パラリンピック正式競技であり、今や障害の有無にかかわらず誰もが楽しめるユニバーサルスポーツ「ボッチャ」の体験講座が開かれるということで、鹿児島県障害者自立交流センターハートピアかごしま」で競技に参加してきました。

ボッチャをプレーするのは生まれて初めて

今まで、様々なスポーツに挑戦してきましたが、パラスポーツに採用される競技への参加は初めてでした。一緒にプレーする方々の邪魔にならないよう、細心の注意を払って取材を兼ねて体験してきました!

ボッチャの概要

ボッチャには、内部の芯材ペレットを薄い皮で丸く包んで縫製した、直径8センチほどの硬めのお手玉のような、3色のボールを使います。

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白がジャックボール(目標球)、赤と青のボールを投げて白球に近いほうが得点する

私が体験したペアの場合、コートの指定された枠内に立ち、あてがわれた3球のボールのうち1球を持った状態から試合開始です。

コートは縦12.5メートル横6メートルの長方形に区切られています。そのコートを縦に使い、手前の6メートル幅を6等分し、「スローイングボックス」と呼ばれる選手一人が収まる枠を6人分作ります。

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様々な球技用のラインが交錯するなか、白いテープがボッチャです(下の図を参照)

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1人あたり許されたボックスの広さは幅1メートル長さ2.5メートルです。

先攻する色のチーム(個人)がまず白いジャックボール(目標球)を前方の広いエリア内に自由に投げます。スローイングボックス手前側の1.5〜3メートルより遠くに投げます。

ジャックボールが落ちた位置が目標となり、選手はそれぞれの色の球をジャックボール近くに配置することで得点を競い合います。

戦略的ボール配置

私は2人1組のペア戦を体験しました。
ジャックボールはエリア内であればどこに配置しても構いません

もし、自分がコントロールに自信があり遠投も得意なのであれば、わざとコートの遠い位置ギリギリにまで投げ、自分に有利に試合を進めて構いません。

腕力に自信がなく遠くまで投げられない、コントロールも自信がないという場合は、自分のサイドの近い位置にちょん、と落として、正確に得点を決めていく戦略でもいいのです。

勝つために、どこに投げるか?

得点のカウント方法は、要するに「カーリング」です。それを、氷上ではなく体育館の板の上で競うわけです。

しかし、ボッチャボールは氷上のように規則的には転がってくれません
ボールも完全な球の形状はしていないし、パンパンに詰めたお手玉を想像すれば分かりますが、若干の形状の歪みが生じるのです。

ですから、まずそのコートの滑り具合板のバウンドのクセなどを少しずつ出来るだけ早く読み取って把握しなければなりません。

また、自分の投げたボールが仮に目標球から遠くに止まったとしても、そのボールが目標球より手前に止まったのであれば、さらに追加のボールを当てて目標球に近づけることができます。または相手のボールをブロックするガードとして利用することもできます。

しかし、オーバーしてしまったボールはなかなか利用価値がありません。

全くないわけではないのですが、例えば、ボッチャにおいては自分の(チームの)ボールがどれも目標球から遠く、逆転が難しい場合、ジャックボール目標球を狙って位置を移動させることで自分(たち)のボールを得点にするといった戦略もあります。

これは、カーリングにはない面白さの一つです。

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この場合、赤の1点となる

今回始めて参加したボッチャでしたが、なによりもまず、投てきでボールを目標位置に置く技術を身に付けなければなりません。そこからすべての戦略は可能となってきます。

試合の前にはまず準備運動をして体をほぐし、次に目標の近くにボールを投げる練習をしました。
転がしてジャックボールに「当てる」「近づける」「当てて飛ばす」など。

さらに、ジャックボールの前に相手のボールがブロックしている場面を想定し、空中高く投げ上げ相手ボールを超え、弧を描いて目標球に到達する練習も行いました。

カーリングと似て、図形的なセンス戦略を立てる能力が問われるスポーツです。

実体験してみると難しいパラスポーツ。
でも、ルールを知ることで、競技における一つひとつの動きに色々な意味があることが分かるようになりました。

オリンピック選手がどれほど高度な投てき技術で、前回リオ・オリンピックで大量のメダル獲得に至ったのか、思い知らされた気がしました。

via:ハートピアかごしま