ついに、残業しなかったことに対する手当てが登場した。定時ピタリ退社するたびに給与がアップするかもしれない。なんて素晴らしい制度だ!と思う人もいる一方、定時に仕事が終わらないと嘆く人もいるだろう。ノー残業手当てを目標に、仕事の効率がアップし社員も健康になれば企業側の思惑通りだ。こういった手当てが登場するあたり「THE 日本」という感じがする。
得する?残業しない社員。損する?残業する社員
スーツ販売で知られる「はるやまホールディングス」が、4月からノー残業手当てを導入すると発表した。定時に退社する社員に支給される手当てだ。あなたは普段、ノー残業手当てが支給されるような働き方をしているだろうか。手当てはなくとも、定時で帰るための仕事の効率化を図っているだろうか。確かに、業務効率が上がり社員が5時ピタ退社をするようになったことで業務成績が向上したという企業も多い。
ここでは、良い仕事ぶり=(イコール)ノー残業手当て(効率手当て)ということになるだろう。
残業する社員には「残業手当」というものがある。個人的には効率良く仕事した人に手当てはないのだろうかと思うことがあった。効率良く仕事を終え定時に帰宅したAさんと、効率悪く同量の仕事を残業して終えたBさん。手当てがつくのはBさんのほうだ。”仕事をしている”指標はどこなのか。結局、給与は時間に左右されるのか。
全く仕事をしない日と恐ろしく仕事をする日
昔勤めていた会社では、急ぎの仕事がない日は自らインプットデーと称し、世間が仕事をしている間によく映画館に足を運んだり本屋へ行ったりカフェでランチをしたりウィンドウショッピングをするなどし過ごしていた。会社へ出向いても、途中から席を外しとにかく好きなことをしていた。一見ただ遊んでいるかのような行為だが、全てはインプットの時間だった。言い換えれば休日も「オフ」の状態が常に無い。おそらく公言しないだけで、こういった人は多い。というか、これが普通だと思っていた。しかし、最近そうでもない人もいるらしい事を発見した。とにかくオフの時はオフなのだ。
逆に、納期の迫る日はひたすら仕事をしていた。早朝から夜中3時まで仕事をし、シャワーを浴びるため帰宅。また2時間後には会社で仕事をする。12時間デスクに向かい、トイレに立ったのは1回だけだった時もある。こんな働き方ができるほどの体力が当時はあったらしい。こういった働き方は、残業手当やノー残業手当といった枠には当てはまらないのだろう。手当て支給が可能なのは業種にもよるのかもしれない。
ただ、仕事の効率化はどんな働き方でも共通だ。とにかく極端なブラック企業を除いて、自分の中での区切りを明確にし、自らで働きやすい環境へ導けることが理想かもしれない。
今回のノー残業手当、単純に残業しない社員が得をするというわけでもなさそうだが、こういった手当を支給しなければ常に効率よく仕事ができない日本人独特の「長時間労働への美徳」やライフワークバランスの軽視が根強いように思う。さらに、やはり仕事の評価は時間でしか測れないのだろうか、と疑問に思うのは私だけでは無いはずだ。
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