一歩が踏み出せない人に観てほしい…映画『Start Line』

生まれつき耳が聞こえないという個性を持ち、健聴者とのコミュニケーションが苦手だと語る今村彩子監督。

監督行きつけの自転車屋スタッフであり、友人でもある堀田哲夫さんに伴走＆カメラ撮影をお願いして実現した自転車旅。

沖縄から北海道宗谷岬まで、57日間、3,824kmの旅の記録（カメラを回した時間は、349時間31分だそうです。）の中で、敢えて出来なかった事、失敗した事を中心に、自分自身をさらけ出した、112分のコミュニケーションを題材にしたドキュメンタリー映画『Start Line』。

私の地元鹿児島では、2月11日（土）〜2月17日（金）までの1週間、39席の小さな映画館、ガーデンズシネマ（鹿児島市呉服町マルヤガーデンズ7階）で上映されました。

初日は満員御礼で、上映中、観客のみなさんが映画に入り込んで、愉しんでいる雰囲気を感じることができ、とても心地のいい空間だったのを思い出します。

上映後は監督の舞台挨拶＆トークショー＆サイン会があり、監督の誠実な人柄を垣間見ることが出来ました。

ちなみに、私はこの2日後、もう1度この映画を観ることになります。どうしても観たい衝動に駆られまして…。2回観ても、もう1回観たい…そう思ってしまう映画です。

名古屋市出身 #今村彩子監督映画「#スタートライン」が
鹿児島市 #ガーデンズシネマにて上映中。17日まで。読売新聞にインタビューが掲載されました。

人と向き合う旅　映画に　聴覚障害持つ今村監督
https://t.co/LgnX8T13eb

— 愛知県フィルムコミッション協議会 (@aichitoru) February 14, 2017

ざっくり

監督と伴走者のやりとりの中に踏み出すヒントが…
出来ないと自分で決めてしまう癖
失敗してもやり続ける
関連

監督と伴走者のやりとりの中に踏み出すヒントが…

ためらっている・迷っている・困っている・叱られている…。そんな監督の姿がたくさん映し出されています。

クロスバイク歴わずか1年の初心者であり、方向音痴（？）、地図を読むことも、コミュニケーションも苦手。毎日毎日が不得意なことの繰り返し。

蓄積していく疲労と日々湧き出てくる課題によって、監督の表情がだんだん曇っていきます。

ゴールである宗谷岬まで到達することが出来るように、的確な指摘をし続ける伴走者の堀田さんに対して、その指摘に納得しきれない監督。

二人の関係は徐々に微妙になり、ぶつかることもしばしば。でも、そのやりとりの中に、一歩踏み出すためのヒントが散りばめられているように感じました。

耳が聞こえない監督が自らの自転車旅を綴る…映画『スタートライン』が問うもの – cyclist https://t.co/Zq8NXL613v @cyclist_sanspoから

— 稀平昊 (@hjmtm884) November 26, 2016

出来ないと自分で決めてしまう癖

私はうつ病を患ってから、どんどん自分に自信がなくなってきたように感じます。それと同時に、「多分これは出来ないだろう」と行動する前から諦めてしまう癖がついてしまいました。

監督も、聞こえる人とのコミュニケーションの壁を感じて、自分を低く見てしまい、「聞こえないから自分は出来ない」と思ってしまう癖があるようです。

持っている障害の個性は違っても、悩みの根本は似ているんじゃないかと感じます。

自尊心の低さ・自己肯定感の低さが、出来ない自分を作っているのかもしれませんね。

完璧主義なのに何も出来ない自分が本当に嫌いで完璧に手抜きするように試みている。 — 自己肯定感が低い日本人　高めていくにはどうすれば良いか？ (JIJICO – 02月16日 15:02) https://t.co/Tw9lNttg43

— 朱月えみ＠ぐりまる個別カフェ＆ちよこ姉妹誕生日 (@1126IsDP) February 16, 2017

失敗してもやり続ける

監督は旅の中で数多くの失敗をします。

その事で落ち込んで考え込んだり、涙したり、逆ギレ（？）したり。

私は失敗するかもと思うだけで、先に進めず、尻込みしてしまうことが多くあります。

でも、この映画を観ていると、失敗しても、やろうとする・やり続けることの大切さを感じるとともに、自分が作ってしまっている壁を乗り越えようとする気持ちが湧き上がってきました。

https://twitter.com/happy_days358/status/833501225081376768

共感したり、突っ込んだり、爆笑したり、ほっこりしたり、涙したり…。

映画を観ていた112分で、自分自身の感情がとても揺さぶられました。

克服すべき壁を乗り越えるために、行動を起こしてスタートラインに立つことは、簡単に出来る事ではありません。

でも、この映画は、誰だって、いつだって、覚悟さえ決めることが出来たら、スタートラインに立つことはできる、という事を思い出させてくれました。

迷い、ためらい、一歩が踏み出せないと悩んでいる方には観ていただきたいなと思います。

今後の上映予定は、

京都府京都シネマ：3月25日(土)〜4月7日(金)
長野県松本CINEMAセレクト：3月20日(月)
福岡県東田シネマ：4月21日(金)〜4月23日(日)
北方シネマ：4月28日(金)
沖縄県桜坂劇場：今春予定

となっています。

お近くにお住いの方はぜひ…。

熊本Denkikanで「スタートライン」を観てくださった弁護士さんの感想です。私がこの映画で伝えたかったことを文章にしてくださっていて、こういうのを読むと監督冥利に尽きます。https://t.co/dTfKYMMLKZ

— 今村彩子 (@ayako_imamura) February 14, 2017

http://studioaya.com/startline/top.html

via : 映画『Start Line』公式サイト

http://studioaya.com/

via : Studio AYA

http://www.nhk.or.jp/heart-net/rounan/summary/2016/03/0312.html

via : NHK 福祉ポータルハートネット