スーパーや病院、サービスエリアなど僕たちの行く先々にある障害者用のトイレ。このように車いすのマークが描かれたトイレである。車いすの方はもちろん、普通のトイレでは利用が困難な方、妊婦さんやお子様連れの方も利用する機会が多いだろう。
画像引用:内閣府
https://twitter.com/k_wheelchair/status/768188969909489667
このように、障がい者用トイレのマナーについても注目されている。障害を抱える人が本当に使いたい時に使えないという事態が頻繁に発生しているというのだ。
障害者用トイレを障害者が使用してるの優先席に優先されるべき人が座ってる以上に見たことがない。
— なるてぷ (@nal_tep) August 23, 2016
しかし、「障害者が障害者用トイレを使用しているのを見たことがない」とツイートされているように、確かに目に見えて障害を抱える人が優先トイレに入る姿は意外と見受けられないものだ。見た目が健常者に見える難病患者という存在も世界中にたくさんいる。
潰瘍性大腸炎、クローン病(IBD)といった特定疾患の難病の人は、トイレが近い事もあり行く回数も多い。見た目は健常者なIBD患者にとってはここが日常生活において大変な部分である。
お腹痛くてトイレに駆け込んだ時、空いてなかった時の絶望感。。必死で耐えながら間に合わなかった時の事を考える恐怖。#クローン病
— ねこやん (@lazerbeem1) May 11, 2016
IBD患者は下痢を起こす症状が頻繁に起こるため、個人差もあるが1日に何十回とトイレに行く患者も多い。そのため、スーパーなどでお腹が痛くなった時にトイレを探す。しかし、すべてが使用中であったためやむを得ず障がい者用のトイレを使う患者もいる。
ここで周りの人から「障害者用のトイレだろ!あなた健常者でしょ!」と思われているんじゃないか?といった不安や、お店のスタッフの人から「ここは障害者の方優先のトイレなので…」と注意をされるなど、誤解されたという声もあるのだ。「実は僕、病気なんです…」と言いたいが、ほとんどの場合理解されないのが現状だ。
そんな中、海外からIBD患者にとっても嬉しいニュースが飛び込んできた。
このほど、英ノース・ヨークシャー州ヨークにあるスーパーマーケットチェーン「ASDA(アズダ)」のトイレのサインが実に合理的だと話題になっている。
画像出典:Tech insight
IBD患者だけでなく、見た目で判断されない障害や難病はたくさんある。このマークは男性・女性のマーク、そして隣に車いすマークが描かれている。
一見目新しいマークではないため、普通のトイレのように見えるが、
このサインを偶然見つけたスーパーの買い物客がFacebookの「Crohn’s and Colitis UK」に投稿すると、たちまち拡散され大反響となった。
たくさんのフォロアーがスーパーマーケット「ASDA(アズダ)」の障害者へのサポートにとても感動したというのだ。男女マークと障害者マークを同じように表記し扱い、さらには「全ての障がい者が目に見えてわかるとは限らない」という言葉も添えてある。
これは本当にIBD患者にとっては嬉しい事である。世界的に見てIBD患者は先進国に多く、特にヨーロッパや北米に多い。日本でもIBD患者数は年々急激に右肩上りである。
- 「ついに、見た目ではわからない障がい者も社会に認識してもらえる時代になったのか」
- 「自分は長年クローン病を患っているが、毎回障がい者用トイレを使うと非難の目を向けられるからこれは助かる」
- 「よくやった。なんていいサインなんだ。これで大声で批判されなくても堂々と使えるよ」
といった称賛の声が寄せられている。
IBD患者の1番嬉しいことは病気の認知、そして理解してもらう事だ。
しかし、発症年齢も平均で10代〜20代と比較的若い世代が多い病気であることから、健康と見られる事が多い。そのため理解してもらうのは結構難しい。病気の事を説明しようにも口で説明するのが困難で、さらに長くなるため「ネットを見ろ」と最近の某お笑い芸人のネタみたいに言いたくなってくる…(笑)
見た目にはわからない難病であるIBD、このマークが日本にも普及すれば、よりIBD患者の事を理解してもらえるのではないか。偏見を持たれることも少なくなるだろう。
いつかこのマークが全世界に広がり、難病患者・障害者への差別がなくなる日がくる事を願いたい。
http://japan.techinsight.jp/2016/08/ellis08071943.html
via:Tech insight