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障害者に期待する、潜在的労働力としての可能性

障害者を対象に、生活訓練就労支援に取り組む「多機能型事業所ほうぼく」は、北九州にある。

恵さん(62歳・仮名)は、1年ほど前からここへ通うようになった。知的障害と診断されたからだ。しかし、それまでの60年以上、福祉サービスは一切受けてこなかった。

画像引用:西日本新聞

高校卒業後、短大に入ったが卒業はしていない。仕事に就いた経験もない。19歳のときに父を亡くし、それからはそれまでの貯金遺族年金で母との二人暮らしだった。

昨年の夏に母も亡くすと、近所の民生委員生活困窮者自立支援制度の窓口につないだ。

「最初は就労に向けた支援をと、適性検査を受けてもらったんですが、受け答えがあいまいで、これは福祉だと」

恵さんの自宅は台所や風呂に、使用した形跡がほとんどなく、専門医によると軽度の知的障害であることが分かった。

仕事が続かなかったり、経済的に困窮している場合、障害が疑われるケースも少なくない。

恵さんのような知的発達の遅れは、多くが成人前に出現するとされている。だがかつては「世の中の偏見が強く、障害者と診断を受けるのに抵抗が強い親御さんも多かった」(相談員)という事情があった。

一方、愛さん(49歳・仮名)は小学生の頃から忘れ物も多く、片付けが苦手だった。複数の会社で働いたが、作業に時間がかかったり担当業務が変わると付いていけなかった。

先の見通しを立てるのが苦手で、高額商品を買っては借金がふくらんでいった。
専門医を受診すると、アスペルガー症候群注意欠陥多動性障害(ADHD)との診断を受けた。

現在の日本は単純労働職人的な仕事が減り、高いコミュニケーション力複雑な判断力が問われる仕事が多くなっている。

対人関係を築くのが苦手な人が、労働市場で勝ち抜くことはむずかしい。

福岡市発達障がい者支援センター前所長で、現在は相談員を務める緒方よしみさんは次のように語っている。

「周囲が障害に早期に気付き、仕事の優先順位をつける、指示を具体的に出すといった工夫をすれば、就労が継続できるケースも増えてくる」

16年版障害者白書によれば、身体、知的、精神の障害をもつ人は国民の6.7%に当たる約860万人と推計されている。6.7%といえば確かに少数派だ。しかし、100人中に6〜7人の障害者がいると考えれば、もはや稀有な存在とはいえないだろう。

障害者は、頻繁に見かけてもおかしくない割合で実際に居るのだ。これだけの労働人口を、配置に工夫して労働力として活用できれば、生産力も大幅に上がるだろう。

http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/article/8827

via:西日本新聞

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