収を促進させるビタミンD、ビタミンK、骨のコラーゲンの劣化を防ぐビタミンB6、ビタミンB12、葉酸などの豊富な栄養素の摂取も大切です。
偏食や欠食のない栄養バランスの摂れた食生活を心がけましょう。
骨折の怖い話も備えがあれば心配なしですね。
今回の記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。ありがとうございました。
世界骨粗しょう症デーなので、私の骨密度の話を・・🦴
▼18歳、学校で計測
同世代平均値より低くて注意を受ける▼今年、会社で計測
レモンの会社に入社してピー年😲
同世代平均値より高くなっててびっくりこれからも骨だけにコツコツ続けます👍
カルシウム補給レシピ☞https://t.co/57dACrg1y9 pic.twitter.com/B7YZzTOcFx— ポッカサッポロフード&ビバレッジ (@pokkasapporo) October 20, 2021