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長時間労働から効率的生産へ、働き方改革の現状

生産性向上やワークライフバランスへの対応を推進する「働き方改革」。これは、第2次安倍内閣が掲げた成長戦略の日本再興戦略(改訂2015)』において閣議決定された国の政策だ。

働き過ぎ防止に取り組み、世界トップレベルの雇用環境・働き方を実現するとしている。日本人は働き過ぎとよく言われるが、実際のところどうなのだろう。

厚生労働省「毎月勤労統計調査」(事業所規模5人以上)によると、この20年間、一般労働者(パートタイマー除く)の年間総実労働時間はほぼ横ばい状態。そのうち、身体や心に悪影響を及ぼすとされている「週の労働時間60時間以上」の人の割合は依然として10%弱で推移している。政府は2020年の目標としてこの割合を「5%」にすることを掲げているが、達成は難しいと見られている。働き方改革はまだ始まったばかりなのだ。

画像引用:DIAMOND online

企業はなぜ「働き方改革」を進めなければならないのだろうか。

大きな要因の一つは人口の減少にある。もうすでに少子化の影響が出始めており、採用計画は未達が続いている。一方で、新卒の離職率は3割超で高止まりしている。離職率が高い理由としては、若者の働く目的が、「楽しい生活のため」へと変化していることが挙げられる。

多くの企業は若者のそういった意識に対応できていないそのため、労働力の確保に苦心する企業働きやすい環境づくりの必要性に迫られているのだ。

ワークライフバランスを実現する仕事環境を提供できない企業は今後、生き残れない可能性があると言っても過言ではないだろう。

アンケートによると、長時間労働を改善すべき課題と考え、残業削減に取り組んでいる企業は9割を超える。育児や介護のための休業規定女性活躍の推進も法的に整いつつあるなか、結果がともなっていないのはなぜか。

「労働者全員が長時間労働をしているわけではなく、特定の部署や専門職に限られているケースがほとんどです。こうした実態を把握し、仕事を分担するといったところまで踏み込んでいないことが原因です」

仕事の進め方においては、無駄をなくし効率化するためのルールづくりが必要だ。ここで、よくありがちな課題とその対策について見ていく。

  1. 決済などに手間をかけ過ぎること」だ。付加価値を生む業務に重きを置き、生まない業務については権限委譲まで含めて効率化する対策が必要になる。
  2. 業務の引き継ぎに時間を取られ、残業の増える要因になっていること」だ。引継書の改正や定期的な更新によって業務引き継ぎの効率化を図ることが求められる。
  3. 必要ではないメール、会議が行われていること」だ。こうした無駄は生産性を下げる。効率化を図ったルールづくりから始めなければならない。
  4. 特定の部署や社員に仕事が集中していること」があげられる。業務負荷を見える化し、分担を進めることが求められる。

さらに、さまざまなコミュニケーションツールの活用も効果的だ。しかし、すべてをデジタルツールに変えるわけではない。

「情報共有や伝達というのは、デジタルツールがお手の物でしょう。しかし、お客様との交渉で意思疎通を図っていく高度な調整は対面が適しています。進化すれば、デジタルツールでもできるようになるかもしれませんが、現状は難しいでしょう」

画像引用:DIAMOND online

対面コミュニケーションの機会が減るため、ビジネススキルや交渉の技能向上はかつて以上に求められるだろう。

メールは処理量が増えすぎて生産性が落ちる事態に陥っている。電話、FAX、メール、伝言メモまで含めて、複数のコミュニケーションツールを上手に扱う必要性に迫られている。

「デジタルツールが業務の効率化や生産性の向上に効果的なことは確かです。次のステップは、そこからどれだけ付加価値の向上につなげていけるかでしょう」

例えば、AI人工知能)を利用して、音声認識技術等を活用し、参考情報を会議に提供する」といったこともできるだろう。

デジタルツールを上手に活用して、働き方改革を進めてほしい。

http://diamond.jp/articles/-/108924?page=6

via:DIAMOND online

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