日本は地震大国。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震など近年も大規模な災害が発生している。地球に住む以上、地震もない安全なエリアは皆無だ。特に日本は地殻変動の影響から、数多くの地震災害が発生している国である。人間が生活するエリアを広範囲に直撃する地震は、障害や難病などを持つ方へも等しく牙をむく。近年の地震でも様々な発達障害の多くの子ども達が被災した。webにはリアリティのある体験が浮かび上がる。
避長男は自閉症特有の物事へのこだわりが強く、大きな音量でゲームをしたいと騒ぎ、真っ暗にしないと眠れない。『子どもを連れて避難できるような状況じゃなかった』と自閉症のお子さんを持つ女性は話してくれた。
偏食で配給食が食べられない▽見守りが必要で配給の受け取りに行けない▽夜中に目を覚まして声を出してしまう――など、障害特有の行動で、本人だけでなく、家族の負担も大きかった。周囲に遠慮し、避難所生活をあきらめて車中生活を送った家族もいた。
避難を強いられる場面は地震災害時だけではない。この記事を書きながら外を見ると大雨が降っている。スマートフォンには避難準備や避難勧告の情報が飛び込んでくる。人間は自然の前では無力であり、ある日突然このような現実に直面するのだ。
現実に直面した時、発達障害を持つ本人・家族、そしてそれを取り巻く様々な人たちが避難所というプライバシーの壁を取り払われた、共同生活を送ることになる。その際に互いの理解がなければトラブルの原因となるだろう。
前述した『子どもを連れて避難できるような状況じゃなかった』と話した母親の話しを思い出す。トラブルを避けるために、車中ならともかく、いつ倒壊するか分からない自宅に居ざるおえない状況も多々あったと聞く。
近年の災害は私たちに様々な教訓を残している。共助が必要な場面の中での配慮した行動例も見られた。
たまたま赤ちゃんを連れた近所の知人が、身体の弱い高齢者など配慮は必要な家族と共に2階の教室で寝泊まりしていて、招き入れてくれた。落ち着いた雰囲気の中、家で使っている布団や、ゲームを持ち込んだこともあり、子どもたちは安心して寝れたそうです。
発達障害を持つ方への対応の指針もできているようだ。日本自閉症協会「助けてカード」には以下のような具体例が示されている。
・その人に対して個別の声かけを(一斉に伝えても本人には伝わらない)
・指示や予定は明確に
・否定的でなく、肯定的に(走っちゃだめ→歩こうね)
・大声で叱ったりするのは逆効果
・発達障害の人が興奮したときは、その場から離して気持ちをしずめる
そして、いつ来るか分からない災害に備えて、発達障害を持つ子ども達に災害を教える取り組みもはじまっている。熊本市子ども発達支援センターの木村所長が作成した絵本「やっぱりおうちがいいな」では、地震に遭遇した5歳の男の子をモデルに地震は地球のくしゃみとして描かれている。
※絵本「やっぱりおうちがいいな」は熊本市のwebサイトからダウンロードすることができる。(©2010 熊本県くまモン)
災害が人命財産など多くのものを奪ってしまう。その未曾有の経験から、障害を持つ方への対応など、日常では想像もつかないことを、しっかりと学ぶ必要がある。私たちは多くの苦しみや悲しみの上に、貴重な教訓を得ることができているのだから。だからこそ、災害に備え、このような情報を手に取り考える事をやめてはいけないのだ。
http://www.asahi.com/articles/ASJ4M4325J4MUCLV007.html
via:朝日新聞
via:ヨミドクター(読売新聞)
http://www.autism.or.jp/bousai/
via:一般社団法人 日本自閉症協会
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