先日発売されたApple Watch 2。

このApple Watch 2に標準搭載されたApple Watch向け新OS「watchOS 3」では、車椅子ユーザーの活動量の計測に対応している。車椅子の車輪にセンサーを取り付けるなどの車椅子の改造をしなくても、watchOS 3と搭載したApple Watch(初期モデルでもOK)を手首に着用さえすれば、ほかのユーザーと同じように、日々の消費カロリーや移動距離などを測ることができるようになる。

この車椅子ユーザーのカロリー計算には苦労したそうだ。

第一に車椅子の走り方(漕ぎ方)には、3種類ある。

Apple Watchの車椅子対応プロジェクトに携わったロケーション&モーションテクノロジーソフトウェアエンジニアリング担当ディレクター 、Ron Huang氏によると、

皆さんは車椅子の漕ぎ方に種類があることをご存じだろうか。車椅子を使ったことがない人にとっては、なかなか知ることができない世界だ。

Huang氏によると、Apple Watchは、「Semi-circular」「Arc」「Single loop over」という3種類の漕ぎ方を検出することができるという。そのことを知るきっかけは、病院を車椅子で退院する際に手渡される、車椅子初心者のためのハンドブックだったとのことだ。

車いす漕ぎ方

画像引用:マイナビニュース

Semi-circularは、ホイールを漕いで、そのまま手を下を通して回転させる。逆にSingle loop overは、漕いだ手をホイールの上方を通して返す。そしてArcは、ホイール沿いをたぐり寄せるように漕ぐ。加えて、路面の状況や傾斜によって、ホイールの漕ぎ方が変わる。

こうした細やかな手の動きを、片方の手首に装着しているApple Watchのモーションセンサーのみで検出するためのアルゴリズム作りが必要だった。このアルゴリズムによって、その人が何回車椅子のホイールを回したかを「プッシュ」という単位で計測することができるようになる。

そのプッシュの長さ(強さ)に応じて、運動強度を割り出し、カロリー計算や移動距離の算出ができるのではないか、というアプローチだ。

第二に路面状況で消費カロリーに違いが出る。

歩行している人にとっては、路面が舗装路なのか板の間なのか、フローリングや絨毯なのかは、さほど大きな違いではないが、車いすユーザーにとっては少しの路面状況の違い全てが影響するという。

watchOS 3は歩行とは違う、数々の困難を解決し、車椅子に対応するOSとなった。

ちなみにApple Watchおなじみの「スタンド」機能は、車椅子ユーザー向けには「ロール」機能になっている。

Apple Watchには、1時間に1分は立ち上がることを促す「スタンド」機能がある。車椅子利用者向けにはこれを「ロール」機能に変え、同じように、1時間に1分は体を動かすよう促す。また、車椅子での「プッシュ」や移動距離は、iOS 10の「ヘルスケア」アプリに記録され、日々の活動量の記録を振り返ることができるようになる。

watchos3ロールアップ

画像引用:マイナビニュース

Apple Watchにこんな隠された苦労があったとは知らなかった。限られたセンサー(GPSと加速度センサー等)でここまで出来るのはスゴイと関心した。

Apple×車いすユーザーといえば、アクセシビリティが欠かせない。例えばiPhoneやiPadなどは手触りがなく視覚で確認する必要があるスクリーンに対し、音声で利用できるようにする機能や、人により握力の関係でホームボタンや音量ボタンを押す事ができない場合、スクリーンに軽く触れるだけでその機能を使用する事ができる。iOSの標準搭載だ。

6月に開催されたWWDC 16で、優れたアプリを表彰するApple Design Awardでは、高校生の頃に視力を失ったというDJがiPadとDJアプリ「djay Pro」を利用して華麗なプレイを披露し喝采を浴びていた。このことは、Appleのデバイスとアプリの組み合わせによって、健常者と同じようにあらゆる人々が生産性や創造性を拡げられることを端的に示している。

1つのデバイスが、あらゆる人にとって便利に利用できる多様性に富んだ「ユニバーサルデザイン」Apple製品の利用により、車いすユーザーもよりアクティブに生活しやすくなってほしいものだ。

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