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フィンランド語の格2 – 内格・出格・入格・接格・奪格・向格

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フィンランド語の格について2

フィンランド語には15の格があります。(分け方によって14~16と幅があります)
主格、分格、対格、属格、内格、出格、入格、接格、奪格、向格、様格、変格、欠格、共格、具格です。
この格にはそれぞれ単数と複数の形があります。

今回はフィンランド語の格のうち、内格、出格、入格、接格、奪格、向格を見ていきます。

場所関係を表す格

フィンランド語にある15の格のうち、内格、出格、入格、接格、奪格、向格の6つは、場所関係を表す格です。

この6つの格は、内部格と外部格の2つのグループに分類されます。
基本、内部格は「何かの中」、外部格は「何かの上、表面」という意味です。

例文は、talo 「家」の変化を、単数と複数で表した場合のものです。

内格:-ssä

「~の中で」を表す格です。

例:talossa 家の中で taloissa 家々の中で

出格:-sta/stä

「~の中から」を表す格です。

例:talosta 家の外で taloista 家々の外で

出格は、「~だと思う、~としては」という感想や意見を述べる表現になります。

Minusta Helsinki on kiva kaupunki. 私はヘルシンキは素敵な町だと思う。 (minu-sta 私-出格)

動詞 pitää と出格を組み合わせると、「~が好き」という意味になります・

Minä pidän suklaasta. 私はチョコレートが好きです。 (suklaa-sta チョコレート-出格)

疑問詞も出格になります。

Mistä pidät? あなたは何が好き? (mi-stä 何-出格)
Mistä väristä pidätte? あなた達は何色が好き? (väri-stä 色-出格)

また、「~について」という意味もあります。

Puhumme sinusta. 私達はあなたについて話している。

入格:-(h)Vn/seen/siin

「~の中へ」を表す格です。

Vには母音が入ります。

例:taloon 家の中へ taloihin 家々の中へ

接格:-lla/llä

「~の上(表面、近傍)で」を表す格です。

例:talolla 家で 屋根の上で taloilla 家々で 屋根の上で

接格は場所以外にも、交通手段や道具を表せます。

奪格:-lta/ltä

「~の上(表面、近傍)から」を表す格です。

例:talolta 家から taloilta 家々から

向格:-lle

「~の上(表面、近傍)へ」を表す格です。

例:talolle 屋根へ 家(の近く)へ taloille 屋根へ 家々(の近く)へ

格の細かい使い分け

フィンランドの都市で、Tampere、Vantaa、Rauma、Utsjoikiは外部格を取ります。
maa は maa-han「国/地面へ」、maa-lle「田舎へ」と格で意味が変わります。

母音調和と子音階程交替

一部の格には a か ä の二つの格がありますが、格が置かれる単語の母音と母音調和によってどちらかが選ばれます。
また、子音階程交替の働きによって格が置かれた単語の子音が変化する事もあります。

まとめ

フィンランド語で場所関係を表す格を表にすると以下のようになります。

内部格 外部格
静止位置「~で」 内格:-ssa/-ssä「~の中で」 接格:-lla/-llä「~の上(表面, 近傍で)」
起点「~から」 出格:-sta/stä「~の中から」 奪格:-lta/-ltä「~の上(表面, 近傍)から」
到着点「~へ」 入格:-(h)Vn/seen/siin「~の中へ」 向格:-lle「~の上(表面, 近傍)へ」

参考

言語学大辞典セレクション ヨーロッパの言語(三省堂)
ニューエクスプレスフィンランド語(白水社)
Finnish grammar(Wikipedia英語版)

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