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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

なぜ日本には「ブラック企業」が蔓延するのか?

超過勤務、サービス残業、給料未払い、労働契約違反、労働基準法違反、度々繰り返されるブラック企業による違法な労使関係はなぜ止まないか?

そして、世界でも有数の先進国として認められる日本でなぜ、いまだに労働環境の違法性が放置されているのか?

そこには、日本人らしい美徳への価値観が原因として潜んでいるのではないでしょうか。そして経営者は、労使関係に対して依然「徒弟制度」のような価値観を抱いているのかもしれません。

何でも許される魔法の言葉「再発防止に努めます」

事件が明るみになり逮捕者が発生し、企業の名前が明らかとなって事件を収束させるために新体制となった経営陣が記者会見で使う決まり文句に「再発防止に努めます」というものがあります。

この場面を見ていつも思うのですが、再発防止すれば、やってしまったことに対する償いは要らないのでしょうか。

最近では、長野県信濃陸送に勤務のトラック運転手43歳の男性が、過労死ラインである月100時間を超える114時間の残業から急性大動脈解離を発症し死亡しました。

被害者にしてみれば、保証なんていらないから「生き返らせろよ」と言いたいところでしょう。しかも、実際には同じことが場所と時期を変えて転々と行われ、再発防止などまったく実現していません

社長と社員は主従関係にはない

労使関係については中学の社会科「公民」の教科書で、労働者と使用者は契約に基づいた対等の関係にある、と習うはずです。しかし、会社にもよるでしょうが、社長が偉くて社員が下という、労働者の弱い図式が存在します。

江戸時代の丁稚奉公の文化がいまだに根付いているのでしょうか。

休みのとり方についても、休暇をきちんと取らず休みの日も仕事するくらいが美しい労働者の姿であるかのような価値観が日本人にはあります。

アルバイトは手足のようにこき使われて使い捨てられ、その使いやすさに味をしめた経営者は可能な限りの従業員をアルバイトなり派遣なりにする傾向にあります。

難しい、我慢の程度

少しくらい仕事が辛くても我慢して3年は頑張りなさい、といった簡単なアドバイスがあります。仕事に慣れるまで判断するのに最低そのくらいはかかるから、と。

しかし、今はその3年を我慢している間に「自殺」という最悪の結果となる例が多くあります。

しかも、辛さの程度なんて主観によるもので人それぞれ。
人に相談しても本人の体感は言葉で伝わるものではありません。

勇気を持って下した「退職」という自分の決断が、時期尚早なものだったかブラック企業から逃れる適切な判断だったのか、客観的には分かりません。

最後に、一番重要なお金の問題です。

日本では、給料を受け取るときに「ありがとう」と思う文化があります。

しかし、お金は自分が提供した労働力に対し、労働者が正当な権利として受け取ることのできるものです。「有り難く」はないのです。

契約上は「受け取って当たり前」。

労使間が対等な関係という意識のしっかりした国では、給料を現金で受け取ってもありがとうとは言いませんね。

ブラック企業が存在し、「自殺者」まで出している今の日本なら、図々しいくらいの対等な契約感覚が必要でしょう。人が死ぬくらいなら、日本の旧来の文化にそぐわないとしても、その方が遥かにマシではないですか。

しかも、経営者の側は「サービス残業」と称して残業代を払わないのが当たり前くらいのつもりでいるのですから、どれだけ経営者ばかりが得する労使関係に、日本はあるのだろうと思います。

世界最大規模の広告代理店として知られる「電通」の過労死自殺事件のその約20年前に、同社では同じように若い社員が自殺する事件がありました。

再発している」のです。

日本の経営者は、社員に対して旧来的な企業への忠誠心を求めるくせに、報酬面では欧米式の結果主義を採用し、経営者にばかり都合のいい契約内容で利益を上げる方法に頼りすぎです。

資金繰りに困ったら、まず人件費。

人件費を削るだけなら社長じゃなくてもできるでしょう。

経営者なら自分の頭を使ってアイデアで新たな利益を生み出すべきです。

社員に残業させるなら、まず社長から残業してください。

社員の報酬を削るなら、まず社長が自分の給料を減らしてください。

社員がどういう気持で働いているか知るべきです。それは、リーダーとしてごく基本的な当たり前の心がけにすぎないのですよ。

https://www.bengo4.com/c_5/c_1626/n_5216/

via:弁護士ドットコム

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170831/k10011120901000.html

via:NHK NEWS WEB

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