移動支援なのに福祉車両がないの!?
3年ほど前のこと、親しい先輩から移動支援のとあるヘルパー事業所の紹介を受けました。
先輩のお話によると、自分たちと歳が近くて若いスタッフも多くいらっしゃるということで、「話の話題も合いそうだな」と思い、事業所の責任者の方と面会をして話を聞いてみることにしました。
ところが、実際お話をしてみると、移動支援だというのに車いすごと乗車できる福祉車両が1台も無いというのです!!
紹介をしてくれたその先輩は車いすから車の座席に自力で移乗ができる方でしたが、
私は自力で移乗ができない上に座位を保つのが車いすでしか不可能なので、車いすごと乗車できる福祉車両が必要でした。
正直のところかなり拍子抜けしましたが、将来的に福祉車両も導入したいとおっしゃっていたので、とりあえず居宅介護という形での利用から始めることになりました。
福祉車両について色々とチェック。思いがけず軽自動車の充実ぶりが凄い。他にも色々と情報が拾えて非常に勉強になった。介護に関するあらゆることをもっと知りたい。ケアマネの勉強、いまさらだけどかじってみようかな。
— cocoa@薬剤師 (@cocoamr1) July 6, 2020
ざっくり
具体的な車名を出して提案するも…
ところが、何ヶ月経っても福祉車両の導入に向けた準備が進んでいる様子が一向に見られませんでした。
車種の選考などで話がなかなか進んでいないのかなと思い、話が進むようにあるヒントを与えてみました。
「ホンダのN-BOXとかは、いかがなんですか?」と。
スロープ付きの軽バンほしい
具体的にはこれのスロープ仕様のやつhttps://t.co/5kLG4yIKW6— ぺんつー (@pen2_klamath) August 5, 2020
ホンダの大人気軽「N-BOX」のスゴさを侮るなかれ
ホンダの大人気の軽スーパーハイトワゴンのN-BOXは、現在2代目が販売されていますが、
その前の初代N-BOXには「N-BOX+(プラス)」というグレードが存在しました。
福祉車両ではないのに、バックドアのところにスロープが標準搭載されており、
自転車やバイク、ベビーカーなどの大きな荷物の搬入もとても楽にできるという画期的な車でした。
そして、福祉車両として使いたい場合は車いす仕様車キットを後付けできました。
中古車でも「N-BOX+」は既に出回っており、それに車いす仕様車キットを取り付けるだけで、
福祉車両の導入コストも大幅に抑えられるので、私が使っていた事業所にとっても打ってつけではないかとアドバイスをしてみました。
ちなみに、「N-BOX+(プラス)」はN-BOXの2代目へのモデルチェンジに伴い、廃止されてしまいましたが、スロープ仕様車専用グレードとして2代目に継承されています。
N-BOXのスロープ仕様車は、福祉車両の枠だけにとどまらず、非常に数多くのアレンジが可能な唯一無二の軽スーパーハイトワゴンといったところでしょう。
幸町店より在庫車のお知らせです。
平成29年式N-BOX+です。
福祉車両スロープ車ですが、車いすを乗せない場合は、4名の定員のため普段使いにも重宝するお車です。
3.3万kmの走行のためまだまだ走行距離の少ないお車となります。 pic.twitter.com/k9yCej3o6h— 丸幸自動車/幸町 福祉車両の店 (@marukoujidousha) April 14, 2020
【バリアフリー 2018】ホンダの新型「N-BOX スロープ仕様」を動画で紹介 https://t.co/HN2G6I56fL #バリアフリー2018 #ホンダ #NBOX #福祉車両 pic.twitter.com/og6d1zSaZb
— Car Watch (@car_watch) April 20, 2018
「軽自動車になんてお客さんは乗せられない」
「N-BOX+」のメリットを前述のとおり、事業所のヘルパーの方にも話してみましたが、
「軽自動車は(構造的にも)弱いし、とてもお客さんを乗せられるような車ではない。」とのこと。ハァ〜。
確かに、普通車と比べると軽自動車は弱っちいという点はどうしても否めないです。
しかし、日本の道は狭いところが多いです。ハイエースなどの大きなバンでは、厳しい所も軽自動車なら行ける範囲が広がります。
そして価格も乗用車に比べて安く、導入コストが低く抑えられます。
他の福祉タクシー事業所や福祉施設の送迎車など様々なところで軽自動車の福祉車両が十分活躍しているのに、
「じゃあ、そういった人たちは一体どうなんだって言うんだよ」とツッコミたくなりました。
安全性も確かに必要な点ですが、車いすごと乗車できる福祉車両が1台でもあるのとないのとでも、大きな差なのにそこは分かってないんですねぇ。
事業所にとっても、むしろ福祉車両があったほうが利用したいという人が増える上に、新規の顧客開拓にも繋がるいいチャンスになりそうなものですが。
そんなにあの事業所が「軽自動車になんてお客さんは乗せられない」と言うほどなら、
普通車の立派で丈夫な福祉車両の導入をお考えなのだろうなと、誠に勝手ですが大きな期待をしてしまいました。
<新車福祉車両 N-BOX+2台納車 茨城保健生活共同組合 様 https://t.co/a0Mdn0bCyX pic.twitter.com/xuXBWqZDkX
— 小野瀬自動車 株式会社 (@onose_hp) October 11, 2017
介護をするするなら、 N-BOX+ pic.twitter.com/CgzhJQIUX0
— さっしー4101 (@4101y) March 20, 2016
3年も待ったが、結局…
その後も、居宅介護のヘルパーを利用していましたが、福祉車両の導入についての話は進展せず、
毎回こちらが聞くたび、「車種の選定中」とか「手続きに時間が掛かっている」とか、その場しのぎの苦し紛れの言い訳で返されました。
よっ、これぞ、「買う買う詐欺」(笑)っていうんでしょうか?
