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2024/4/10:フリーペーパーvol.97発刊!

「竹ぼうきプロジェクト」で高齢者と若者をつなぐ。鹿児島県長島町からはじまる挑戦とは。

日本は、超高齢社会に突入している。日々、メディアを賑わし、年に数回の親戚の集まりで話題になるのは「介護」。誰もがいつしか老いる。これは平等に訪れる現実だ。その社会問題を地方から解決すべく、鹿児島県長島町を拠点に日々、精力的に走り回っているのが大平怜也さんだ。

1965年頃は20~64才の9.1人で65才以上の高齢者1人を支える構造でしたが、2012年には2.4人で1人、2050年には1.2人で1人の高齢者を支えていかなければならない肩車社会になると言われています。その他にも認知症、孤独死、生活習慣病など様々な問題を抱えています。

そう語る大平さんは、福岡の専門学校を卒業したあと1年間のフリーターを経験し、“長男”ということで親の勧めで地元の鹿児島県・長島町に帰郷。その後、特別養護老人ホームに就職した。

かつては経験や資格、そしてやる気もなかったと言う大平さんが今、とあるプロジェクトに挑戦しようとしている。

「竹ぼうきプロジェクト」と、名前を掲げられたそれは、高齢者のできること・やりたいことにスポットを当てたプロジェクトだ。
昔、長島町では竹ぼうきを自分で作って庭掃除をしていたため、竹ぼうきを作れる高齢者が多くいるとのことから、考え出されている。

目的としては、

1)地元の高齢者が自分の特技を発揮する場を作り、仲間と共同作業を行うことで介護予防・認知症予防になること。

2)役割を持ち、かつ収入を得ることで何にも代えがたい、やりがい・生きがいを感じられること

3)長島町の子どもたちを支援し、将来立派になってまた長島町に帰ってきてほしいという願いが込められた「ぶり奨学金」を、金銭的に応援すること

の3つが挙げられている。

ここで、気になる点は、3つ目の目的にある「ぶり奨学金」とは何か?
ということだろう。

長島町と提携する鹿児島相互信用金庫が高校生に月額3万円、大学生に月額5万円を『ぶり奨学ローン』としてそれぞれ貸与します。卒業後に子どもたちが長島町に戻ってきた場合は、利子を含めた返済を『ぶり奨学基金』から補助する仕組みになっています。

なぜこのような制度があるのか?
それは長島町で今、地方創生に取り組んでいるからだそうだ。

豊かな自然と温暖な気候に恵まれ、食料自給率もエネルギー自給率も100%を超える一方、1960年には2万人を超えていた人口が、現在は1万人程度。2040年には7000人まで減少することが予測され、多くの地方自治体と同様、過疎化の課題を抱えている。

そんな長島町の人口減少をいかに食い止めるか? どうやって町に住んでもらうか?
そこに事業の重きを置き、中心となって動いているのは、史上最年少の副町長である井上貴至さん。

http://www.projectdesign.jp/201604/pn-kagoshima/002812.php

30歳の若さで副町長に就任し、精力的に活動しているそうだ。

「ぶり奨学金」を設けたのも、井上さんで、

長島町には高校がありません。かつて町内にあった県立長島高校は2007年に閉校しました。長島町の子どもたちは、阿久根市や出水市の高校に入学するのですが、通学には、片道1時間かけてバスで通うか、寮暮らし、あるいは家族で学校の近くに引っ越すことになります。交通費や寮費など、経済的な負担が大きい。さらに、高校を卒業してから、長島町に戻って来ないために若者人口の減少につながっているという課題もある。そこで、『ぶり奨学金』という制度を2015年11月に作りました。2016年4月から始まります。

と語っている。

長島町の漁協は『鰤王』(ぶりおう)というブランドの養殖ぶりを供給している。世界29カ国に輸出されるなど高い評価を誇っているそうだ。

ぶりは回遊魚でもあり出世魚でもあることから、この魚にあやかって、若者が卒業後に、地域に戻ってリーダーとして活躍してほしいという願いを込めている。

「竹ぼうきプロジェクト」と「ぶり奨学金」

この2つの事業には、「長島町を盛り上げていこう」という気持ちが共通して在るように思う。

高齢者も若者も、「この長島町で」生きがいを感じ、人生を明るく生きていくこと。

現状からは難しいことなのかもしれないが、確実に長島町の人々はこれらのプロジェクトを通して前に進んでいこうとしている。これからの長島町の歩みから、目が離せない。

なお、今回取り上げた「竹ぼうきプロジェクト」はクラウドファウンディング中だ。

鹿児島県長島町からwebのチカラを使って支援者を募集している。集まった支援は竹ぼうき、ササラの作成に必要な道具を集めたり、ボランティアへの弁当を支給したりするための資金となる。この挑戦を応援したいという方、気になった方は、こちらからプロジェクトの詳細を確認してみてほしい。

 

https://camp-fire.jp/projects/view/7826

via:CAMPFIRE

via:Huffington Post Japan

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