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2024/4/10:フリーペーパーvol.97発刊!

東京五輪・パラリンピックまでに解決すべきヒジャブ問題

アジアパラ大会にてヒジャブ着用女子柔道選手が失格に

10月6日から13日まで、インドネシア・ジャカルタで開催されたアジアパラ競技大会2018。8日から始まった柔道競技(視覚障害)において、女子選手が失格になる出来事が起きました。ヒジャブをつけての出場を望んだイスラム教徒であるインドネシア代表 ミフタル・ジャナ選手が着用を認められず不戦敗となったのです。歴史的背景・ルール・安全性・信仰・女性参加など、どこに視点を置くかで意見は変わってきます。

スポーツ大会でのヒジャブ着用は何度も問題になってきました。イスラム教徒(ムスリム)の女子選手が様々なスポーツに参加するためにも、一部の競技団体だけの判断ではなく、共通のルールを早急につくるべきでしょう。2020年東京五輪・パラリンピックまでに解決すべき問題のひとつだと思います。

ムスリム女性のスポーツ参加

世界の人口の4分の1がイスラム教徒といわれています。単純に考えると8分の1がムスリム女性です。多くの人口を占めるムスリム女性ですが、スポーツ大会への参加は以前はあまり見られませんでした。最近はやっと見られるようになってきましたが。

ヒジャブ着用の対応はまちまち

今回のアジアパラ大会では、イスラム教徒であるインドネシア代表のミフタル・ジャナ選手が、ヒジャブをつけての出場を望みましたが、認められず不戦敗となりました。一方、車いすバスケットボールでは、ヒジャブを着用して参加するチームがありましたが、問題にはなっていません。

近年、アーチェリーや陸上競技などでは、ヒジャブの着用を認めています。女子サッカーや空手、テコンドーにおいても、大会によって着用を認めているケースも出てきました。フィギュアスケートでも認められていましたね。ここでは、過去ヒジャブ着用について問題になった例を少し挙げてみようと思います。

2012年 ロンドン五輪 柔道

ロンドン五輪の女子柔道では、サウジアラビア初の五輪選手として注目されていた、ウォジダン・シャハルハニ選手のヒジャブ着用が議論になりました。IOCと国際柔道連盟、サウジアラビア側の三者協議にて、試合中のヒジャブ着用を認める合意が成立しました。

今回のアジアパラ大会では視覚障害者柔道で問題が起こりましたが、同じ柔道競技。前例があるにも関わらず、なぜこのようなトラブルが起きたのか疑問に思います。

2014年 仁川アジア競技大会 バスケットボール

韓国・仁川アジア大会では、カタール女子バスケットボールチームがヒジャブの着用が認められなかったため、試合を棄権した例がありました。カタール側は「事前にはヒジャブ着用はOKと言われていたが、直前で禁止と言われた」と主張。これが本当なら、規定そのものに加えて、運営側の不手際としか言いようがありません。

2017年 国際バスケットボール連盟がヒジャブを許可

国際バスケットボール連盟(FIBA)は2017年5月6日、これまで禁止していた女性のイスラム教徒用の「ヒジャブ」、ユダヤ教徒の「キッパ」、シーク教徒の「ターバン」の着用を認めました。この新規則は2017年10月から始まっています。

バスケットボールにおいては昨年、明確な結論が出ました。運動量の激しい、コンタクトスポーツであるバスケットで着用が許可されたことは、今後のムスリム女性のスポーツ参加において、明るいニュースになりました。

競技に適したヒジャブを選ぶべきでは

画像でしか確認はできませんが、ミフタル・ジャナ選手が今回着用していたヒジャブは、柔道を行うには少し難しいのかなという印象があります。外れやすそうであること、暑そうであること、そして、絞め技の際少し危険かなと思ったからです。選手自身も、そのスポーツに適したヒジャブを使うべきではないでしょうか。

ナイキが競技用に開発した「プロ・ヒジャブ」

ナイキがスポーツ用に開発した「プロ・ヒジャブ」は、宗教的服装とアスリートが求める機能性を両立しているヒジャブといわれています。

ムスリム女性アスリート(フェンシング選手やフィギュアスケート選手など)に、開発途中で意見を聞きながら製作された「プロ・ヒジャブ」の評価は概ね好評とのことです。通気性と動きやすさが考慮されていることが理由のようです。

東京五輪・パラリンピックでは「ヒジャブ問題」が再燃しないように

アジアパラ大会柔道競技(視覚障害)において、インドネシア代表のミフタル・ジャナ選手の不戦敗から出てきた「ヒジャブ問題」。同じ大会でも、車いすバスケットボールでは、ヒジャブ着用が問題にはなっていません。これは、国際バスケットボール連盟が明確な結論を出したからです。

各スポーツ団体は「ヒジャブ問題」に対して明確な回答を出すこと、スポーツ界において共通のルールを作ること、選手は(まだ選択肢が少ないかもしれませんが)競技に合ったヒジャブを見つけること、私たち自身も他の宗教のことと思わず、この問題に対して興味をもつこと、そして、スポーツメーカーの様々な用途に応じたヒジャブ開発にも期待したいと思います。

東京五輪・パラリンピックまで、2年しかありません。今回のように「ヒジャブ問題」が再燃しないように、関わるすべての人が問題意識をもって、早急な対応をお願いしたいです。

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