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「この通話はサービス向上のため録音させていただきます」

「この通話は、内容の確認とサービス向上のため録音させていただきます」

購入した製品の操作方法に関する質問や、販売店でのサービスについての質問や要望があるとき、製品パッケージなどに印刷されているお客様サービスセンターの番号に電話して質問することができます。そのとき、おおよそどの会社に問い合わせてもオペレーターが電話に出る前に「この通話は、製品の品質向上やサービス向上のために録音させていただきます」などの案内が流れることが多くなりました。

いきなり一方的に録音される

製造業やサービス業などの主要な企業ならたいてい「お客様サービスセンター」が設置されています。

電話してみた

ホームページのQ&Aコーナーの末尾などに、質問用メールアドレスに並んでお客様サービスセンターの電話番号が載っています。某有名外食チェーンに、「定期券の有効期限は10月21日ですが、24時間営業の店舗の場合、翌22日午前0時の前に注文を済ませておけば、食べ終えて会計する時間が午前0時を超えていても定期券は有効ですか?」と、サービスの詳細を電話で問い合わせたときも、同じような案内文が電話口から流れてきました。

お客様サービスセンター定型文が聞こえた

私は「あ、いつものだ」と思い、動揺もしませんでした。この定型文を利用する企業は増えたと実感します。案内が意図するところは「サービスと品質の向上」です。しかし、具体的にどのような形で製品に反映されるのでしょう。

サービスと品質向上のため

録音の長所は、記録として何回も確認できる点です。

品質向上の方法

通話の内容が録音されるということは、第一におかしな電話からオペレーターを守ることにつながります。おかしな通話には、威圧的な要求や、業務の進行を妨げる意味のない質問の繰り返しなどが該当するでしょう。

通常の問い合わせであれば、サービス向上に利用しなければなりません。仮にオペレーターが記録をとりこぼしたとしても、録音しておけばお客様の要望は後で聞き返して内容を確認できます。録音された生の声を責任者に聴いてもらうことも容易となるでしょう。商品開発の会議などでは貴重な資料にもなりえます。

本当に大切な「おとなしい声」の問題

お客様サービスセンターには、クレーマーとされる電話も確かにあります。しかしまれに、本当に大切なお客様からのおとなしく落ち着いた要望の声もあるわけです。これらの声は企業の財産ともいえます。

「バスの降車ボタンが高い位置に集中していて、車椅子を使用する乗客には手を伸ばしてもボタンまで届かない」

「ワイヤレスイヤホン充電器の本体をはめる穴のサイズがピッタリすぎて、充電するための金属接地面がすぐ離れてしまう」

など。

サービス向上を期待するまとめ

アナウンスを流すことにともない、企業と顧客の両者にそれぞれ必要とされる心がけがあります。

企業のビッグデータ利用もわきまえてください

情報を把握されて消費者にとって心配なのは、企業によるビッグデータの利用です。サービス向上を第一義に安全なビッグデータ活用を心がけてほしいと思います。

お客様も丁寧に質問してください

この定型文が使われる1番の理由は「クレームに対する牽制(けんせい)」でしょう。この会話は録音しているから変なクレームつけるんじゃないぞ、ということです。この試みについては良いアイデアだと思います。クレーマーからオペーレーターを守ることはとても重要です。クレームへの対応で精神疾患になるオペレーターも出るぐらいです。

電話口でいきなり「録音します」と言われれば、クレーマーでなくても私たちは身構えてしまいます。消費者は、礼儀をわきまえ要望を正しく伝え、本当に欲しい商品やサービスについて丁寧に伝えるよう心がけましょう。

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