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「ユニバーサル MaaS」誰もが移動をあきらめない世界へ

産学官共同プロジェクト「ユニバーサル MaaS」

2020年2月7日、ANA・京急電鉄・横須賀市・横浜国立大学の4者は共同で、あらゆる人が移動をあきらめないためのサービス「ユニバーサル MaaS」の社会実装に向けた連携をはじめると発表した。

「MaaS(マース)」とはMobility as a Service の略。マイカー以外の異なる交通機関をひとつの交通手段として捉える考え方だ。あらゆる人が利用できるというユニバーサルデザインの概念と、異なる交通機関をひとつの交通手段として捉える「MaaS」の概念を掛け合わした考え方が「ユニバーサル MaaS」となる。

「移動をあきらめない世界へ」というコンセプトのもと、「ユニバーサルl MaaS」は進んでいく。

「ユニバーサル MaaS」でシームレスな移動を

ひとつひとつの交通機関の情報を調べ、連絡し、何かしらの準備をしてもらうのはなかなか手間のかかる作業だ。シームレスな(継ぎ目のない)移動ができれば旅がスムーズに進み、ストレスも少なくて済むだろう。

2020年度内の実装開始を目指す

2019年6月より、羽田空港第2ターミナルから横須賀美術館までの移動について、何度もお客さま用アプリとサービス提供者用アプリを使った実証実験を繰り返し、「ユニバーサル MaaS」試作版のアプリを作り上げたという。今は移動に介助が必要な車いすユーザーをメインに2020年度内の実装を目指し開発を進めている。誰もが移動をあきらめないことをコンセプトに動いているプロジェクトなので、今後さまざまなケースを想定した実験も進められることになるだろう。

シームレスな移動に必要なこと

シームレスな移動を行うためには、まず各交通機関の連携が求められる。今回はANAと京急が取り組んで実施しようとしているサービスだが、できるだけ多くの交通機関の参加が必要だ。情報発信・受信がスピーディに行えることも重要だろう。アプリの精度が鍵になる。また、各交通機関のスタッフの知識や技術はもちろん、臨機応変さも大切なピースだ。経験と創造力を兼ね備えた人材の育成も必要になるだろう。

誰もが移動をあきらめない世界へ

「ユニバーサル MaaS」は、多くの人が一歩を踏み出すきっかけになるサービスになるだろう。だから、数多くの交通機関や自治体、研究機関に関わってほしいし、たくさんの人にこんな考え方があって、実際に社会に広めようとしている人たちがいることも知っていてほしい。

旅をあきらめていた人の希望に

誰かに迷惑をかけてしまうかもしれない、時間がかかる、疲れる、手間がかかる、めんどくさい…いろんな理由で旅をあきらめている人がいる。日常から非日常へ。旅はそこを可能にしてくれる道具だ。だから、生きるために旅が必要だと思う人は多いと思う。何かしらの障害を持っている方たちはなおさらだろう。

「ユニバーサル MaaS」が広がるにしたがって、移動を、旅をあきらめる理由が少なくなってくる、そんなイメージができてくる。

実現するための知恵を集めて

躊躇している人には、背中を押す人やサービスが必要だ。「ユニバーサル MaaS」は、移動を、旅をあきらめていた人にとって背中を押すサービスになりうるだろう。おそらく「ユニバーサル MaaS」の考え方を否定する人は少ないと思う。だからこそ、多くの方に関わってほしいし、実現するための知恵を集結させてほしい。

首都圏だけでなく地方からも

「ユニバーサル MaaS」の実証実験は羽田空港を起点に始まった。今後さまざまな場所で行われることになるだろう。首都圏からこの動きは広まっていくと予測できる。でも、一点からの広がりは末端には届きにくい。地方に住んでいる方々に「ユニバーサル MaaS」が広まるのはいつの日か…。

なら、地方からも「ユニバーサル MaaS」を広めていってはどうか。地方の交通機関と大学、自治体の連携がとれてくればできないことはないと思う。ANA・京急・横須賀市・横国大が発見したエッセンスを地方に。できれば、そんな感じで進んでほしい。

地方の片隅のほうが、移動をあきらめている人が多いはずだから。

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