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2024/8/10:フリーペーパーvol.101発刊!

アゲアゲ折田翔吾アマ、正念場のプロ棋士編入試験第3局

折田翔吾アマのプロ編入試験第3局、1/27(月)生中継

将棋のプロを目指す場合、一般的には「奨励会」という養成機関に入会します。6級からスタートし、昇級昇段を重ね奨励会の最高段位三段に昇段すると「三段リーグ」に参加することができます。1期が半年かけて行われるこの三段リーグで成績上位2位に入ると四段に昇段し、プロ棋士となるのです。

棋士編入試験規定

奨励会の最終関門「三段リーグ」とは、プロ棋士が、二度と戻りたくないとさえ振り返る厳しい修行の場です。

25歳までに四段

奨励会には「満21歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなかった場合は退会となる。ただし、最後にあたる三段リーグで勝ち越しすれば、次回のリーグに参加することができる。以下、同じ条件で在籍を延長できるが、満29歳のリーグ終了時で退会」(公益社団法人日本将棋連盟)という年齢制限の規定があり、多くの奨励会員は高い実力を持ちながらプロになれないまま将棋界を去っていきます。

プロ棋士への夢

そういった、アマだけど実力的にプロに引けを取らない実力者のためにも、日本将棋連盟には、年令に関係なく現在の棋力のみによってプロ編入が認められる「棋士編入試験」という制度が設けられています。

試験は、現時点で棋士番号の若いプロ四段から順番に5名が試験官となり、受験者が3勝できた時点で合格が認められるといったものです。合格者は、順位戦を戦わないフリークラスの四段としてプロに編入します。

編入規定

編入試験の受験資格も、日本将棋連盟により明確に規定されています。

・現在の公式戦において、最も良いところから見て10勝以上、 なおかつ6割5分以上の成績を収めたアマチュア・女流棋士の希望者
・四段以上の正会員の推薦のある者
(公益社団法人日本将棋連盟)

そして現在、1人のアマ強豪が編入試験5番勝負のさなかにあり、昨年11月25日に第1局が指され、12月23日に第2局が終了しています。

折田翔吾

受験者のことを紹介します。

折田翔吾(通称・アゲアゲ)

その受験者とは、YouTubeで将棋番組を配信することでも有名なかつての奨励会三段、アマの折田翔吾さん(通称・アゲアゲさん)です。現在の成績は1勝1敗。残り3局中2勝することが要求される折田アマは、1月27日に編入試験第3局に挑戦します。

アゲアゲさん

折田翔吾さんは大阪府出身で、奨励会では第49回から58回の三段リーグに在籍していました。2016年3月に奨励会を退会したのち、2017年にアマ王将戦で準優勝、2018年に朝日アマ名人戦でも準優勝の成績を収めました。アマ棋戦で優秀な成績を残した折田さんはプロと対局できる棋戦出場の機会を獲得し、銀河戦、朝日杯への出場することができました。プロを交えた棋戦でも優秀な成績を収めた折田さんは、受験資格を満たし、編入試験が現在の規定に変わって2人目となる、棋士編入試験の受験者となりました。

現在の試験経過

折田アマの成績は、2局を消化し1勝1敗。2勝目がとても重要になります。

5人の試験官

折田アマが対局するプロの試験官は、受験申請の時点で棋士番号の若い順に、黒田尭之四段、出口若武四段、山本博志四段、本田奎五段(試験官決定後タイトル戦挑戦者となり規定により現在は五段)、池永天志四段の5人です。折田アマは第1局の黒田四段に勝利し、2局目の出口四段には負けました。1月27日に指される山本四段との第3局は、2勝してプロへの王手をかけるか、2敗してカド番となるのか正念場の1戦となることでしょう。

瀬川晶司六段、今泉健司四段の存在

いったん奨励会から退会したアマが、再びプロとして編入する制度は比較的最近出来たものです。5人の試験官に3勝することで四段フリークラスとなる現行の規定が成立したのが2006年で、この規定によりプロとなったアマは現在のところ今泉四段だけです。

現在の規定が成立する以前、2005年2月28日、アマ強豪の現在の瀬川晶司六段が日本将棋連盟に編入を認めるよう嘆願書を提出しました。同年5月26日、当時の将棋連盟会長だった米長邦雄九段を始めとし開かれた棋士総会で、瀬川アマのフリークラス編入試験の実施が決定。当時の編入条件はプロ棋士と6局対戦し3勝することでしたから、現在の規定と比べた難易度の差についてはさまざまな意見があるところだと思います。

しかし、故・花村元司以来となるプロ編入試験の扉を開いた瀬川六段の功績には、多大なるものがあるといっていいでしょう。

棋士編入試験第3局

そして、折田アマの運命を握る編入試験第3局が、東京将棋会館で1月27日午前10時から開始します。今回の編入試験4人目の試験官には、棋王戦の挑戦者となった本田五段が含まれており、プロへの編入試験でタイトル戦の挑戦者と戦わなければならないという大きなハードルも控えています。第3局に敗れた場合は残り2局を全勝しなければならず、ここで2敗してしまうのは大きな痛手となるでしょう。対局の様子はインターネットテレビのAbemaTVでも生中継されます。人生の夢をかけた真剣勝負を、自分の目で確かめみてはいかがでしょうか。

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