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2021年度 京都市の新設宿泊施設 全室バリアフリー化へ

旅行の選択肢広がる全室バリアフリー化

車いすユーザーの母親を旅行に連れて行くとき、宿泊施設の確保に苦労します。大阪に行くときはこのホテル、京都に行くときはあのホテルとだいたい決まっていました。選択肢が限られる、今までそんな印象がありました。

1月6日に京都市の門川市長が、京都市内に新設する旅館やホテルなど宿泊施設の全客室バリアフリー化を義務づける方針を打ち出しました。2021年度の実施を目指して動き出す形になります。

全客室バリアフリーはありがたいです。部屋は空いているのに泊まれないということが少なくなりそうです。車いすユーザーの旅行の選択肢が広がりますね。

ランドーレジデンシャルホテル京都スイーツ

京都市長の全客室バリアフリー義務化発言の前、2019年10月25日、全客室が車いすでの利用に対応したバリアフリー型のホテル「ランドーレジデンシャルホテル京都スイーツ」がオープンしていました。

一般客室をバリアフリールームに近い形に

京都市南区にオープンした「ランドーレジデンシャルホテル京都スイーツ」の客室数は60。障害者も高齢者も家族みんなが安全に過ごせる空間づくりに気をつけて作ったホテルです。100%全客室バリアフリーに取り組み、一般客室をバリアフリールームに近い形で提供していただけるのはありがたいです。

メインターゲットはインバウンド

「ランドーレジデンシャルホテル京都スイーツ」のメインターゲットは、長期滞在する5人以上のインバウンド。英語や中国語・韓国語など多言語に対応可能な外国籍のスタッフが常駐する他、事前のクレジットカード決済によるキャッシュレス化や鍵及びカードレスでチェックイン、チェックアウトができる最新のキーシステムを導入しているとの事。

障害者や高齢者、インバウンドに対応しているということは、多くの人が泊まりやすいホテルだろうと思います。こんな感覚のホテルが増えるといいですね。

全施設全客室バリアフリー対応は全国初

国のバリアフリー法施行令では、50室以上の施設に総客室数の1%以上の車いす用客室設置を求めています。また全国に先駆け、東京都は昨年9月、床面積1000平方メートル以上の新築施設に全客室のバリアフリー対応を求める改正条例を施行しています。今回の京都市の取り組み、全施設全客室バリアフリー対応は全国初です。

新しい基準を取り入れる

これまでの基準では、ホテルや旅館の入口や廊下、共用のトイレや浴室など、お客さんが共通して利用する場所が主なバリアフリーの対象となっていました。しかし、新しい制度では一般客室に入ってベッドに行くまでの間の通路についても車いすや介助者が通れる幅を確保するなど、通路・トイレ・浴室の扉などにまで踏み込んだ新たな基準を定めるとのことです。

京都ならではの運用

全国初となる全ての宿泊施設を対象にしたうえで、和室・洋室・和洋室などの特性に応じた基準を設けるなど京都ならではの運用も行うようです。洋室・和洋室のバリアフリーはイメージできますが、和室におけるバリアフリーはイメージできないので、どんな基準が定められるのか楽しみです。

全国にも全客室バリアフリー化が広がれば

2021年度の運用を目指し、京都市は新設の宿泊施設の全客室バリアフリー化に向けて動き出しました。単純にこの動きが全国各地に広がってほしいと思います。

全客室バリアフリーの宿泊施設が増えることは、今まで旅行を躊躇していた方々に希望を与えてくれると思います。非日常を楽しむ…そんな機会が増えれば、生きる喜びを感じる機会が少し増えるのではないかと思うのです。

京都市発信で、みんなにやさしい宿泊施設が増えるといいですね。

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