犬がいる家庭で育った子どもは小児喘息に罹るリスクが低下するという研究が、電子版『JAMA Pediatrics』誌の記事「Early Exposure to Dogs and Farm Animals and the Risk of Childhood Asthma」に掲載されました。
スウェーデンのウプサラ大学のトーヴェ・フォール教授らが、コホート研究という手法で、犬や家畜との接触状況と喘息罹患率との関連を分析した結果です。
記事によれば、スウェーデンのウプサラ大学のトーヴェ・フォール教授らは、約100万人の小児を登録したコホート研究を実施。コホート研究とは、特定の地域や集団に属する人々を対象に、長期間にわたり病気と生活習慣や環境との関係を調査する研究です。
結果は以下の通り。
まず、学齢期コホートのうち1万1585人(4.2%)が6歳時点で喘息に罹ったが、1歳までに犬や家畜と接触した小児は、喘息罹患率が有意に低かった。また、学齢期コホートのうち犬と接触があった2万2629人(8.2%)も、接触しなかった小児より6歳時点での喘息罹患率が有意に低かった。
一方、未就学期コホート37万6638人のうち犬と接触したのは5万3460人(14.2%)、家畜と接触したのは1729人(0.5%)だった。1歳までに喘息になった1万8799人(5.0%)を除外した35万7839人に対しの追跡調査したところ、2万8511人が喘息と診断されたが、喘息罹患率は1000人当たり3.1人に過ぎなかった。
周囲に動物のいる環境で育った子どもは、動物の持つ「アレルゲン」に晒されることで免疫力が高まるだろうと予測されています。
さらに、アレルギーに限らず、アニマルセラピーは心のケアにも有効です。国際的には動物介在療法(AAT/Animal Assisted Therapy) と呼ばれ、古代ギリシャでは負傷した兵士にリハビリテーションとして乗馬療法が取り入れられました。18世紀のイギリス、ヨーク収容所では、ウサギやニワトリを飼育して精神障害を治療しました。場面緘黙の子どもを犬と遊ばせて、症状を改善させたこともありました。
1980年代のジュリア・ヴォルムブロックとジョン・グロスバーグの共同研究では、犬を撫でると被験者の血圧が低下することが確認された。ペンシルバニア大学のエリカ・フリードマンやアーロン・H・カッチャーの研究では、犬や水槽の魚の飼育は、心筋梗塞の患者の血圧や脈拍数を安定させ、動物を飼う患者の延命率は、飼わない患者の3倍も高かったと公表された。
アニマルセラピーには、生理的、心理的、身体的、社会的に、絶大な効果が期待されています。
2015年4月17日、麻布大学動物応用科学科の菊水健史氏らは「人と犬とが互いの目を見つめ合うと、愛情ホルモンのオキシトシンの分泌が促進される」とする研究論文を米国の科学誌『Science』発表した。人と犬がアイコンタクトしつつ、数百年にわたって信頼と親密さを深めながら歩んだ長い道のり物語っている。
人は誰かを愛したいと思うものです。親密さの中にあることで、幸福感を得られます。免疫力を高めて病気にかかりにくなるという実利的な有用性とともに、ココロが満たされるという何にも代えがたい治療薬を動物は与えてくれるのです。
http://healthpress.jp/2016/02/post-2258.html
via:HEALTH PRESS
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