リオ・オリンピックで、4つの金メダルに輝いたアメリカ女子体操のシモーネ・バイルズ選手が、発達障害の1種「ADHD(注意欠陥/多動性障害)」であることを明らかにした。
そのきっかけとなったのは、9月13日に世界アンチ・ドーピング機関(WADA)が発表した「ロシアのハッカーによってアメリカ選手の非公開情報が流出した」という声明。その中には、WADAが使用を禁止しているメチルフェニデートを、バイルズが服用しているという情報も含まれていた。ADHDのための服薬も、ドーピング違反とされるのだろうか。
シモーネ・バイルズ選手の矜持 https://t.co/gFU718N2uM pic.twitter.com/iMGD2ka1gG
— ドミニカン・ファミリー (@dominicanfamiry) September 14, 2016
しかし、バイルズは正式な手続きを経て、大会中もメチルフェニデートを服薬していた。アメリカ体操協会は、以下のような声明を出している。
「シモーネは、 USADA (アメリカアンチ・ドーピング機関)やWADAが求める書類を提出しており、規則に反していません。国際体操連盟、アメリカオリンピック委員会、USADAも服用を認めています。シモーネやアメリカ体操協会のメンバー全員は、フェアプレーに重きを置いています」
本来、このようにプライベートな情報は公開するべきではないとされている。ところが、バイルズは自身がADHDであることを9月14日にTwitterで告白した。
彼女はこう断言している。
Having ADHD, and taking medicine for it is nothing to be ashamed of nothing that I'm afraid to let people know.
— Simone Biles (@Simone_Biles) September 13, 2016
「ADHDであること、そして薬を飲んでいることは、恥じることではありません。隠す必要もありません」
日本で言えば、モデルの栗原類さんが、2015年に自身が「ADD(注意欠陥障害)」であることを告白しているが、彼もまたこのように語っている。
「早期に診断・治療したことで、自分の弱点や、できること・できないことがわかりやすくなった」
障害を持つ人は、自身が障害者であることに負い目を感じることがあるはずだ。今、これを書いている私もまた発達障害を抱えているが、一時期はそんな自分が駄目だと悲観したこともある。
しかし、シモーネ・バイルズ選手のように、障害を抱えながらも輝いている人が存在するのだ。
発達障害だけでなく、どの障害にも言えることは、どれもがその人の「特性」であるということだと私は思っている。
そうして「障害は個性だ」と、胸を張って言える自分になり、また、それを受け入れることが出来るような社会になったとすればきっと、それ以上に幸せなことは無いだろう。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/13/simone-biles-opens-up-about-adhd_n_12001064.html