僕はこれまでに色々な方々に助けられて来ました。
難病を患ってしまい、何回、何十回と入院治療生活の日々……。そこには家族、身内、友達、主治医の先生、看護師さん、医療事務スタッフの方々、多くの方から支えてもらい、助けてもらって今の自分がいるのです。
そこで自分も「いつか困っている人を助けてあげられるような仕事をしたい!」と決意しました。「ユニバーサルマナー検定」という資格があることを知り、この試験を受けてみようと思いました。
あの嵐の櫻井翔さんも取得したんだそうです。
では皆さん、「ユニバーサルマナー検定」とはどういう検定なのかご存知でしょうか?
ユニバーサルマナー・ユニバーサルマナー検定とは?
高齢者や障害者、ベビーカー利用者、外国人など、多様な方々を街で見かける現代。私たちにとって“自分とは違う誰かの視点に立ち、行動すること”は、特別な知識ではなく「こころづかい」の一つです。
多様な方々に向き合うためのマインドとアクション。それを私たちは「ユニバーサルマナー」と名づけました。
ユニバーサルマナー検定とは、ユニバーサルマナーの実践に必要な「マインド」と「アクション」を体系的に学び、身につけるための検定です。
以前、ひふみよタイムズでも紹介しています。
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今回僕は「ユニバーサルマナー検定3級」の試験を受けてきました。無事合格です!
マナーといえば色々ありますね。「テーブルマナー」「ビジネスマナー」「行儀」「礼儀」「公共のマナー」「態度」など。これぞユニバーサルに対応したマナー!
社会の中で人々が気持ちよく生活していくための知恵や技術は必要です。そして「自分とは違う誰かのことを思いやり、適切な理解のもと、行動すること」。つまり相手と向き合うコミュニケーションが必要。それをユニバーサルマナーといいます。
3級の試験は主に高齢者・身体障害者の方への基本的な向き合い方について考えるというものでした。
身体障害者の方
現在身体障害者の方は約394万人いると言われています。まずは肢体障害者の方、車椅子の方の不自由な生活と心理トップ3について学びました。
- 段差や階段の移動
- ドアを押したり、引いたりする困難
- 高い位置のモノが見えない、取れない
日常生活で必要となるサポートは「移動」なのです。
車椅子は幅が75cmあり、色々な場所で車椅子の方が通れるように80cmは開けないといけない、という決まりがあります。そしてファーストフード店にある返却口も、車椅子の方にとっては非常に高い位置にあるため利用しにくいものなのです。もっと下げてもらいたいという意見も多いといいます。
ドアも取っ手式よりもスライド式にすればいいのでは?など、実際に利用したユーザーの声は非常に参考になります。
車椅子では、段差や階段の移動が困難なためエレベーターを設置する、周りの人が階段から降ろしてあげる時には車椅子の方を背中に向けて降ろし、両サイドのサポートを行う方はタイヤを持つのではなくて、フレームを持ってあげるというサポートについて学びました。
今日は東京・赤坂でユニバーサルマナー検定です!講師は代表理事の垣内。なんと140名以上のご参加で、満員御礼です。 pic.twitter.com/Wu87CfnM0J
— ユニバーサルマナー検定 (@UM_Japan) August 26, 2016
最近では、多様な方々の視点に立ったおもてなしを業務に活用する目的で、すき家・ココス・華屋与兵衛など馴染み深い外食チェーングループでもユニバーサルマナー検定を導入することとなりました!
聴覚障害者の不安な事は
- チャイムの音や館内放送が聞こえない
- 窓口や店員の言いたいことが伝わらない
- 自転車や車、バイクの音
不便な要因は、相手との「コミュニケーション」です。
聞こえない方のためにどう接するのか?手話を使ってもいいのですが、手話を使える方は約15%ほどなのだそうです。他に方法はないか?口の動きや動作を使ったり、筆談でコミュニケーションをとってもいいし、スマートフォンや携帯電話のメールで文章を書いて見せ合う、などいろいろありますね。筆談は縦書きではなく横書き、アラビア数字を使ってあげるとより伝わやすいそうです。
次に、視覚障害者の不安な事
- 手紙やメニューが読めない
- 初めて行く場所が危険
- お店の空いている席が分からない
不便な要因は「情報不足」なのです。
点字を読める人も約10%だと言われています。
街の中には皆さんもご存知の通り、点字ブロックがありますよね?視覚障害者の方への移動時のサポートでは、自分の肘を掴んでもらい、視覚障害者の方の斜め前を歩くとより快適に歩きやすいのだといいます。
盲導犬も連れて歩く方もいます。盲導犬は視覚障害者の手となり足となり目となり、24時間ずっとサポートをするこころ強いパートナーです。
内部障害者の方の不便もあります。
見えない障害のために専用駐車スペースに車を置くと注意される、オストメイト専用「ストーマ(人工肛門・人工膀胱)」のトイレの場所が分からない、ペースメーカーをつけている方はIHや電子レンジなど電磁波に対する不安がある、これをどう理解していくのか?という事も学びました。
このマークの意味を知っていますか?