そして、去年の終わり頃から、家庭の都合やコロナの自粛期間などもあり、ヘルパーの利用をする機会がほぼ無くなってしまいました。
つい最近、私の親しい人たちのほうからその事業所が新車を購入したらしいとの噂を耳にしました。
担当のヘルパーに連絡をして、事実確認をしたところ、2台の福祉車両を購入されたとのこと。
ところが、結局のところ…?
移動に車があると便利🚘
だけど、福祉車両は高すぎて買えないと思い込んでいませんか?
消費税と自動車税、軽自動車税などの免税措置もあり、免許取得の支援制度も。
各自治体により制度は異なるものもあるが、まずは調べてみるとお得な情報が隠れているかも💡https://t.co/92SHX6uzdV
— 中塚翔大@名古屋MID-FM761『パラちゃんねる』2020年8月8日(土)11時~放送#9 (@CareerArt_) July 14, 2020
期待を裏切られた怒りが沸々
ん〜、それがさ、その2台ともスズキの軽スーパーハイトワゴン「スペーシア」だ・と・よ。
なんだかコレって、やっぱりおかしくないかい?
3年も待たせておいて軽自動車2台って、面白い冗談もいい加減にして欲しいところですよね(怒)。逆に、軽自動車を導入するというだけで3年も掛けるって、介護福祉に懸ける本気度が全く足りてないんじゃないの?これは、明らかに事業所の努力不足としか言いようがありません。
あの時、「軽自動車になんてお客さんは乗せられない」とか言って、利用者の意見にも耳を傾けようともしなかったのに、「もう今更何をなさっているのか」と呆れ果てました。
普通車だからこれほどの時間が掛かっていたのかと思いきや、ふたを開けてみたらこんなこととは。
「あ〜、あの時移動支援が利用できたら良かった。」と思ったことが何度あったことか。
担当のヘルパーはとても良い方でも、事業所としてのプロ意識、誠実さが感じられず信頼できなくなってしまいました。
なんか、3年間ずっと弄ばれていたような結末でした。
石野卓球がピエール瀧の逮捕の影響で中止となったイベント告知を引用して「だとよ」とツイートした真意は、イベントを中止した主催者に対する不満なのか、その原因を作ったピエール瀧に対する怒りなのか。#電気グルーヴ#石野卓球#ピエール瀧#コカイン#逮捕#だとよ
— 山シ〜タ丸🎣 𝕗𝕚𝕤𝕙𝕚𝕟𝕘〜釣りを愛する男の中の男〜【公式】 (@yamashi_ta_maru) March 14, 2019
軽自動車ってすごいですよね、小さいのに。
【スズキのWITHシリーズを取材して「軽自動車」の「福祉車両」が最強と感じたワケ】https://t.co/EbPAwhYOeJ
— Auto Messe Web (@AutoMesseWeb) June 21, 2020
福祉車両も当たり前に利用できるようになってほしい
なぜ、移動支援の中でも利用できる人とできない人のバリアが明らかに生じていたのに平気でいたのか理解できませんでした。
あくまでもこれは私の憶測ですが、事業所としてはまだ発展途上で経済面や人員的な問題などもあり、なかなか福祉車両の導入が進まなかったのかもしれません。
しかし、利用者の要望にもしっかり耳を傾けて、誠心誠意寄り添えるという大事な点がここまで欠けていたのは非常に残念でした。
利用していた事業所は、名前を出してしまうと名誉毀損的なことになりかねないなので、ここでは伏せさせていただきますが、私は、世の中の福祉というものがもっと向上していってほしいという一心で今回、この記事を書くことに決めました。
車いすごと乗車できる福祉車両は、少子高齢化の波やニーズの多様化も受け需要は必ずしもあり、むしろこれから増えていくものだと考えます。
せっかくの移動支援の制度もあるのに、いざという時必要な時に使えないというのでは全く意味がありません。
福祉車両も各メーカーが工夫を凝らして、非常に豊富な種類があるというのにそれらを適切に活用できないのももったいない話です。
福祉車両がどこでももっと日常的にかつ当たり前に利用できるようになってほしいものです。
介護のある生活当たり前に スロープ仕様の軽自動車「N-BOX Custom」〈本田技研工業〉(PR) | 福祉新聞 https://t.co/mic8uTRUzG
— 古都奈良通信 (@narakenjoho) November 13, 2018
社会問題の「介護疲れ」を緩和! 介護者はもちろん障がい者も満足できる福祉車両選びとは | AUTO MESSE WEB https://t.co/8E1pc5zA5z
運転している両上肢障害者としては軽自動車の運転席側に電動の回転シート+バケットシートとシーベルトにひと工夫をしていただきたいところですね。— まん★画大好き! (@gantanman88) June 19, 2020