マクロビオティックについてご紹介します
「マクロビオティック」という言葉を、聞いたことはありますか?
マクロビオティックは、住んでいる土地の食材を中心とした環境に優しい食生活と、人間が健やかに生きるためのライフスタイル全般の提案です。そして玄米などの穀物を中心に、旬の野菜、海藻、豆などを生活する環境に合わせてバランス良く摂る食事法を提案しています。菜食主義とは違い、肉や魚を食べてはいけないということはありません。また治療食と誤解される方もいますが、治療においては医師の指導に従って必要な栄養をしっかり摂ることをすすめています。
私自身、食物アレルギーをきっかけに食事や生活全般を見直す中で、多くの人がさまざまな物質へのアレルギー反応による不調を経験していることを知りました。医学はもちろんのこと、さまざまな考え方から自分に合うことを選択して、少しでも良い体調で過ごしていきたいと感じています。マクロビオティックの考え方もその選択肢の一つとして、参考になると思います。食に興味がある方、ライフスタイルの見直しを考えている方、アトピーなどの皮膚症状、原因が特定できない不調に悩む方やそのご家族、さまざまな方の参考になると思います。
マクロビオティックとは?
マクロビオティックは、「マクロビ」、海外では「マクロビオティクス」や「マクロ」という言葉でも知られています。「マクロ」はギリシャ語で「大きい」や「長い」、「ビオ」はバイオで「生命」、「ティック」は「術」「学」といった意味です。
桜沢如一(1893-1966)が、明治時代に食医と呼ばれた石塚左玄(1851-1909)の考案した「食養生」の考えをもとに、中国の「易」の陰陽の要素を加え、玄米菜食を基本とする「正食」を確立したものが基礎となっています。さらに、環境に優しいライフスタイルの提案を早くから提唱しているため、ご存じの方も多いかと思います。
私も学生時代にマクロビオティックについて学び、母と湯治で利用していた宿でも毎食工夫された素晴らしいマクロビオティック食を経験したことがありましたが、時間が経ってあいまいな知識になっていました。生活全般を見直す中で、あらためてマクロビオティックについても学びたいと思い、先日講習を受けたのでご紹介します。
マクロビオティックは治療食ではない
マクロビオティックでは、「私達の体は食べ物でできている」と言われています。そして住んでいる土地で古くから伝わる自然な生活を心がけ、環境にも心にも優しい生活をして、食とライフスタイル全般を整えましょうと言われています。マクロビオティックを実践したら病気が治るとか癌にならない、というものではありません。とくに病気になってからの食事では回復や良い状態の維持に大切な栄養素を摂る必要があり、しっかりと医師の指導に従うように言われています。
「陰陽調和」の考え
陰陽とは東洋の伝統的な思想で、万物は陰と陽の2つのエネルギーから構成されているといわれています。
食物においては、夏にはキュウリやスイカ、冬には根菜類や温かい食べ物が食べたくなるように、身体を冷やす作用のもの(陰)と身体を温めるもの(陽)があることでご存じの方も多いと思います。食物も季節のものを中心に、体調にあわせて陰陽のバランスをとることが大切だといわれています。
先生達がマクロビオティックを始めた理由
マクロビオティックでは、環境へ配慮したライフスタイルを提案しています。その考えは、現代のエコでオーガニックでサスティナブルな生活という考えにマッチしています。
今回私が教えていただいた先生は、以前不調が続き、一般に使用されている食器用洗剤を変えてずいぶん改善したそうです。さらに生活全般を見直す過程で、米や小麦から頭痛を感じていたために無農薬や合鴨農法の玄米へ変えるなど、さまざまな工夫をされて不調が改善されたそうです。
私が学生時代にマクロビオティックを教えていただいた先生も、洗濯洗剤からニキビや湿疹が続き、全ての洗剤を天然成分へ変えたと言っていた記憶があります。お二人とも洗剤だけではなく他にも工夫されたので改善されたとは思いますが、洗剤や石鹸などの皮膚からの吸収も体内に大きな影響があるので、不調の大きな原因となる場合もあります。
講習で行われたこと
今回私が受けた講習では、マクロビオティックの基礎知識の勉強と、実際にマクロビオティックの考えに基づいた玄米菜食の調理を行いました。使用する食材も無農薬の野菜や玄米、こめ油などが選ばれていました。肉と魚は使用せず、代わりにお麩を使用しました。
調理の際には、いかに無駄なく食材を生かすか、そして自分にも環境にも優しい調理法をご指導いただきました。
環境へ配慮した調理法
マクロビオティックでは環境へ配慮したライフスタイルの一つとして、調理での工夫も大切です。調理にあたって教えていただいた中からいくつかご紹介します。
- 調理や片付けに使用する水を減らす
- 玄米はボウルに水をためて、拝み洗(おがみあらい)で丁寧に洗う
- 新聞紙や古布を使い、皿の汚れをとってから洗う
- 野菜の皮をなるべく使うことで生ゴミを減らし、身体に良い栄養も豊富にとる
- よく噛んで食べるように食材の切り方を工夫する
- できるだけ有機や無農薬の食材をつかう
- 残留農薬は、よく洗い流す
- 箸を置きながらゆっくり100回噛んで食べる
マクロビオティックまとめ
有機や無農薬のものをできるだけ使用することは、自分の心身にも環境にも優しく、生産者の支援にもつながります。まるごと食材を活かすことでゴミを減らし、自分も栄養をしっかり摂ることへつながります。私の生活では全てをオーガニックで続けるというのは難しいのですが、自分のためにも社会貢献の一つとしても、食材の使い方やゴミの分別、節水などの自分が出来ることを続け、可能な範囲で取り入れていきたいと感じています。
マクロビオティックの考えがそのまま現代の、そしてこれからの私達の心身にピタリと当てはまるとは言い切れないと思いますが、身体に入れる食べ物や環境について考えて生活をすることは、これからもずっと大切なことだと思います。
自分の食生活やライフスタイルの改善に合っていると感じるものを、疲れない程度にさまざまな情報から取り入れてみるのも良いのではないかと思います。その情報の一つとして、マクロビオティックも知っていただくきっかけとなったら嬉しいです。
最新情報を購読しよう!
就労継続支援・就労移行支援事業者様へ
HIFUMIYO TIMESでは毎月フリーペーパー版を発行しており、各エリア版の加盟店を募集中です。福祉事業者に最適なブランディングと広報力をご提供します。詳しくはお問い合わせください。