私流の推し活
推し活という言葉を耳にするようになった近年。私にとっての推し活とは何かを考えてみました。日常の出来事を淡々と見つめ、綴ったエッセイ。サクッと気軽に読めます。
ささやかな推し活
近頃、「推し活」というキーワードをたびたび耳にするようになりました。特定の人物や漫画などのキャラクター、ブランド、建築物などの「推し」に対して応援することを指す造語だとのこと。それはグッズ収集に始まり、ライブ観戦、同志で推しを語り合うなど多岐にわたります。
日々を彩り、時に訪れる艱難辛苦を慰めてくれる「推し」は私にはいませんが、推し事をしている人々を見ると、フレッシュさに溢れ、行動力があり、生き生きとして人生を謳歌している様子が伝わってきます。
何かに夢中になり抜け出せなくなることを「沼にはまる」と言うそうです。美しい花に魅了され手折ろうと近づいた瞬間、水辺に住む水魔に引きずり込まれるというヨーロッパの伝承があります。「推し活」は、甘美さと中毒性を持つチョコレート、または清らかな蓮の影のような麻薬にも似た魅力があるようです。
悲しいことに私が好きになるコンテンツは、すぐに衰退してしまいます。マイナーという訳でも、疎まれたりしているわけでもないのですが…。
綺麗な真っ白のノートブックに、好きなものを貼り付けて眺めるのが私流の推し活です。フレグランスの英字ラベル、子どものころ好きだったキャラクターのステッカー、カフェのパンフレットやカードなどを、無地のマスキングテープや糊で貼るのです。
ページを捲るたびに、自分の好きなものや、美しいものが、目に入るのでとても幸せな気持ちになります。