会社の中で、あるいは友だちとの輪の中で、大勢で集まってワイワイ話が盛り上がることってありますよね。
そして、自分以外の仲間はみんな楽しそうに話し、話題も提供できている。相づちもうまい。
そんな中、自分は特にこれといって話題も提供できていないし、うまく話せていない。
自分がちょっと話してみると場が少し静かになるし、間があいてしまう。
そのことに引け目を感じ、自分はこの輪の中に必要とされていない存在なのではないかとまで、卑下してしまうことって、ありませんか?
「今日の晩御飯なに?」ってLINEでチャット打ってたら間違えてペーストを押してしまい 「今日のばんごハァァァーーーーーンwwwwww」 って送信しちゃって死にたいと思ったら、母親から 「チャーハァァァーーーーーンwwwwww」 って返事に死んだ。
— 面白雑談力 (@omosirozatudan) February 27, 2017
「話さなきゃ」と意識すればするほど、話題は何も浮かんでこないし、今盛り上がってる話の内容すら頭に入ってこない。
悪循環ですね。
私自身も、身につまされる思いです。
ストーリーを伝える力
自分の考えていることを、筋道だって正確に伝えることって、難しいですよね。
言葉は思いを伝えるために存在し、日本人なら日本語を使えるはずなのに、自分の話していることがどのくらい相手に伝わっているのかということについては不安ばかりです。
言葉による表現など、実は半分も相手には届いていないのでしょう。
多弁な方もいますが、たくさんしゃべっているだけで内容の薄い場合もあるし、分かりにくいだけのこともあります。
言葉少なといえば聞こえはいいですが、「もう少し説明してよ…」と思うくらい情報が足りない方もいらっしゃいます(泣)。
雑談力が高い人ほど会話の「終わらせ方」がうまい – 会話がはずむ雑談力 https://t.co/AWpmiU2oTA
— ダイヤモンド・オンライン (@dol_editors) February 23, 2017
実はみんなそんなに話していない
私もそのことは気にしていて、中学生になるころにはずいぶんと切羽詰った問題だったと記憶しています。
自分の意見が頭のなかでどんどん膨らんで、主張したいことも自分のこだわりも増えてくるのに、吐き出すための言葉は全然足りず、不満ばかりが心を支配していました。
そういう不満のもと、自分ももっと話し上手になりたいと考えていました。
友だちと話す中で、気の利いたフレーズをはさんで「面白いヤツ」になりたいと思っていました。
しかし、どうすればそれができるのかについては、全く分かりませんでした。気持ちばかり焦って失笑されていました。思春期のそのころの学生は同級生に厳しいですから、いつまでも浮いた存在のまま、3年間という期限を終了していたと思います。
ASDは雑談が苦手な人が多いです。自分の要件が済んだたらそこで興味関心が終わってしまうので、そこから関心のない話に付き合わされるのが苦手なのです。
しかし定型社会ではこの雑談力こそがお互いの絆を高めるために重要視されており、この傾向がASD当事者の評価を不当に下げているのです。
— 発達障害者の背中を支える妹bot (@isam3lbot) February 25, 2017
話すときに意識すべきこと、立ち位置を把握する
大学に入学し、高校時代よりも時間がたっぷり取れる立場になった自分は、長年疑問に思ってきた課題を克服しようと考えました。
検証するテーマは、「話をするとき、みんなどんなことをどのくらい話しているのだろう」ということでした。
当時の自分にとって、話のうまい代表選手はテレビの出演者たちでした。
現在は放送が終了していますが、「笑っていいとも!」という国民的長寿番組があり、その番組の一週間の総集編が毎週日曜日に放送されていました。
その中で、各曜日の出演者が集まってトークするというコーナーがあり、私はそのコーナーを参考にしてみました。
選んだのは金曜日出演者のトーク。当時の出演者に明石家さんまさんが出ていて、私にとっては話術に秀でた人物としてお手本にしたい方だったからです。
6人くらいが輪になって、司会のタモリさんを中心にみんなで話します。
私は観察する対象を出演者の中から1人に絞り、その人物の言葉だけを集中して追ってみました。
その際、さんまさんはあえて対象から外しました。
自分はこの人の役には及ばない、もう少し控えめな出演者がふさわしいと思ったからです。
集中を切らさず聞いていると、発見することがありました。
なんとなく、「この人あまりしゃべっていないなあ…」と思えたのです。
ずっと見続けていいても、その思いは変わりませんでした。
ところどころ言葉を発するものの、その多くは「あいずち」「素直な笑い声」「そのとき話している人の方をちゃんと見る」などの行為にとどまり、コーナーはそのまま終わりました。
さんまさんも、先入観で思っていたほどしゃべりっぱなしではないなと感じられました。
“面接で緊張すること”を防ぐための『雑談力』!(All about)
https://t.co/aBuN3GtRKf— 【公式】関西就活2018 (@YwLs5d) February 16, 2017
つまり、大勢でワイワイ話しているから全員の出演者がそれぞれたくさん盛り上がる話をしているように見えるだけで、1人ずつ分けてみるとみんなそれほどしゃべっていないのです。
1人あたりの言葉の総量はたいした分量にならないことがわかりました。
私は、新たな発見に救われる思いでした。
「自分ばかりが無理してしゃべらなくていいんだ」と思える心の余裕を感じることができました。
大事なことはむしろ「聞くこと」。
しっかり聞くことで話の内容を正確に理解し、的確なあいずちを打つことができ、それが話し手にとって「きちんと聞いてくれている」という信頼につながると気づいたのです。
テレビの出演者を観察するという勉強は、その後もしばらく続けました。
その対象は家族、学校、バイト先での会話など身近な人にまで及び、そこでも同じことがいえると確信できました。
そのことを理由に急に自分の話し方が向上した訳ではありませんが、この検証以来、私は相手の話をしっかり聞くようになりました。
理解もせず無理に言葉を発し、話の流れを切ってしまわないよう心がけ、「一呼吸置く」ことに努めました。
それだけでも、ずいぶんとその場の雰囲気はよくなったものです。
要求されていたことは、たくさんの話題や大量の言葉ではなく、「そこで話題になっていることの正しい理解」でした。
しゃべることへの強迫観念も徐々に消えていき、最近ではいかに言葉少なに意思疎通をはかるか、という課題を楽しんでいます。
今は緊張が無いから、しゃべろうと思えば話はできます。
でもやっぱり、人はしゃべりたいという欲求を持っているものだし、きちんと聞いてくれる人の存在を欲しているものです。
その役を自分が担えるなんて、素敵だと思いませんか?
http://diamond.jp/articles/-/118544
via:ダイヤモンド・オンライン
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