ひふみよタイムズでも継続的に取り上げてきた「合理的配慮」ですが、障害者差別解消法により考え方の理解から、社会において、現実的な運用フェーズに移っています。この法律が良い方向に向かって運用されていくためには、社会における「合理的配慮」という言葉への社会における興味関心がとても重要です。
そこで、興味関心を推し量る指標として、検索キーワードのトレンド(どれだけそのキーワードで検索されているか)は非常に参考になります。
さっそく、Googleトレンドで解析してみましょう。
以下は、日本で障害者自立支援法が完全施行された2006年10月を起点に「合理的配慮」というキーワードがどれぐらい検索されたかを示すグラフです。
※日本がブルー、アメリカがレッド、イギリスがイエロー
- 障害者総合支援法が交付された2012年6月では増加傾向は見られませんが、数ヶ月間安定したトレンドが見られます。
- 障害者総合支援法が施行された2013年4月から上向き傾向が見られます。
- 障害者権利条約に批准した2014年1月から数ヶ月は増加が見られませんが、2014年5月頃から高い上昇トレンドに入ります。
- 障害者差別解消法の施行1年前である2015年4月から急激な増加傾向が見られます。
- 2015年11月以降、国内においては欧米より高い関心があることがわかります。
このように、近年の日本では障害福祉の先進である欧米より「合理的配慮」に関する興味関心が大きなものになっていることがわかります。
誰も興味関心を抱かないことを推し進めるには大きな力が必要となりますが、法律施行などを起点に今の日本には「合理的配慮」に対する大きなトレンドが訪れていると言えます。
これは障がいを持つ方々の就労を含む社会参加を後押しすることになるでしょう。
2016年は日本における「合理的配慮元年」です。
※この記事はHIFUMIYO TIMESの前身「ひふみよタイムズ(紙面版)」に掲載されたものです。「ひふみよベース紫原」は就労継続支援を行う者として、5年後、10年後に障がいや難病をお持ちの方々の「はたらく」について、明るい未来を創造するために粉骨砕身尽くして参る所存です。