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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

「こうのとりのゆりかご」に託された命、隠れんぼしたまま捕まえに来ない鬼

熊本市西区に、慈恵病院という産婦人科医院があります。

病院本館から少し離れたところにマリア館という建物があり、その一部を利用して「こうのとりのゆりかご」は設置されています。

こうのとりのゆりかご、一般的に「赤ちゃんポスト」と呼ばれるものです。事情があって望まない出産をした母親が、最後の手段として自分の子どもの命を託す場所がこうのとりのゆりかごです。

さまざまな事件

望まない妊娠、赤ちゃんの将来についての心配などから預けられた子どもは100人を超えています。

18歳の少女が産み落とした子どもを殺して庭に埋める、21歳の学生が汲み取り式のトイレに産み落とした子どもを窒息させかけるなど、痛ましい事件がありました。

悩み抜いた末、母子心中などにいたるケースもあります。

自分が産んだ子どもを他人の養育のもとに任せるというのは、それだけ切り取って考えれば無責任なことです。それは父親である男も同じです。

無責任で身勝手なだらしないのせいで母親が悩むケースも多いのです。

しかし、逃げ場のない母親を追い詰めて母子ともに自殺に追い詰めるしかない社会の現状を考えれば、「こうのとりのゆりかご」は貴重な命綱としての役割を担っていると考えられるでしょう。

死ぬか育てるかの2択に終わらないシステム

赤ちゃんポストのベッドに預けられた赤ちゃんは、検知されるとすぐに保護され、まず健康診断を受けます。異常があれば入院し、健康面に問題がなければ里親を探すなどの選択肢が用意されています。

赤ちゃんの時点で養子縁組されるケース、児童養護施設で18歳まで生活するケースなど、さまざまです。

自分の背景を知って、それでも今の施設で自分は生かされているから顔も知らないけど実の親には感謝しているという小学生もいます。

妊娠を知らされて連絡から逃げてしまう男もいるらしいですから、若い母親が一人で妊娠に悩まされる問題の背景には、責任を取らない男性の側の問題が極めて大きく潜んでいるといえるでしょう。

慈恵病院が参考にしたドイツのシステム

病院が「こうのとりのゆりかご」の参考にしたのは、ドイツの「ベビー・クラッペBaby Klappe)」です。

現在の慈恵病院の運営方法がほぼそのままベビー・クラッペから採用したものです。

その前の段階として、ドイツには「妊娠かっとう相談所」という施設もあります。相談を経た後、匿名で施設での出産が行われ、その後、親の判断で自分で育てるか養子に出すかを決めます。

いずれにせよ子どもは家庭で育つことができます。

最も重要視しなければならないことは、母子ともにその生命です。

こうあるべき、という考えのもと、「親が子どもを手放すなんて」「無責任を助長する」「親が子どもを育てるのは当たり前」などと責任を取らなくていい無関係な周りの他人が批判したあげく、精神的に追い詰められた母が子を殺すなどの事件にいたっています。

私たちはステレオタイプな考え方を捨てなければならないでしょう。理想とされる概念より、現実に即して考えるべきです。

命が永らえるなら、可能性を出生後数分で消される命を作ってしまうくらいなら、ポストであっても子どもの生きる権利を守るため、ゆりかごは存在していくべきです。

「こうのとりのゆりかご」に私は賛成です。

しかし、根本的な解決のためには「無責任な男の体たらく」を改めることが最優先されると思います。

逃げるくらいなら、妊娠させるなども。

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3636/1.html

via:クローズアップ現代+

http://ninshin-sos.jp/yurikago_found/#fund_frame

via:慈恵病院 妊娠、出産における相談電話窓口

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