では、皆さんここで問題です!!
画像引用:政府広報オンライン
画像引用:千葉市
画像引用:ユニバーサルマインド?
皆さん、上から何のマークか答えられますか?回答時間は3分です!(笑)実際の試験でも3分でした。
ちなみに僕は真ん中のマークしか分かりませんでした。上から「ほじょ犬マーク」・「オストメイトマーク」・「耳マーク」と呼びます。
- 「ほじょ犬マーク」とは、身体障害者補助犬同伴の啓発のためのマーク。商業施設や公共施設、交通機関がこのマークを使うことで、身体障害者補助犬が同伴できることを示します。
- 「オストメイトマーク」とは、癌や事故などにより消化管や尿管が損なわれたため、腹部などに排泄のための開口部(ストーマ(人工肛門・人工膀胱))を造設した方のことを指します。また、公共トイレなどがこのマークを使うことで、オストメイトの方が使用可能だということを示します。
- 「耳マーク」とは、耳が聞こえないことを自己表示するマーク。また、各施設がこのマークを使うことで全難聴者に対応していることを示すマークです。
いかがでしょうか?マークの意味を理解することで、障害を持っている方により配慮できる世の中になるのではないでしょうか。
本日博多で開催された「ユニバーサルマナー検定」 @UM_Japan を職員2名が受講。障害者への基本的な向き合い方やお声がけの方法を学びました。どんな方でも利用しやすい店舗づくりに役立てたいと思います。 pic.twitter.com/x2lnKZBPL1
— 下関市立大学生協(公式) (@SCU_COOP) August 24, 2016
高齢者の方への接し方
歳を取るにつれてできていたことができなくなる・そして自分でやろうと無理をしてしまう事があるため、自分達に求められる姿勢としてさりげない配慮というのが必要です。
電車やバスに乗っていて高齢者の方に席を譲ろうとしたことはありませんか?もし「お年寄り扱いしないで!」と断られたとしても「せっかく譲ってあげたのに…」と思うのではなく、倒れたり転んだりしないか?と見守る事も大事です。
皆さんはこのように、目の前に障害のある方や高齢者の方を見かけたらサポートできますか?
「接し方が分からない」「おせっかいな気がする」「任せた方がいい」と思ってサポートできないという方もいると思います。
でも、助けてあげようと迷った時の基本姿勢として迷わず素直にすぐ行動すること。
そしてお声掛けするときは「できる」「できない」を聞かない「お手伝いできることはありますか?」という一言でいいんです。大事なのは一歩踏み出すことです。
もし「あ!いいですよ、大丈夫です」と断られた時でも「見守る」という事も一つのサポートなのです。いつでも歩み寄って距離を置いて見守るように心がける事も大事。
これからの日常生活や職場・学校で実践できることは何でしょう?
ハード(身体)な病気や障害はすぐに変えられなくても、皆さんのハート(心)は変えられます。分からない事があっても大丈夫、まずは一歩を踏み出して声をかけてみて下さい。
- 困っている方を見かけたら、「何かお手伝いしましょうか」と声をかける。
- 普段からエレベーターの場所や多目的トイレの場所を意識して覚えておく。
- サポートを断られたら、危険がないかしばらくそっと見守る。
特別な知識ではなく「心遣い」ができるようになる、ということ。それがユニバーサルマナー3級で学んだ事でした。
嵐の櫻井翔さんが2級に合格したというニュースにより、一気にユニバーサルマナー検定が全国に広まりました。今、様々な企業でもユニバーサルマナーを学んでいます。
【プレスリリース】すき家・ココス・華屋与兵衛など皆さんにも馴染み深い外食チェーングループ・ゼンショーホールディングスさんでユニバーサルマナー検定を導入いただきます!初回導入は8/29からhttps://t.co/1TCBvWQBzM
— ユニバーサルマナー検定 (@UM_Japan) August 26, 2016
僕も初めは緊張しましたが、講師の方のお話や一緒に試験を受けに来た方々とグループワークで話し合いながらの学習など、とても楽しかったです。これからのためにもいい経験になりました。ユニバーサルマナー検定を受けて本当に良かった!
次回は櫻井さんが満点で合格したという2級にもチャレンジしてみたいと思います!