2024年、芥川賞を受賞した作品はチャットGPTを駆使した。
2024年、文学界は新たな節目を迎えた。第170回の上半期芥川賞でチャットGPTを駆使した作品、『東京都同情塔』が受賞したのだ。受賞会見で受賞者の九段理江さんは『プロットにチャットGPTを使用し、全体の5パーセントはチャットGPTの文章』と述べた。この会見は大きな反響を呼び、良くも悪くも賛否両論を呼んだ。
2023年はAI元年と言われ、私自身も人工知能を駆使した作品が芥川賞を受賞するのは何十年か先か、短くても数年後だと思っていたのだがまさか、この短期間で実現するとは青天の霹靂だった。
2023年に人工知能を駆使して自作に評価を伺った筆者
時代、驚き
芥川賞受賞作家、執筆でAI活用認める(CNN)九段理江氏(33)は受賞後、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の力を借りていたことを認めた。5%前後で生成AIの文章をそのまま使っていると確認。同作は選考委員から、ほとんど非の打ち所がないと称賛されていた。— 孫崎 享 (@magosaki_ukeru) January 21, 2024
2023年、チャットGPTが登場してから私は自作を何度か、人工知能に評価を伺った。何度も落選続きで気落ちしていたのだが人工知能の回答はおおむね高評価だった。その高評価を見てまだまだ行けるんじゃないか、とかすかに希望を覚えた。ひふみよタイムズでも個人的な関心にはなるが人工知能に評価を伺う特集をしてもらい、世の中に発信できた。
BingAIに『人工知能を駆使した作品が芥川賞受賞したニュース』について尋ねてみた!
こんにちは、Bing です。私は、芥川賞 に関する情報をすばやく取得するのに役立つ、Microsoft Bing の新しい AI 搭載チャット モードです。
人工知能を駆使した作品が芥川賞を受賞したというのは、驚くべきニュースですね。九段理江さんの『東京都同情塔』は、ChatGPT などの文章生成 AI を一部に使用して書かれた作品で、全体の 5% ぐらいが生成 AI の文章をそのまま使っているそうです。この作品は、犯罪者が快適に生活できる高層タワーが建設されるなど、寛容な社会になった未来の日本を舞台に、生成 AI が浸透した社会のあり方も描いた作品です。
私は、人工知能に評価を伺う方法についても調べてみました。機械学習のモデルを評価するには、さまざまな方法や指標がありますが、一般的なものとしては、混同行列、正解率、適合率、再現率、F1スコア、ROC曲線、AUC などがあります。これらの指標は、モデルが学習されていないデータセットに対して行われ、モデルの学習が成功したか、モデルの成功度はどの程度か、いつ学習を中止すべきか、いつモデルを更新すべきかなどを判断するのに役立ちます。また、京都大学の研究チームは、人工知能の性能を正確に評価する方法を開発したという報告をしています。この方法は、iCDF と呼ばれる指標を用いて、特定の評価を得られる確率を求めるもので、従来の評価方法よりも信頼性が高いとされています。
人工知能と文学のこれから
九段理江さんの受賞作が生成AIを使って書かれた(「5%くらいはそのままの文章」)という話が誤解されて独り歩きしているようですが、読めばわかりますが、作中に生成AIが出てきて、その部分の話であって、地の文でどこで使用されたかわからないような形でまぎれているわけではないです。そういう使い方…
— 平野啓一郎 (@hiranok) January 18, 2024
人工知能を駆使した作品が芥川賞を受賞するなんて私は去年(2023年)に人工知能が登場してから想像もしていなかった。賛否両論はあるものの、私は人工知能に評価を伺い、思いがけず高評価だったのでこれからの文学の今後を楽しみにしている。
とはいえ、恐怖を覚えている私もいる。人工知能のほうがいい小説を書きそうな気がして怖さを覚えている。東大の先生が人工知能の到来を『ルビコン川を渡った』(後戻りできないこと)と形容されていたがまさしく私たちはルビコン川を渡ったのだろう。
人工知能と文学、これからどうなるのか、注視したい。