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体の代わりにおにぎり一つ。私たちは『買われた』展

ここ数年社会的にも注目を集めているJK(女子高生)ビジネス。女子高生とお散歩や食事などをするだけではなく、添い寝、ハグやマッサージなど体に触れるサービスがエスカレート、裏オプションと呼ばれる性的なサービスが問題視されている。今では女子高生を雇うことが全面的に規制された。「売春」に足を踏み入れた女子中高生たちは何を思うのか。

売春する女子高生に対する世間のイメージ

洋服代が欲しい、遊ぶお金が欲しい、快楽のため、寂しさを埋めるため、みんなやってるから…。おそらく売春を行う中高生に対する世間のイメージの多くはこのようなものかもしれない。あなたはどうだろうか。

昨年東京と横浜で行われた、私たちは「買われた」展。性暴力被害や貧困・虐待などで居場所をなくし「売春」に走らざるを得なくなった女子中高生たちの声や思い、体験談を集めた展示会だ。今年は1/6〜10日まで関西にて開催された。

親からの虐待から逃げた一人は、行くところがない時に声をかけてくれるのは男の人だけだったと言う。何日も何も食べていなかったから仕方なかった、そう話す一人もいる。友達がいなくなるのが怖かった一人は「お金ないなら稼いできてよ」その一言に従った。

「遊ぶお金が欲しいから」そんな安易な世間の声では、もう傷つけないほど若くして深い傷を追っている少女たちが、私たちの知らないところで必死に生きているようだ。

画像引用:infoseek|©iStock.com/FREEGREEN 

多様な「買われる」「売る」理由

この季節、街中を歩く10代の女の子の生足が眩しい。そして「寒かろうに…」と心配にもなるが、自分自身が女子高生の頃を思い出すと寒さなんて全く感じていなかった気がする。今となってはなぜあんなに短いスカートで歩いていたのか、なぜ夜中まで遊び周り朝帰りするようないわゆる”危ない”生活を送っていたのか、到底理解できない。今思えば若さゆえ、怖いものが全く無かったのかもしれない。今となっては若い女の子というだけで、とにかくかわいいと思ってしまうほどオヤジ化が進んできてしまった…。

当時、寂しさから男の人と一夜を共にしていると話す知人がいた。仕事を始めてからは、過去に風俗で働いた経験がある女性やキャバクラで働く女性、SMクラブで女王様として働く女性と話す機会があった。「遊ぶお金が欲しいから」もちろんそんな人もいた。しかし、世間が抱いているほど安易なきっかけではない人たちが多かった。貧困や親からの虐待により逃げてきた人もいれば、自分の夢を叶えるため、我が子を養うため、大学に通うためなど。それぞれにそれぞれの理由があった。愛情を求めて自らの体を差し出すという人もいた。とにかく誰かに認めて欲しかった、そんな思いで足を踏み入れた人もいた。

買うほうが悪いのか。おそらくそんな問題ではない

とにかく、それぞれに理由があった。他人が「なぜ」と問うべき問題でもないように思う。成人しているならなおさら個人の自由だ。もちろん、親心的に中高生が危ない道に進んでいればとても心配だ。ただ共通していたのが、買う側の男性から「なぜ」と問われることや「こんなことしちゃいけないよ」と説教をされることがあったと言う。しかしその立場でそんな問いを投げるのは何か違う。買った側への怒りや売る側への批判も多いが、まずはその背景に目を向けて見てはどうだろうか、と個人的に感じる。

さらに、「買われた」は一方で「売った」とも呼ばれる。売った側が買われたと言うかもしれない。買った側が売っていたと話すかもしれない。実際は当事者にしかわからない。

しかし、中高生という若さで想像もできないほどの深い傷を負っている人たちも世の中に存在している。需要と供給というようなシンプルな話でもない。このような展示会により世間の理解はどのように変化するのだろうか。

https://www.colabo-official.net/企画展-私たちは-買われた-展/

via:colabo

via:毎日新聞

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