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自分を守るために話さなかったことを話してみた

カウンセリングって何?

私は、月に2回病院に通っています。そうしてそれに合わせてカウンセリングも受けています。
「カウンセリング」ってよく聞くけど、何なの? 何の意味があるの? と思う人もいるかもしれません。実は私も、最初はそう思っていました。今思い返すと、カウンセラーとの相性が良くなかったんだなあと思います。

カウンセリング、苦手だったけど


3人のカウンセラーに出会い(1回しか受けないこともありましたが)自然消滅のようにカウンセリングを受けなくなっていました。
当時は、カウンセリングをするなら、その時間分だけ主治医の先生と話したいと思うほどで、途中からは拒否をしてしまうようになったのです。

しかし、今回出会った4人目のカウンセラーとは何の苦痛もなくカウンセリングを続けています。抵抗感を感じずに受け続けていられているのは何故でしょうか。1つ目は歳が近いこと、2つ目は根掘り葉掘り話を聞いてこないこと、3つ目はしっかりと私の話を「聞く」ことに徹してくれていることだと思います。

年が離れていると、どうしてもジェネレーションギャップがあります。それでは話を理解しきれないことも多いです。実際に、これまで出会ったカウンセラーのうちの2人は歳がかなり離れていました。

そして、カウンセラーはもちろん私よりも元気なので、勢いよく迫ってきて圧迫感を感じることがありました。無意識に、自分の考え方を私に語ってきてしまう人もいたのです。

よくよく考えてみれば、それってカウンセリングじゃないよね? と思いますが、本当に良いカウンセラーの人と出会うことは難しいです。今の病院でカウンセリングを受けないかと言われ、私が少し渋っていると「合わなければカウンセラーを変えるし、それでも無理なら止めるから」と言われました。それほど、カウンセリングってデリケートなことなんだなと、我ながら思い、再確認した瞬間でした。

カウンセリングって大体こんな感じ


では、カウンセリングは具体的に何を話すのでしょうか。

最初は、やはり病気の状態の話が多いです。そんな中で、何でそうなっているのかという現実と、どういう気持ちでそんなことを体感しているのかを話します。しかし、最初から完全に心を開くことは出来ないことが大抵なので、カウンセラーは病気的な面からではなく、その人自身を知るために雑談をすることが多いです。

私の場合、最近興味があること、趣味、好きな本や音楽の話をしました。カウンセラー側はもちろんですが、私たち、患者側もお互いの距離感を把握していく過程になっているのではないでしょうか。

カウンセリングで一番大切なこと


カウンセラーの人がカウンセリングを始める時に必ず話すことがあります。

「ここで聞いた話は、他の誰にも話さない」という言葉です。この言葉を聞くのは4回目。つまりはどのカウンセラーも、そのことを「約束」しているということなのです。

看護師さんはもちろん、主治医の先生にも話しません。
この約束は、ただの友達なんかに相談するよりも、ずっとずっと固いものです。

そして病気のことや、自分が抱えている不安を話す時「この人しかこの話は知らない」という安心感と、辛い気持ちになったらこの人に話せばいいんだという、良い意味での逃げ道を作るための約束なのだと私は思っています。そうして、もう1つの約束としては、このカウンセリングの中で、主治医に話すことがあるとしたら、その患者が命に関わることに触れた時だけだとも言われます。つまり、カウンセリングは、命のお守りにもなるのです。

初めてカウンセリングの良さを感じた


カウンセリングって大切なんだなと、ふと思うことがあります。これまで病院というものは主治医の診察を受けに行って、お薬を貰うためだけの場所でした。しかし今ではそれにプラス、カウンセリングが付いてきます。それは、苦痛ではなく、むしろ2週間に1回、安心して心を休ませることが出来る時間です。
主治医の先生に病的な不安を取り除いてもらい、カウンセラーに心のケアをしてもらう。よくよく考えてみたら最高の布陣です。

カウンセリングって一体何なの? といえば私は「形のないお薬」だと思っています。奥底に溜まった涙の湖が、溢れないように、溢れないようにとしても、いつかは壊れてしまいます。カウンセリングを受けることで少しずつでもその湖から涙をすくい、理解して「大丈夫だよ」と言ってもらえる。

そのことで、大丈夫なんだと落ち着いて、自分の中でも整理をしていけると思います。

誰かに話したいけれど、誰にも知られたくないというある意味矛盾した願いを、良いカウンセリングは叶えてくれるのです。
一歩踏み出さない限り、巡り合わせはありません。私も長い間そうでした。
良いカウンセラーに出会って、カウンセラーの元に逃げることで、前に進めることを願います。

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