過去のことを思い出して、嫌な気持ちになる。
ということはよくあることだろうと思います。
しかし、過去にとらわれ、激しいショック状態になることを繰り返す人がいるということを、知っている人はどれだけでしょうか。
過去と今が変わらない!?
フラッシュバック。
誰でも、忘れられない過去があります。それは嬉しかったこと、嫌だったこと。そんなことがありますが、それでもやはりそれは「過去」であって、まさに「今」ではないでしょう。
私は、過去の辛い出来事が、今のことのように思い出されてしまいます。過去であるはずの過去を何度も何度も思い出し、繰り返してきました。それは、はっきりとした形を持っていて、その時の声、音、情景も正確に思い出されます。
本当に二度とあって欲しくないものが、無情に繰り返されるのです。
もちろん、何度も何度も同じことをリピート再生するので、記憶に上書きをされて、なおさら忘れられなくなってしまいます。
フラッシュバックは精神的な問題であるようです。ライトに言えば「トラウマ」で、フラッシュバックに理屈はなく、ただ過去の「トラウマ」を無条件に思い出します。それをいつまでもリアルに体験するものと言えば良いでしょうか。
私は自分が「無」になる時間が苦手です。それは何故かというと、その瞬間に、過去の記憶が勝手に顔を出すからです。お風呂や、就寝前はミッションです。お風呂では音楽を流すようになり、ベッドに入る時は睡眠薬に頼ってしまっています。
しかし、それでも何かその記憶にリンクをする出来事(それを体感した場所。もしくはその近辺に行く。嫌だったセリフを耳にする。その出来事と似通った光景、映像などを見る、などなど……)があると、記憶と体験があふれ出します。
それどころか何もないのに、その瞬間が自分の中で突然はじけてしまうこともあり、油断は禁物なのです。
フラッシュバックは自分のせいではない!
今は今を生きることが、当たり前なのかもしれません。
しかし、私は過去に、とらわれたままである部分があって、それが噛み合わなくなっています。このようなフラッシュバックがなくなる日が来るのでしょうか。過去のことを変えるなんてことは不可能です。それどころか、過去には戻りたくありません。
自分に負担がかかっていたり、ストレスが溜まっている時に限ってフラッシュバックは起こります。いや、体調を保っている時でも、フラッシュバックは起こってしまいます。体調が良い時に起こってしまった場合、それはそのままズルズルと感情を引っ張り、それが引き金となって、ストンと落ちてしまうこともよくあることなのです。
時に、性格に問題があるのかもしれない。もしくは、過去をただ引きずってしまっているのかもしれないと考えて、フラッシュバックを見逃してしまうことがあります。そうして誰にも伝えないために、そこへのフォローが出来なくなってしまい、いつの間にか本人への負担が大きくなってしまうケースもあるようです。
パニック障害を持っている場合、症状を形成するものの中にフラッシュバックがあるために、そこに対するフォローがされますが、フラッシュバックが症状として起こるのはパニック障害だけではありません。よく認知されているのはPTSD(心的外傷後ストレス障害)
そして、個人的に意外だったのですが、発達障害でもフラッシュバックを頻繁に起こしてしまう人がいるようです。(きっと、私もその一員です)
ただでさえダメージを受けた状態で生活していくのに日常的にこれを繰り返すと、今と過去がごちゃまぜになっていきます。なおさら不自由な生活をしなければならないとなると、ほとんど自分の体調を保つことは難しくなるのではないでしょうか。
フラッシュバックにどう抵抗するか
このような状態になるということを主治医に伝えると、認知の歪み(自分の考え方の癖)に働きかけたり、カウンセリングを受けることが可能になっていきます。限られた時間である診察の中で、主治医の先生がそれに気付いてくれることは珍しいと思うので、何事も「自分のせい」と完結させるのはやめましょう。
実際私も自分の中で起こっていることがフラッシュバックであると分かるまで時間がかかったので、本当に「診察」を大切にすることが大事だと思います。
周囲の人が「フラッシュバックが起こる当事者」に気がつくことが出来るというのは本当に珍しいだろうと思います。それでも、この記事でフラッシュバックのことを新たな知識としてでも、知ってもらえると私は嬉しいです。