18歳九段は史上初
第92期ヒューリック杯棋聖戦
第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局が、静岡県沼津市「沼津御用邸東附属邸第1学問所」で現在対局中です。
藤井棋聖の2連勝で迎えた第3局は、渡辺名人の先手で7月3日(土)午前9時に開始しました。
先に3勝した方がタイトルを手にする五番勝負の本局で藤井棋聖が勝つと、3連勝で防衛となり規定により藤井棋聖の史上最年少での九段昇段が決定します。
藤井聡太棋聖に渡辺明名人が挑む棋聖戦、その第3局が始まります。
この将棋に藤井棋聖が勝てば初防衛&タイトル3期で九段昇段となります。
18歳の九段は大幅に記録を更新することになりますが、現在の最年少九段記録を持つのは渡辺名人。
記録更新を阻むことができるか⁉︎https://t.co/tKOaqfDUeD pic.twitter.com/yMYrpSmAbu— 白鳥士郎 (@nankagun) July 2, 2021
九段昇段条件
これまでの最年少九段昇段は、本日の対局相手である渡辺名人が達成した21歳7ヶ月です(竜王2期によるもの)。藤井棋聖(生年月日: 2002年7月19日)は今日勝つと、タイトル獲得通算3期(棋聖2期、王位1期)という九段昇段条件を満たし、最年少記録を大幅に更新して18歳11ヶ月での九段になります。
九段は棋士の最高段位であり、昇段には高い基準が設定されています。
・竜王位2期獲得
・名人位1期獲得
・タイトル3期獲得
・八段昇段後公式戦250勝
タイトルに関しては通算の獲得期数であり、一度無冠となって再び獲得したものも累計されます。また、それぞれが別のタイトルでなくても、保持するタイトルを防衛してもさらに1期として計算されます。藤井棋聖は王位も獲得し現在合計で2期、棋聖を防衛することで合計3期となり九段昇段条件に該当することになります。
村)棋聖戦第3局、昼食の注文は藤井棋聖が富士山キーマカリー、渡辺名人がオムライスでした。対局は午後の勝負どころを迎えています。
藤井棋聖が長考、消費時間は名人の4倍 棋聖戦第3局:朝日新聞デジタル https://t.co/zitVeMV7KS pic.twitter.com/VfNBh1AYbH— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) July 3, 2021
八大タイトル戦
将棋には現在8つのタイトル戦がありますが、タイトルごとに序列(格付け)が存在し、その序列はタイトルの賞金額によって決められています。序列最高位の竜王は優勝賞金4400万円で、将棋界最高賞金の棋戦です。
また、序列2位の名人は最も古い歴史と格式を持つタイトルであり、年間を通じて成績を争う順位戦を勝ち抜き、最高クラスのA級で優勝することで初めて挑戦権を得ることのできる棋戦です。
これら2つのタイトルは他の6つのタイトルと違い、3期より少ない獲得期数で九段に昇段します。
名人ならA級に上がり挑戦するまで最低でも5年は高い成績を維持しなければなりません。規定により順位戦でA級に上がった時点で八段になることもあり、それらすべての棋士の頂点という意味でも1期獲得することによって最高段位の九段に昇段します。
竜王は、通常ならタイトル1期の規定となる七段に挑戦者となった時点で昇段し、竜王のタイトルは1期獲得することで八段となります。プロ、女流、アマ、奨励会員、すべての参加者に勝ち上がることで獲得のチャンスがあり、2期の獲得で九段と規定されています。
それ以外の、王位、王座、棋王、叡王、王将、棋聖は、どの棋戦でも合計で3期獲得することで九段になるとの規定があります。藤井棋聖が今回の棋聖戦で防衛した場合、タイトル3期の規定が適用され昇段することになります。