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2024/11/10:フリーペーパーvol.104発刊!

心が成長できる『グリム童話』3つの物語

心打たれるマイナーな作品たち

グリム童話は、兄「ヤーコプ・ルートヴィヒ・カール・グリム」と弟「ヴィルヘルム・カール・グリム」のグリム兄弟の書いた面白く道徳にもなる作品で、「シンデレラ」など有名な物語の他にも、心打たれるマイナーな作品が沢山眠っています。

そこで今回、マイナーなグリム童話の中から面白い3つの作品をご紹介します。この物語を読むことで、楽しみながら自分の心を成長させることができるでしょう。

グリム童話の3つの物語

200もあるグリム童話の中から、あまり聞かされていないマイナーな3つの作品を以下に記します。かなり面白い物語ですので、楽しんでいただけたら嬉しく思います。

六羽の白鳥

昔、狩りをしている王さまが森の中で迷っていました。そこで魔女に出会い、森から抜ける方法を尋ねました。すると、「道を教える代わりに、私の娘と結婚してもらう」と言ってきたのです。王さまには愛する6人の王子と1人の王女がいたので、悩んだ末、仕方なく従うことにしました。

結婚後、王さまは子供たちが后(きさき)を怖がると思い、森にある小さな城へと隠しました。王さまは愛する子供たちの元へ何回も赴いたので、とうとう后に居場所を知られたのです。

后は、魔力を込めたシャツを作り、子供たちの元へと向かうと、シャツを放り投げました。すると、6人の王子たちは白鳥へと姿を変え、どこかへと飛んで行ったのです。后はそれを喜び帰りましたが、気づかれなかった王女だけは無事で済みました。

それから、王さまは子供たちを尋ねましたが王女しかいなく、事情を聞き悲しみました。王女は后が怖くなり、ここへとどまることを告げ、夜になると、王女は兄たちを探し出す決意をして城から出たのです。

森を歩いていると、何と、空から6匹の白鳥が降りてきて、元の姿へと戻ったのです。そして、兄たちは「俺らは15分しか元へ戻れない。この魔力を完全に解くためにハコベ草で6枚のシャツを作ってくれないか?その間、絶対に笑っても喋ってもいけないよ」と王女に告げると、白鳥の姿へと戻り飛んで行きました。

早速、笑わず喋らずにハコベでシャツを縫っていると、森で狩りをする王さまから話しかけられました。しかし、笑わず何も言わずに首だけを振りました。王さまは、王女の美しさに惹かれて城へと連れていき、二人は結婚したのです。

結婚後もシャツを縫い続けましたが、姑である王さまの母は無口の王女を嫌い、裁判にかけて火あぶりの刑を言い渡しました。

処刑執行の日、偶然にも6枚のシャツは完成し、それを持ったまま薪の上に吊るされ、今にも火がつけられようとしていたそのとき、空から6羽の白鳥が舞い降り、王女の持つシャツへと触れると、元の姿へと戻ったのでした。王女たちは嬉しさで抱き合い、王さまに今までの事情を話しました。

そして、兄妹たちはそこで幸せに暮らしたのです。

千匹皮

ある城に、王さまと王女がいました。王女は大きくなるにつれ、亡くした后に似てきたので王さまは結婚を求めてきたのです。王女はそれを避けるために「千匹の皮で縫われたマントが欲しい」と無理な注文を言いました。しかし、王さまはなしとげ、結婚式を開くと言い出したのです。

王女は城から逃げる決心をして、自分のドレスやアクセサリーなどを持ち、体中を炭で汚し、千匹のマントを羽織って急いで出て行ったのでした。

森へと入ると狩りをする王さまがいたので、「私は親がいなく、ひとりぼっちです。どうか連れて行ってください」とお願いしました。それを聞いた王さまは自分の城へ連れて帰り、小さな部屋や台所の仕事を与えました。

ある日、大広間で宴が開かれることを知った王女は、宴の様子を見たいがために自分の部屋へと行き、千匹の皮のマントを脱いで体の汚れを取って、持っていた美しいドレスや靴やアクセサリーなどを着けて、大広間へと向かったのです。

大広間へと入った王女の姿はとても綺麗で、「どの国の姫なの?」とみんなが見とれました。王さまもその美しさに手を差し伸べ、一緒に踊りました。踊りが終わると、途端に王女はその場から離れ、自分の部屋へと戻ると、ドレスなどを脱いで体を汚し、またマントを羽織ったのでした。

台所へと戻ると、コックから王さまにスープを持っていくよう頼まれました。王女は何か思いつき、一目散に自分の部屋から金の指輪を持ってきて、スープの中へと入れるとそれを持っていきました。王さまは金の指輪に気づき、王女を呼び出して指輪のことを聞きましたが、心あたりがないと嘘を言ったのです。

それから、宴があるたびに綺麗な姿で現れ、アクセサリー入りのスープを持っていったのでした。

ある宴の日、いつものように綺麗な姿で行くと、王さまは踊りが長く続くよう王女の指に金の指輪をはめました。踊りが終わり、急いで自分の部屋へと戻りましたが時間が無く、マントを羽織るだけとなり、王さまの元へスープを持って行ったのです。

王さまにスープを差し出したとき、綺麗な指にはめられた金の指輪やマントの裾から覗かせる美しいドレスに王さまは気づき、すぐにマントを脱がすと、一緒に踊った美しい女性が現れたのでした。

王さまは王女に后になるよう言い、2人は結婚して幸せに暮らしたのでした。

水晶の玉

昔、ある家に3人の兄弟と美しい母が住んでいました。夜、寝静まったころに目が覚めた末弟は、何やら怪しい声を耳にしたので、ドアの隙間から覗くと、何と、醜い顔をした魔女が大きな鏡から美しい王女を引っ張り出し、首から生き血を吸って美しい母の姿へとなったのです。

魔女に覗きを気づかれ、末弟は兄2人を起こして逃げましたが、長兄は鷲に、次兄はクジラの姿へと変えられてしまいました。末弟はというと、見えないところに隠れていたので魔女に気づかれなかったのです。末弟は悔しさのあまり魔女の悪口を言うと、魔女の気に触ってしまい末弟を太陽の城へと落としたのでした。

その城へと行くと、生き血を吸われた王女がおり、あなたを助けたいことを告げると、王女から剣を渡され「水晶玉を見つけてください。森にいる魔物を倒すと、そこから火の鳥が出てきて卵を産み、その卵黄が水晶の玉となります。卵が割れるとあたりが火の海となり水晶玉が溶けてしまうので、かなり難題となるでしょう」と告げられたのでした。

早速、森へ行ってみると、大きな魔物を見つけ、激闘の末に魔物を倒しました。すると、魔物の身体から火の鳥が飛び出し、空から金の卵を落とすと殻が割れ、あたりは火の海になりました。その時、長兄の鷲が現れて末弟たちを安全なところへと運び、次兄のクジラが水を吐いて火を消したのです。

火はすぐに消えたので水晶玉は無事でした。末弟は水晶玉を手に取ってかざすと、遠く方まで届くほどのまばゆい光が放たれ、それを浴びた魔女は溶けてしまい、兄たちは元の姿へと戻れたのです。

王女は末弟に感謝をし、2人は結婚したのでした。

あとがき

グリム童話は世界の人々から読まれるほど人気があり、本やアニメ、映画、舞台などに拡張されています。私も子供の頃、文庫やアニメを見て虜になってしまい、全作集を買ってしまいました。かなり面白い作品ですので、皆さんも是非、ご覧になってはいかがでしょうか?

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