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2024/11/10:フリーペーパーvol.104発刊!

「発達障害」への偏見はどこから?疑いの目がなくならない理由

女優 高畑淳子の息子、高畑裕太さんが強姦致傷容疑で逮捕された事件も記憶に新しいのではないだろうか。事件の真相・詳細はいまだ不明な部分もあるが、別に気になる事がある。

今回の事件は、まるで彼が発達障害だったため起きたかのような報道がなされていることだ。彼のこれまでのバラエティ番組での言動や釈放された際の謝罪の様子など「異様である」としてネットではこのように囁かれている。

〈空気を読まないで叫んだり、長く頭を下げたり、思わず記者を睨み付けるような表情になったりしてたが、これらも発達障害の特徴だろう〉
〈この顔つき、発達障害児のそれですよ〉

今回の事件と発達障害を関連づけて公表する週刊誌の記事なども目にする。
この偏見はいかがなものだろうか。まるで「発達障害者=犯罪者予備軍である」というような言い回しだ。

そんな中、神戸大学大学院人間発達環境学研究科の鳥居深雪教授(発達障害臨床学)は、六甲アイランド高校と共同で「発達障害に対する高校生のスティグマ(偏見)」をテーマに研究を続けている。

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画像引用:神戸新聞NEXT

「発達障害に対する高校生のスティグマ(偏見)」。神戸大大学院人間発達環境学研究科(神戸市灘区)の鳥居深雪教授(発達障害臨床学)と六甲アイランド高校(神戸市東灘区)の共同研究テーマだ。発達障害のある人と関わった経験の有無などを同校生徒から聞き取り、何が偏見につながるのかを探った。

研究の成果は、10月に高松市で開催される日本教育心理学総会で発表する予定。鳥居教授は同校の生徒に「障害理解授業」を実施し、授業の前後でアンケートを実施した。授業後は、発達障害のある人との生徒の心理的距離が縮まっていることがうかがえた。

鳥居教授のアンケートから、正しい知識を得ると、心理的距離は近くなる傾向がみてとれた。生徒は「知識には経験が関係するのでは」と考え、昨年12月、無作為に選んだ生徒69人から聞き取った。打ち解けて話が弾む場合もあれば、そっけなくされてくじけそうになることも。別の2年の女子生徒は「人の考えを聞く機会があまりないので、そんな考えもあるんだと見識が広がった」と話す。

現在、共同研究は調査の結果を踏まえ、学会で発表するための資料を作成中だ。

障害者と健常者との心理的距離は、主にその障害について「知らない」ということから発生している。今回の研究では、知識を身に付けるだけでもその距離を縮められるということが分かった。

近所に発達障害のある子がいる同校2年生の山崎未来さんは、「この子が就学後、偏見がない環境になってほしい」と語る。

障害者と健常者は、互いに関わることで偏見や誤解を解くことのできる関係にある。両者が、社会の中で居場所を住み分けるような対策にある中では、互いを知り合うことができない。

知ることで偏見がなくなる経験は、障害者に限らず私たちが普段していることではないだろうか。

via:神戸新聞NEXT

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