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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

乗車拒否されたある日。運転手さん「一般のお客様」って何ですか?

前回、鹿児島市内のノンステップバスの不便さについて紹介した。鹿児島市内で車いすユーザーがバスに乗る際、前日と当日はバス会社に電話をしてノンステップバスが時刻通りに走るのかどうか確認しなくてはならない。なぜなら鹿児島のノンステップバスは時刻や運行が安定していないからだ。

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私は月に一度、仕事場へ顔出しに行く際、必ずバスを利用している。この月に一度利用しているバスについて思うことはいろいろあった。今回、改めて考えさせられる出来事があった。

ここ10ヶ月ほど私は月に1度、車いす2台(2人)でバスで仕事場に出向く用事がある。ところが先日、10ヶ月間行きも帰りも普通に2台乗せてもらっていたところが、突然乗車拒否をされてしまった。それも、開口一番、頭ごなしに…。

理由は、そのバスが車イス1台しか乗車出来ないバスだったので、車イス2台は乗せられないということだった。それは重々承知したのだが、同じタイプのバスにもかかわらず、今まで10ヶ月間利用できていたのはいったい何だったのだろうか。さらに、この日はそのバスに乗らないと間に合わない予定もあった。前もって電話でその時刻の便がノンステップバスであるかどうかの確認をしたのにもかかわらず、突然乗ることができなくなったのだ。

そしてなにより、運転手の対応がひどかった

最初から物言いが荒かったし、まるで小さい子供に話すかのような言い草もあった。運転手の言い分は、「何かあっては責任が取れない」「かすり傷くらいならいいかもしれないが、大事故になった場合、親とか出てくるだろうし、僕は責任が取れない。わかるよね?」と。この「わかるよね?」をあの時に何度言われたことか。

障がい者だから理解が出来ないとでも思ったのだろうか…。

確かに、何かあっては責任が取れないというのはわかる。では、過去10ヶ月間バスに乗せてくれていた時の運転手は責任を取れたということなのか。同じバス会社で、この対応のブレは何なのか。とにかく、今回の運転手の罵倒加減は本当にひどかった。ましてや、「かすり傷くらいなら…」と誰が言ったのか。安全を第一にしているのであれば、まずはスロープの出し方の教育から受けてほしいとすら思う。運転手によっては、スロープの出し方にもブレがあり、中途半端であったり停留所へのバスの着け方により段差ができて、ヒヤッとした経験が何度もある。

その後も、「車イスを2台乗せることによって、一般のお客さんからも苦情が出ているし、迷惑になる」・「他にもお客さんが乗ってるでしょう?」と、安全を第一にしたため車いす2台乗車が無理であるという理由ではなく、周りのお客様を第一にしているような言い方をし、一般のお客さん?わたし達は一般のお客さんではないのか?と、思わせるような言葉の連続だった。

ちなみにこれまで車いす2台で乗車した時に、他のスペースを占領したことは一度もない。車いすスペース内にきちんと2台収まっているのだ。

それからその運転手は私たちに向かって、「車イス2台乗るなら乗るで、交通局に電話をすれば2台乗車出来るバスに変更してくれるんだから!」と強い口調で言い切ったが、以前電話をしてお願いした時は「それは出来ない」と確かに言われた事があったのだ。

その事について運転手に説明をしたが、信じていないような…電話すらしていないのではないか?と言わんばかりの表情をされた。別に、2台乗せられない事について理解出来なかったわけではない。乗せられないにしても、言い方や対応がある

仮にも接客業であるし、バスに乗ろうとした瞬間、すぐさま荒い口調で拒否されたのだ。バス会社の指導や教育はどうなっているのか…。

結局、その運転手が交通局に電話をして増便を出してもらえる事になったのだが、その後の予定には間に合わず、散々だった。バス1便に対し車いす1台ということだったためその運転手のバスには友人が先に乗車した。しかし、乗っている際中にも「すみませんね。お時間取らせて」と周りのお客様に対して謝罪し、友人は降りる時の運転手の介助時に釘を刺されるような形で文句を言われたという。

乗せてもらえなかったことよりも、対応に腹が立ち、すぐさま交通局に苦情の電話をしたのは言うまでもない。幸いにも、電話対応してくださった方はとても優しい感じの方で、丁寧に話を聞いてくれた。ちなみに増便分の運転手さんもとてもいい人だった。

その電話の際に、運転手の言っていた「一般のお客様からの苦情」がどういった内容のものだったのかと「2台乗ることを事前に伝えれば確実にバスを変更」してもらえるのか、の2点を尋ねた。すると、「一般のお客様からの苦情」に関しては、電話対応の方が把握していないということで内容はわからず、バスの変更については車イス2台乗車可能なバスの台数が少ないこともあり、対応出来ない時もある、というのが答えだった。

しかし、確かにあの運転手は言い切ったのだ。車いすユーザーに対し「一般のお客様からの苦情」があるということと、「確実にバスを変更してくれる」ということを。自分の会社の状況を把握していない、もしくはその場しのぎの言葉だったのか。と、違う部分での不信感が芽生えた。

この出来事をいろんな人に話すと、それぞれに何かしら市営バスに対しての不満があった。他のバス会社に対してもそうだ。少なくとも現状「不満」が飛び交っているのは、紛れもない事実だ。

増便を出して頂いた事に関しては、合理的配慮をしてくださったととても有り難く思う。とても親切で丁寧な対応をしてくださる運転手さんもいる。身近な公共交通機関なだけに、色々なことがあるとは思うが、いちユーザーの意見として参考にしてほしい。多くの市民や観光客が、鹿児島のバス大好き!と思える街になったら素敵だ。

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