大雪で開始時間が遅れるなど、今年の全国大学入試センター試験も大荒れの様子。なんと、大学入試センター試験は今の中学3年生が受ける2020年1月で廃止となるようだ。
そして、改正障害者差別法や障害者差別解消法などで頻繁に詠われている「合理的配慮」。そんな合理的配慮の中にも「学習における合理的配慮」が存在する。
センター試験、なぜ2020年で廃止に?
予想されていた最強寒波。狙ったようにセンター試験を直撃しなくても…。今年のセンター試験では、雪による影響で開始時間を遅らせるなど2千人以上にも及ぶ受験生への影響が出たようだ。
「センター試験」と聞いて懐かしさを覚える方もいるだろう。かくいう私はこれまでの人生においてセンター試験には全くなじみがない。大学を受験しようなどという考えは一滴も持ち合わせていなかった。
そんな大学センター試験が、2020年1月(2019年度)の実施を最後に廃止されるという事をご存知だろうか。2020年以降は新たな共通テストへと移行するのだそうだ。高校教諭によればセンター試験は重要なもので、紙面や暗記だけでは解けない考えさせられる問いがあると評価されているようだ。しかし一方で、文部科学省によればこれからの時代を生き抜く受験生のために新たな方法でのテストを実施する方針だ。
先行きが不安定なこれからの日本では知識量だけでは生きていけない。自らの力で直面する問題を発見・解決していき、新たな価値と答えを生み出す力が重要視されているということだ。
視覚・聴覚・発達障害など、センター試験における「配慮」とは
大学によっては「受験上の配慮案内」というものを配布している。センター試験で行っているのであれば、一般企業の面接などでも広く採用してほしいものだと感じるのは私だけだろうか。
この受験上の配慮では、試験において、視覚・聴覚・肢体不自由・病弱・発達障害などに関する配慮を申請することができる。申請書では、志願者の希望する受験上の配慮を審査するため、診断名や受験上の配慮が必要な理由を記入する項目がある。そして、診断された医師の署名も必要なようだ。発達障害の方の申請書においては、「心理・認知検査や行動評定等」を記入する欄がある。
読み・書きにおける姿勢への配慮や、代筆解答を申請するもの、別室の設定を希望できるようで、大学にもよるかもしれないが完全な個室を希望することも理由次第では可能となるようだ。
全盲の方へは点字の問題用紙を。車椅子の方へは試験会場へアクセスしやすく改善してくれる。
大学受験のセンター試験。子宮頸がんワクチン副反応の子どもたちも受験する時期の子多数。試験会場の配慮を求めるための診断書を主治医に書いてもらわなければならない。
我が家もそうだ。
車椅子や杖、意識喪失や脱力に配慮してもらうため、別室受験の配慮を希望する人も多い。— 松藤美香 (@mikarin_tokyo) September 28, 2016
学習における合理的配慮の問題点・今後の課題は?
ただ、当の障害を抱える受験生からしてみるとまだまだ問題は山積みだという。センター試験で実際にどのような配慮が行われるかは受験直前にならないと決定しない。さらに配慮が許可されるまでに様々な申請書の提出などでとても時間がかかるようだ。
受験生からしてみれば、受験勉強に没頭したいことだろう。受験環境の配慮が未完全なだけに様々な勉強以外の負担が大きいようだ。
センター試験特別措置のツイートが伸びてるな。私がセンター試験受けたのがもう8年前とかで、まだ発達障害の括りがあったかもわからんのだけどね。主治医に診断書書いてもらって担任に意見書書いてもらったな。
— まぁたん@低覚醒 (@masicalmari) January 14, 2017
おそらくこのような問題は、入試センター試験に限った事ではないだろう。
これから社会に出ていく10代の若者の”学習における配慮”。当然のものとして勉強に没頭できる環境や、アクセス方法が整うことを願う。
それにしても、今年のセンター試験前日にはジブリの「風の谷のナウシカ」が放送されていた。もし私が受験生なら貴重な勉強時間をナウシカに費やしたかもしれない…。
http://www.asahi.com/articles/ASK1F3SY3K1FUTIL01C.html
via:朝日新聞DIGITAL
https://www.koukouseishinbun.jp/2016/05/44096.html
via:高校生新聞
http://doit-japan.org/accommodation/case/index.html
via:DO-IT Japan
http://www.dnc.ac.jp/sp/center/shiken_jouhou/hairyo.html
via:大学入試センター