地方の交通難民の増加が深刻です。運転のできない高齢者が増えているにもかかわらず、バスなどの赤字路線は廃止が相次いでいて社会問題となっています。そんな中、NTTドコモがAIを用いた交通手段の開発に力を入れています。NTTドコモといえば通信事業者としてのイメージが強いですがその狙いはどこにあるのでしょうか。

地方の交通難民を生んだ背景

バスはその特性上、決められた時間に決められたルートを走り続けます。都市部ではそれこそが合理的であり、利便性の高さにつながります。一方で過疎化の進む地方では、乗るか乗らないかわからないバス停に寄り、回り道をしながら走ることは無駄としかいえません。それでもいつ乗客が現れるかわからない以上、運行会社はバスを走らせないといけません。交通の要として欠かせないバスですが、需要の少ない地方では路線の維持が大きな負担となっていました。

2002年の規制緩和で赤字路線の撤退が容易になると、過疎地域の地方の交通手段の要であるバス路線廃止が急増しました。自治体は代替策としてコミュニティバスを走らせましたが、やはり財政を圧迫し路線の縮小を余儀なくされています。

AI(人工知能)でルートを柔軟に変更する「AI運行バス」

今回NTTドコモが発表したのはAIを利用してバスの路線を柔軟に変更するというものです。ベンチャー企業である未来シェアとの共同開発によって生まれたこのプラットフォームは、車の位置や乗車人数、目的地などを把握することによりバス路線を効率的に運用できるといいます。

バスへの乗車の意思はスマートフォンで伝えます。バスはその乗客を乗せるため進路を変更し、また目的地へ向かいます。目的地までも、渋滞していない道をリアルタイムで割り出し、最短で目的地へ着く仕組みです。イメージとしてはバスとタクシーの中間のようなものでしょうか。つまりバスのデメリットであった「決められた時間」に「決められたルート」を走る必要がなくなり、利用者の少ない地方でも効率的に無駄なく運行することが可能になるのです。

気になるのは実用化の時期です。AIつまり人工知能と聞くとなんだか未来の話がしてしまいますが、2018年の実用化を目指すとのことです。当面は限られた地域での実証実験を兼ねたものになるでしょうが、普段利用している路線への早期導入が待ち遠しいですね。

自動運転バス運行の実証実験も開始

こちらの恩恵をあずかるのはもうちょっと先になりそうですが、自動運転バスの実証実験も始まっています。この実験はNTTドコモ、九州大学、DeNA、福岡市の共同で設立した「スマートモビリティ推進コンソーシアム」がすすめており、自動運転バスサービスの早期実用化をめざし、九州大学伊都キャンパス内で行われています。前述のAI運行バスと異なり、無人運転をめざしているそうで、現在は自動運転車に必要な課題を洗い出している最中とのことです。

まだ現在の日本では道路交通法の規定で、自動運転車の公道走行は認められていません。それでもキャンパス内では実際に試乗することもできるのだから、もはや自動運転は映画や漫画の中の世界だけではない、近い将来必ずおとずれる未来だと実感します。

過疎化のすすむ地方にこそ求められる技術

こうした技術は運用コストの削減につながり、今までは難しかった過疎地域でのサービスの展開を可能にします。日本中に無数にある過疎地域で、この無人運転車やAI運行バスの運用がビジネスとして成り立てば、NTTドコモにとっても大きな事業となりえますし、同時に地方での交通難民問題の解決につながります。
テクノロジーの進化は補助金や助成金に頼らない自立したサービスを可能にするのです。自動運転にかぎらずドローンの無人配達などのテクノロジーの進化で、過疎地域の利便性が向上することに期待したいと思います。

自動運転実験 NTTドコモが狙う「スマホで事故防止」|MONO TRENDY|NIKKEI STYLE 九州大学、NTTドコモ、DeNA、福岡市の4者による「スマートモビリティ推進コンソーシアム」は2017年1月、九州大学伊都キャンパス内にて、自動運転バス運行の実証実験を開始する。それに先立ち、16年12月13日、伊都キ…style.nikkei.com

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NTTドコモ、賢いバス開発へ AIでルート柔軟に変更  :日本経済新聞 NTTドコモは9日、人工知能(AI)の技術を活用した「賢い」バスを開発すると発表した。乗りたい人の数やいる場所などに応じて、AIが最適な運行時間やルートを導きだし、柔軟に変更する。決められた経路を時www.nikkei.com

via: 日本経済新聞