マールー・ファン・ラインが200m(T44)で2大会連続の金メダルを獲得した。

両膝下切断の義足スプリンターでありながら、オランダが誇る陸上短距離の女王である彼女は、リオ・オリンピックスタジアムで行われたパラリンピック200m(T44)で圧倒的な強さを発揮。
2大会連続となる金メダルに輝いた。

実は、パラ水泳選手として国際大会に出場もしていたが、今では陸上に転向し、その才能を遺憾なく発揮している。

ドイツのイルムガンド・ベンスサン、フランスの金メダリスト、マリー・アメリー・レファー(400m・T44)の2人を抜き去った24歳の世界記録保持者ファン・ラインは体勢を崩しながらもゴールラインを越え、26秒16のT43新記録でゴールテープを切った。

「本当に素敵! ロンドンで金メダルを取ってから、タイトルを守って、そしてパラリンピックで2つ目の金メダルをとるために、4年間ずっと練習してきたの。それが実現して、本当に嬉しさで胸がいっぱいです」

そう語る彼女は一方、パラリンピック開会前の5月下旬、スイスのノットウィルで行われたIPC陸上競技世界選手権大会100m(T43)で12秒79をマークし、自身の持つ世界記録を更新している。

ここに、陸上競技における最高の瞬間と最悪の瞬間について、本人による言葉がある。

Upper body of a woman holding a flower bouquet, smiling

画像出典:World Para Athletics

最高の瞬間とは?

2012年パラリンピックでの金メダルが、今でも私にとって最高の瞬間です。今でもそれが自分にとって最高の実績になっていますから。最高のメダル、最大の大会、最多の観衆、そして、勝負は一瞬。だから、あの大会で優勝出来たことは素晴らしいことでした。

ロンドン大会以前は、それほど大きな大会に出たことがなかったので、どんなことがロンドンで待ち受けているのか想像もできませんでした。私は無知だったのです。
期待もそれほど高くなかったし、リラックスできていたことが良かったのだと思います。失うものは何もなく、勝ち取るべきものはたくさんある、そんな大会でした。ただ、速く走ることさえできれば勝てる、とも思っていました。
速く走れる確信なんてまったく無かったのに。

優勝して金メダルを取ったとき、ひどく興奮していたのを覚えています。とても、とても、とても、嬉しかったのです。

最悪の瞬間とは?

ちょっと変かもしれないのですが、400mを走るときです。
いつもそうなんですけど、自分にとっては難しい距離なんですね。
私はスプリンターだから、大体220mのところで失速するのです。それでも、2014年の欧州選手権ではスタミナを少し残してゴール前に入ったつもりでした。十分に走れると思っていたのです。でも、スタミナ切れでラスト100mは頭を振り乱し、酔っ払ったようにゴールしました。計画通りにはいきませんね。

何を学んだかというと、「もう2度と400mは走らない!」ということです。
しかし、本当に学んだことは、どの距離であれ、自信を持つということでした。
100m、200mを走るときは自分以上に自信を持っている選手はここに立っていない、と思っています。でも400mは違うんです。十分な自信が持てないのです。400mで金メダルに届かない理由はそれかな、と思います。

冷静に自身を見つめながらも、熱い気持ちを抱えて走り抜けている彼女はまだ若い。
これから先も風の如く走り抜け、様々な表情を見せてくれるであろうマールー・ファン・ラインに注目だ。

via:World Para Athletics

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