先日、「この世界の片隅に」を観てきました。
こうの史代さんの漫画が原作で、さまざまな賞を受賞・ノミネートもしているアニメーションの戦争映画です。
「この世界の片隅に」あれ?完成版と違う…客指摘で発覚https://t.co/Rm46mLBpDk
“違いは背景の一部や色合いの違いなど。別の映画館で9回鑑賞したファンが気付いたという。背景に描かれている鳥や花の絵がなかったり、エンドロールに流れる絵の数が異なっていたりした。”— さらしる (@sarasiru) February 19, 2017
青森市の上映についてもニュースになっていましたが…なんとっ( °° )!
この映画について話す前にまず、公式サイトのプロダクションノートを読んでほしいです。
監督や応援者の作品に対する思い、いかにあの時代の広島と人々の生活を忠実に再現したかが伝わります。
原作者と監督が描きたかった、戦時中を生きる人たちの話
この映画は戦時中を生きる人たちが常に主体になっています。
戦争の描写ももちろんありますが、生活の様子に比べると淡々としていました。
それが現実的で、とても悲しかったです。
映画を観ながら、何度もこの人たちと生活、この街並みを壊さないでほしいと願い、わたしも当時の広島の呉に住むひとりになっていました。
映画から感じる、人間の弱さと強さ
わたしは戦争を知りません。
改めて考えると、いま起こっている戦争、そして災害に対してもどこか画面越しの世界で距離を置いていたように感じます。
映画のなかのシーンで印象的な言葉があります。
絵を描くことが好きな主人公のすずさんは、実際に空爆を目にしたときに思うのです。
「いま、ここに絵の具があれば…」
その言葉が自分と同じ感覚だとは言えませんが、もしかしたら戦時中の人たちも戦争自体には距離を感じていたのではないでしょうか。
ただ戦争によって苦しくなる生活、いなくなる人々は自分たちの現実で、だけど生きていかなきゃいけない。
すずさんは絵を描き、すこしでも生活を楽しむことで、ひたすらに毎日を生きていたように思うのです。
すずさんはとても強いです。穏やかです。
その性格もまた自分で分かっていて、ずっとそうあり続けることで自分を保っていたように、わたしは感じました。
そして、その強さはすずさんだけではなく、映画に出てくる人ひとりひとりに感じました。
「この世界の片隅に」を昨日見て
ありゃ〜っと思ったが、
はじめはニコニコしていた
すずちゃんが
時間が進むにつれ、笑顔が減る。あの好きな事(絵を描くこと)さえ出来ていれば良いと思っているすずちゃんが、
畑で泣きながら、なぜ?暴力に屈しなければならないの‼︎‼︎と言う— ニシヘイヘ (@onioyako) February 20, 2017
②『この世界の片隅に』を観てから、イラクやシリアの空爆のニュースを見る度「あの空の下にシリアのすずさんがいる」そんな風に思うようになった。70年前の日本も今この瞬間の中東も全て「この世界」であり人々はその世界の片隅に生きている。 #この世界の片隅に
— shima aki (@syakf) February 16, 2017
あなたもぜひ、すずさんが暮らす世界の片隅へ
そして、この映画のよさは、のんさんの声とコトリンゴさんの音楽にもあります。
わたしは「あまちゃん」にハマっていたのですが、そのときは福島の女の子にしか見えなかった、のんさん!
今回は広島に住む、穏やかで芯のあるすずさんそのものでした。
特に「ありゃあ~( >∀< ` )ゞ」の声と表情がなんともかわいくてっ!!
コトリンゴさんの音楽は優しくてまっすぐで、こちらもまたすずさんそのものでした。
映画を観て数日経ったいまも、歌声が頭から離れません。
酷な場面もありますが、アニメだからこそ幼い子や実際に戦争を体験した人、いろんな年代の人が一緒に観ることができる映画だと思います。
ぜひ映画館で、エンドロールまで観てほしいです。
via:「この世界の片隅に」公式サイト