日本人の世界から見た英語力
「2023年のEF-EPI英語能力指数ランキング」データでは、世界113カ国のうち日本のランキング順位は87位という結果で終わっています。
世界からみても日本の英語力は低いということが言えるでしょう。基礎学力は世界でも上位にも関わらず、そのような結果になっているのはなぜでしょうか?
今回は、日本人が習得が難しい理由や攻略法をご紹介したいと思います。
教育システムに問題
ほとんどの日本人にとって最も英語学習に熱心になるのは、高校3年生の大学入試前ではないでしょうか?そして、まさにこの時期に人生で最も英語力が高くなると言っても過言ではありません。
しかし残念なことに、今までの日本の大学入試は、受験生たちに「英語が話せる」ことを求めて来ませんでした。日本の大学入試において求められていたのは、大半がリーディングとライティングということです。現在でも、大学入試でスピーキングテストを導入している大学は1%以下だそうです。
日本語と英語の違い
「日本人は英語が苦手」の根拠は、日本語と英語が根本的に違うというものです。英語と違う日本語は、主語と述語が順序良く並んでいない場合でも、「文節」や「助詞」があることで意味が通じます。
たとえば、「私はりんごを食べます」という文であれば、「私がりんごを食べます」、「りんごを私が食べます」、「食べます、私はりんごを」など、単語の順序を入れ替えても意味が通じます。これは、「が」、「を」、「は」の助詞が文中にあることで、単語の役割や関係が明確になるためです。
一方で英語は、主語と述語の並びが異なると意味が通じません。たとえば「I ate an apple」という文であれば、「Ate an apple I」というように主語と述語の順序を入れ替えてしまうと、文の意味が通じなくなってしまいます。
英語が苦手な日本人の解決策は?
英語力が高い国は、「自国語が英語と似た構造である」、「英語が必要な環境下にある」ということが分かっています。では、英語と構造が異なる言語を使う日本人にとって英語の習得が困難で上達が遅いのは、やむを得ないことなのでしょうか?
アジア圏で高い英語力を持つ国は、自国語が英語と似ている訳ではありません。国際競争力の強化や高等教育浸透のために英語を学習する「環境」があったからです。
英語学習を始めてから継続していくにあたって一番大事なのが、「モチベーションの維持」です。自分の興味関心があること、趣味、仕事、経験してきたことに英語を結びつけることがとても重要となります。
英語に限らず、日本語でも自分の興味のないトピックはつまらないですし、すぐ飽きてしまいます。自分の興味のあるコンテンツであればモチベーションも高くなり、継続することも難しくないのです。
なので、いくら質の良い英会話教室や自主学習を行っても、自分自身に英語を学習する意欲がなくなっては意味がありません。
お気に入りのメディアを勉強として取り入れることで、苦にならなかったり、何より頭に入っていきやすいので効率的とも言えます。その環境づくりの一つとしては、「英語の新聞や書籍を読む」、「InstagramやYoutubeなどのSNSで英語圏のアカウントをフォローする」など、毎日英語に触れることを習慣にするのが良いでしょう。
あとがき
日本語の標準語と方言の関係は、言語の構成が近い言語同士と同じような距離感と言えるでしょう。構成が遠いとは言え、英語も方言と同じように捉え、英語に触れる環境に身を置いて毎日の習慣にすることで、習得の下地が出来上がるはずです。
たとえば、暗記が苦手な人は「英語史」を通じて、つづりと発音が分かれてしまった経緯を学ぶことで、文法の規則性や単語の由来などの「理屈」から英語を覚えることもできそうです。
まずは、自分の興味にあった学習法を見つけることからスタートし、抵抗感なく英語を習得できるまで学習することをオススメします。