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2024/4/10:フリーペーパーvol.97発刊!

将棋ソフト不正疑惑で谷川浩司会長が辞任、三浦弘行九段が訴訟に出られない理由

日本将棋連盟の谷川浩司会長が辞任することになりました。

昨年10月、順位戦A級に在籍する三浦弘行九段が対局中にスマートフォンで将棋ソフトによる指し手をカンニングしていたとして、昨年末までの出場停止処分を受けていました。

さらに、出場の決まっていた竜王戦への挑戦権も取り消しとなり、次点の丸山忠久九段が繰り上がりで挑戦者になりました。

しかし、第三者調査委員会によるその後の調査により、三浦九段のソフト使用疑惑は立証されず、谷川会長の引責辞任に至った次第です。

処分の正当性

三浦九段によるソフト使用の不正は、その物的証拠も明らかな証人もないまま、将棋連盟が一方的に決めたものという印象がぬぐえません。

竜王戦で三浦九段が対局する予定だった渡辺明竜王が三浦九段について、「対局中トイレに立つ離席が多い」「指し手がソフトのものと合致する率が高い」などの理由で、独自に連盟に進言したものです。

谷川会長、佐藤天彦名人、羽生善治三冠、渡辺竜王などが話し合い、三浦九段への処分を決定しました。

竜王戦には丸山九段が挑戦し、4勝3敗で渡辺竜王が防衛しました。

竜王戦の対局が全て終了した後、第三者委員会による調査結果が出され、弁護士を立てて正式に三浦九段が処分に対する不服を申し立てた次第です。

実質的な敗北宣言

渡辺竜王がソフトによる指し手を参考にしていた三浦九段を連盟幹部に相談した時点で、もはやプロ棋士は将棋ソフトに勝てないと認めたことにはならないでしょうか。

仮に本当にソフトを使用して対局していたとしても、ソフトが恐れるに足りない相手なら勝手に使わせておいて、勝手に負けてもらえばいいわけです。

渡辺竜王は現在、順位戦A級にも在籍し、20歳で竜王となって以来32歳となる現在まで、必ず何らかのタイトルを持っている実力者です。渡辺竜王でも勝てないなら、ほとんどのプロ棋士は、もはや Ponanza を頂点とする将棋ソフトには勝てないでしょう。

ただ、三浦九段が使用していたソフトがスマホ程度の容量で動くものなら、ハード面でその実力に大きな影響を受ける将棋ソフトも、その実力はプロ棋士には及びません。

竜王が、ソフトの実力に恐れを抱いていたことは明らかではないかと思います。

三浦弘行九段の事情

委員会の調査で身の潔白が明らかになった後、三浦九段は法的措置に出ることもできたはずです。

証拠が不明瞭であるにもかかわらず、高額な賞金も用意されていたタイトル戦への出場権も奪われ、その他の棋戦への出場機会を奪われたことは、金銭的な損害だけでも賠償の請求対象になるでしょう。

形の伴わない「謝罪」ですべてを水に流すなど、連盟側があまりに都合よくはないでしょうか。

会長が辞任したから、三浦九段に課された処分が消える訳でもありません。辞めるのも会長の勝手でしょう。

しかし、職業として、プロ棋士は将棋を指すしかないという現実があります。

時に「先生」という肩書で呼ばれることさえある、日本国内においては尊敬の対象とされる立場にあるプロ棋士ですが、将棋連盟に嫌気が差したから棋士などやめて他の就職先を探す、ということもできないのです。

つぶしが利かない、ということです。

三浦九段にとって自分の職場であり、守らなければならない場所が将棋連盟でもあるのです。そういう、弱みもあるのでしょう。

自分の能力を買ってくれる他の企業が世界中にあるような職業であれば、今回のような仕打ちを受けたなら職場を見限って活躍の場だけ移せばいいのです。

しかし、棋士は将棋連盟から離れるわけにはいかない。そういう弱みも、連盟側はわかっているのでしょう。

「どうせ、将棋を指すしか能がないんだろ」。

足元を見た幕引きですね。

谷川会長は会長の座を退きますが、B級1組の現役棋士でもあるわけで、その辺りの進退はどのようになるのか、公式発表では不明です。

三浦九段が本当にスマホを使用してソフトで指し手をカンニングしていたか否かについても、これも証拠がないというだけで同じく不明です。

しかし、疑わしいまでであれば、罰則を課す権利は誰にもありません。身の潔白を証明した三浦九段は棋士生活を復活させますが、2016年10月から12月まで汚名を着せられたという事実を、決して忘れないでほしいと思います。

そして今後の棋士生活においても、何も悪びれること無く、正々堂々と将棋を指し続けてもらいたいと願っています。

http://www.asahi.com/articles/ASK1L32MKK1LUCVL001.html?ref=flashmail

via:朝日新聞DIGITAL

http://www.hochi.co.jp/topics/20170118-OHT1T50073.html

via:スポーツ報知

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