地方初の障害者就労支援での上場
株式会社 LITALICO(2016年3月に東証マザーズに上場、2017年に東証一部に市場変更)、ウェルビー株式会社(2017年10月に東証マザーズに上場)に続き、障害者の就労支援事業を手がける企業で3社目の上場企業が誕生した。地方では初の障害者就労系の上場企業になるとのこと。
2019年3月5日、愛媛県松山市に拠点を置く株式会社マルクが東京証券取引所のTOKYO PRO Marketに上場した。マルクでは上場を機に、放課後等デイサービス事業の中四国地域への拡大を目指しているという。
株式会社マルクは本日、東証 TOKYO PRO Marketに上場しました!
あの鐘を鳴らしてきました。
日本の障がい者就労や雇用が今日また一歩大きく前進するよう願いを込めて。
そして今日からがまた新しいスタート!頑張ります! pic.twitter.com/jEkYBTcuH3— 北野順哉 (@junya_kitano) 2019年3月5日
就労継続支援A型事業所では国内初
前述のLITALICOとウェルビーは様々な事業を展開しているが、就労支援の分野では就労移行支援事業所に位置する。一方、今回上場したマルクは、障害者と雇用契約を結び給料を支払う就労継続支援A型事業所。ということは、A型事業所で国内第1号の上場企業となる。
株式会社マルクとは
2011年に創業したマルクグループの従業員数は約150名。そのうち7割を超える約110が障害をもつ契約社員とのこと。一般企業から受託したデータ入力や伝票整理、清掃、農業、施設外就労などを行うA型事業所を3つもっている。どの事業所も一人でも多く一般社会へ送り出したいという想いがあるという。年間約10%の社員が地元の地銀や企業に転職しており、「送り出すA型」を特徴としている。
「同社は一般企業から業務を受託し、障害者に割り当てながら社会性や技能を育んで企業への就職を後押し… #発達障害 などのある小中高生向けの教室も運営…上場で信用力を高めて、同教室を中四国で展開する。」「障害者7割」就労支援のマルク、上場へ – 日本経済新聞 https://t.co/GT42aJa5Vo
— ASAMI Masao (@Asami_Masao) 2018年12月5日
上場を機に放課後等デイサービス事業拡大を視野に
マルクは、障害者就労継続支援A型事業の他に、パートナーシップ事業、放課後等デイサービス事業も展開している。マルクの放課後等デイサービス事業の特徴は、楽しみながら働く基礎を未来に備える「就職準備型」だということ。就労と自立に特化した塾の役割を担っているという。現在、松山市内に2教室のみだが、上場による信用力と知名度の向上で愛媛のほか、香川、広島、岡山へと事業を拡大し、2022年までに20教室体制にするとのこと。
おはようございます☀#放課後等デイサービス#マルクスコラ #山越教室 の山﨑です!!
Twitterを本格的に始動して
4、5か月立ちましたがフォロワーの方も
多くなり大変うれしく思います。株式会社マルクでは上場もし
さらに身が引き締まる思いで
仕事をしなければいけないと感じています!— 就労自立準備型 放課後等デイサービス マルクスコラ (@maruc9scola) 2019年3月7日
特色ある障害者就労系の企業を望む
マルクのような特色ある企業が上場することは良いことだと思う。成功している企業の真似をすることは悪いことではないし、パートナーシップ事業も拡大すればいいと思う。
ただ、成功している企業を参考にしながら、もっと特色ある障害者就労系の企業が出てきてほしいという思いがある。隙間をぬった未開拓な分野がまだあるはず。個性を活かした働き方が障害者にできることをもっと示してほしいし、経営者や運営スタッフとともに働く障害者も自分の可能性を信じて、良さをどんどん仕事に活かしてほしいと思う。