つい先日、東京に住む伯父が亡くなった。死ぬにはまだ早いといわれる年齢ではあったが、自分も親の兄弟が亡くなる年齢になったのだなぁとしみじみ感じたものだ。自分が幼少の頃はよく、叔父がライダースジャケットを着てアメリカンなバイクに乗る姿を見ていたため、小さいながらに「ファンキーなかっこいいオヤジだなぁ」と思ったものだ。所ジョージ的な趣味の持ち主だった。
そんな親戚や数いる大人の中でかっこいい部類に属していたファンキーな叔父が亡くなったことはやはり悲しい。とても。大人になり葬儀に行く数が増え、遺体を見ることにも慣れた。叔父も肉体だけになり火葬されるのか…と思っていたのだが、葬儀の日程がやけに遅い。
どうやら、火葬場の数が足りず葬儀も遅れてしまったようだ。肉親としてはそれだけ長く顔を見られることは嬉しい反面、遺体の腐敗も気になってくる。
特に東京近郊では死者の数に対し火葬場が少ないという問題があることは知っていたものの、改めてその問題に直面した。
あなたの家の隣にも?増える「遺体ホテル」
遺体保管所「遺体ホテル」と呼ばれる施設がある。なんだか遊園地にあるチープなお化け屋敷のようなネーミングだ。この遺体ホテルは、死後、葬儀や火葬をするまで一時的に遺体を安置する場所で、火葬場の不足により建設が増えてきているという。
神奈川県川崎市では住宅やショッピングモールにほど近い場所に「遺体ホテル」があり、次々と待機遺体が運ばれてくるという。近隣住民からは反対の声も多かったというこの遺体安置所は、綺麗な内観にチェックインカウンターやコンセルジュが座っており、一見ホテルのようだという。
自分の家の近くに遺体安置所があるなんで気持ち悪い!と反対する声もあるようだが、火葬場を増やさない限り、超高齢化社会、ますます遺体は増えるだろう。気持ち悪い!と反対している人もいつか死ぬ。そんな人の親族も、すがる思いで葬儀・火葬までの間、遺体安置所へ駆け込むかもしれないのだ。
個人的にはよくドラマなどに出てくる冷たく暗いステンレス製の遺体安置所に収容されるよりも、ホテルのような綺麗であたたかい場所に安置されたいものだ。
https://twitter.com/do06me01maru/status/826702941008523264
壇蜜さんも持ってる資格!遺体を修復する「エンバーミング」
葬儀場の前を通ると「エンバーミング」と書かれた看板を見かけることがある。エンバーミングとは遺体衛生保全のことで、ご遺体を生前の姿に修復する技術のことだ。事故などで損傷した遺体の修復や腐敗を防止し、最終的にはメイクを施しまるで血が通っているかのような生前の綺麗な姿に戻す立派な仕事だ。遺体から感染症が蔓延することも防ぐ。
海外から輸送される遺体の腐敗や、遠く離れている親族の葬儀に間に合わないといった問題も、このエンバーミングが重要となる。近いものでは、映画「おくりびと」でもあった化粧師(けわいし)を思い浮かべる方も多いかもしれないが、他にも湯灌(ゆかん)と呼ばれるご遺体を入浴させ洗浄する行為などもある。
⑤たくさんいらっしゃいます。6年経った今でも、複数の被災者の方から毎年この時期に近況報告を頂きます。エンバーマーは私にとって「誰かがやらなきゃいけない仕事」であり「私にしか出来ない事がある仕事」です。けれどたまに、仕事が少なければいいなと思います。今日も平和でありますように。終
— 復活!進撃のだりあんぬ (@dalia0x0) March 9, 2017
日本の都市伝説的に語り継がれた高収入の「死体洗いのアルバイト」など、少しダークでホラーで怖いといった印象を受ける方が多いかもしれないが、どれも命を全うした人々を送り出す立派な行為なのだ。
大切な人が亡くなり、万が一損傷していたり険しい表情をしていたら、あなたはどう感じるだろうか。修復し、まるで生まれ変わったような生前の姿に戻ったご遺体を見て、やすらかな表情であの世へ行くことができたと嬉しさのあまり涙を流すかもしれない。
ああ、納棺師には及ばないレベルで、ご遺体の尊厳を守るのは、エンバーマーです。
もしお若い方で、納棺師に興味があるなら、目指すはエンバーマーです。
災害時におけるエンバーミングの法整備や、死体の適切な管理マニュアルが待たれます。どうか、全ての故人さまに尊厳を。安寧あれ。
— ふくちゃん (@MF6132) March 9, 2017
ちなみにこのエンバーミングを行う人はエンバーマーと呼ばれ、日本国内には約160人のエンバーマーがいるという。この資格はタレント・グラビアモデルの壇蜜さんも取得している。今現在資格は法制化されていないが、超高齢化のニーズに、国家資格化を目指し業界団体が取り組みを進めているのだそうだ。
どう向き合う?超高齢化問題
超高齢化な現代、介護不足や老老介護、認知症患者の増加に介護疲れによるうつ病発症や自殺など、様々な問題がある中この火葬場の不足による遺体安置所問題も増えていくのだろう。
高齢化社会に立ち向かうために、私たちにはなにができるのか…と考えると途方に暮れ、老いや死に対しつい目を伏せてしまいそうになるが、一人一人が健康に留意し「介護予防」を行うこともまた重要となる。そして、増える「遺体ホテル」の建設も許容されることを願う。
ご遺体や葬儀・火葬など人をおくる事に携わる全ての職業には、頭が上がらないものだ。
私「ネクタイのお色はどうなさいますか?」
奥様「じゃあ紺色で。紺色好きだったかr…」
愛人様「赤で。お偉いさんと会う機会が多いから紺着けてただけで、本当に好きな色は赤です。」
奥様「……。」
私「……。」愛人様「あ・か・で。」
ひょぇ……_(:3」[棺桶]
— 復活!進撃のだりあんぬ (@dalia0x0) March 3, 2017
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13HD3_X20C17A1CC1000/
via:日本経済新聞
http://www.sankei.com/west/news/170220/wst1702200030-n1.html
via:産経West
via:日経ビジネスオンライン