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2018.11.10:フリーペーパーVol.32発刊!

英検がAI自動採点導入で大学共通テストに柔軟な対応

英検ライティング・スピーキングテストにAI自動採点導入、大学共通テストに円滑な対応

実用英語技能検定(英検)が、ライティングとスピーキングテストにAIを導入すると発表しました。英検は1963年(昭和38年)の開始以来、たびたび形式を変えながら現在に至っています。おおよそ現在の形式になったのが2016年で、1級から3級まで(1、準1、2、準2、3)の5レベルで、読む、書く、聞く、話す、の4技能すべてを評価する形式が完成しました。4級と5級については筆記とリスニングの1次試験のみで合否が判定されますが、合否に関係なく、試験後1年間はオンラインでスピーキングテストの受験機会も与えられます。スピーキングテストの結果は合否に反映されません。

「大学入学共通テスト」で英検を採用

英検の試験形式に関する大幅な変更についての発表はされていませんが、受験スタイルの増設が発表されました。

「大学入学共通テスト」採用

大学入試センター試験が廃止され、2020年度より「大学入学共通テスト」が実施されます。大学入試の英語科目に民間のテストが利用されることが決定し、英検が、文部科学省の大学入試英語成績提供システムへの参加要件を満たすと確認されました。

高校生の受験を想定した日程

高校3年生を中心とした大学受験生に特化し、英検の受験機会が工夫されます。1次試験を紙版テストで行い、別日にスピーキングの2次試験を試験官のもとに行う従来の案はそのまま維持されます。

その他の日提案として、以下のように学生の受験を想定したものを英検協会は提示しています。

・1次試験を紙版のテストで行い、同日にパソコンなどを使った録音式試験でスピーキングテストを行う

・1次、2次ともにパソコンで受験し、その場でコンピューターに採点させ(CBT:コンピューターベーステスト、2級・準2級では公開テストで実施中)、受験級に3級も加える。

英検CBTは大量の受験者を短時間で採点できるという意味で、大学入試への活用が期待される方式です。

入試による受験者増に対応するAI導入

2020年から導入される大学入学共通テストで、英検は大学入試英語成績提供システムの参加要件を満たすことが確認されました。

採点の公平性

これまでの一般受験者に加え、大学入試に特化した英語能力判定テストとして大幅な受験者の増加が予想されます。現在の英検ライティング・スピーキングテストは、人の目で採点されるものです。現行の英検では―

ライティングは、採点項目に従って担当者に採点されます。
スピーキングは、2次試験の面接で技能が判定されますが、こちらも受験者1人に1〜2人の面接官が付き採点されます。

ライティング、スピーキングともに、採点には手間と時間がかかります。時間、人件費、客観性の観点から、評価の公平性を保つためにもAIによる採点が導入されたと考えられます。

AIでどう変わるのか

AIの導入で最も期待される効果は、スピード以上に客観性公平性の実現でしょう。人による従来の採点では、採点官は偶然によって決まります。しかし、採点官による英語のクセや知識の偏り、採点官同士の英語力の優劣もあるでしょう。採点の結果はこれまで、偶然の要素に左右される面もありました。どれだけ採点基準が統一されようとも、複数の人の手による採点で完全な公平性を保つことは難しいのかもしれません。AIであれば、同一のプログラムで何百万人でも同じ基準で採点することができます。スピードは向上するでしょう。採点基準の統一も、受験者が安心して試験に臨むために重要な項目です。

地方間における格差解消

AIが導入されることで、「CBTテスト」はさらに受験しやすい方式と変わっていくでしょう。インターネット環境さえあればどこからでも受験できる英検が、実現しようとしています。

AI採点で解決

単にどこに住んでいるかというだけの理由で、受験生の間に不公平があってはなりません。試験は純粋に能力の優劣によってのみ判定されるべきです。高校3年生をはじめとする全国さまざまな地域の受験生に平等な受験機会を与えるためにも、AI採点の導入は決定的な解決策といえます。

受験料値上がりの問題

受験者にとって嬉しくない情報もあります。受験料の値上げです。特に1級の受験料は大幅に上がり、16,500円が予定されています。現在の1級受験料が8,400円ですから、およそ倍になります。大学入試への活用なら準2級あたりが使用されるようですが、それでも現在の受験料からは4割程度値上がりするようです。

英検AI採点導入に異論反論

私自身も個人的に英検を受験しており、試験内容も少しは知っています。2〜3級は、高校生の到達度をはかるための良い試験だと思います。ただし、一昔前にくらべて難しくなっている印象を受けますから、受験生は大変でしょう。

受験生に不平等が生まれないために

民間資格の導入で懸念されるのは、受験生各家庭間の経済力が、受験の公平性に影響しないかという点です。現在、大学入試英語成績提供システム参加要件を満たしている英語の民間資格は、英検、ケンブリッジ英検、TOEFL ibt テスト、IELTS、TOEIC、GTEC、TEAP、となっています。それぞれの試験は受験料も安くありません。全国で実施される英検以外は、受験会場が東京などの都市部に限られています。経済力や居住地による機会の不平等が完全に解消されているとはいい難いでしょう。

英検AI採点に期待

民間の試験を利用するのはとてもいい案です。あとは、日本各地に散らばる未来を夢見る受験生の平等な受験機会を保つよう、文部科学省と大学入試センターの方々も頑張ってほしいです。