京都府宇治市、広野幼稚園での話です。
先生:「運動会、何か(種目)出るの?」
園児:「おやつが出るよ」
園では、園児と意図がはっきり伝わらなかった例をまとめ、どんな情報が抜けていたのかを記録しました。
あとでそれを読み返し、大人の言葉遣いを園児が理解しやすいように改善する試みを続けています。
この事例をメディアを介して目にした石川県内の女性は、自分の娘に同様の傾向を見て取りました。
小学1年の時、「(その日の授業で)習ったところを音読する」という国語の宿題が授業のたびに出た。長女は毎回、4月からそれまでに習った内容を全て音読した。日に日に読む量が増えるため、女性が「『今習っているところ』でいいのよ」と言ったが、長女は「『習ったところ』を読まないといけないの。先生がそう言ったの」といって、なかなか理解できなかった。
学習が進むほど、習ったところは累積で増えていきます。
単語を修飾語できちんと限定しなければ、正確に意味を伝えることはできません。
日本語を母国語とする私たちなら、大人でも日常的に経験することではないでしょうか?
アスペルガー症候群、広汎性発達障害などの診断名が、「自閉症スペクトラム」という呼び名に統一され、認知度も高まってきました。
先に挙げた女子児童の場合、本人に分かりやすいよう担任が説明や指示に気をつけたり、連絡帳で母親との連絡を密に取ったりして配慮を施しました。
本人が理解に困っているようなら、「わかった?」とその場で聞いて理解を助けるようにしています。
画像引用:ウィキペディア フリー百科事典
今では児童も、意図するところを自分で説明文を補足して理解できるようになってきているようです。
一方、白百合女子大学教授(発達心理学)で、神奈川県藤沢市のわかふじ幼稚園、園長の秦野悦子さんは次のような例を挙げています。
ある小学校が遠足に出かけ、教師が「1人ゴミを10個ずつ拾ってゴミ箱に入れましょう」と話した。自閉傾向があった1年生の児童は周りにゴミが落ちていなかったため、ゴミ箱をひっくり返してゴミを拾い集めた。
「その子は『ゴミを10個拾う』ことを忠実に実行しました。その場所をきれいにする目的や、ゴミが落ちていなければ無理に拾う必要がないといった条件をしっかり伝えることが必要でした」と秦野さんは指摘する。
そのほか「ちょっと待ってて」の「ちょっと」はどのくらいの時間なのか、「好きにしなさい」は自由を与える寛容の気持ちから表れた言葉なのか、怒っていて構っていられない感情を表す言葉なのか、悩むことがあるようです。
話す側は曖昧な表現を避けたり、例外や条件を添えて、理解を助ける具体的な話し方を心がけるべきでしょう。
http://www.asahi.com/articles/ASJBX4HZSJBXUTFL00C.html
via:朝日新聞DIGITAL
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E9%96%89%E7%97%87%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%A0
via:Wikipedia