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うつ病によく見られる妄想の一種『罪業妄想』って何?

Sad young woman crying in her bedroom at home. Mental health concept.

自分を責めすぎるのも妄想の一種

皆さんは、『罪業妄想』という病状をご存知だろうか?

妄想は、現実で起っていないことを確信してしまう病状を言うが、その中に『罪業妄想』というのがあり、人間には何かしら価値を持っているのにも関わらず、『自分には価値がない』、『自分は無価値だ』と、ありえないことを確信してしまうのだ。

今回は、その『罪業妄想』を紹介する。

日本人に多い罪業妄想

妄想と言えば、統合失調症や双極性障害に時折見られる万能感のようなものだが、この『罪業妄想』は精神患者じゃない方でも持っている妄想だったのだ。

日本には、自分を必要以上に責めて卑下するのがいいという美徳がある。『周囲の空気を読み、自分の個性を押し殺して周りと同化するのがいい』、という風潮があるからだ。

過去に、『KY(空気が読めない)』というスラングが流行ったように、同調圧力が蔓延る中、罪業妄想に陥る人は予想以上に多いだろう。

それから、罪業妄想そのものも他者から悪い印象を受けないものとなるのだが、『自分に価値がない』と思うことも妄想だなんて私自身の目から鱗が落ちたのだ。

妄想の漢字には『亡くす』という言葉が入っている。文字通り、自分に価値がないという思い込みは『心を亡くす』ことに他ならない。

罪業妄想を自覚すること

罪業妄想に多い精神疾患はうつ病で、うつ病患者のほとんどに罪業妄想があると言われている。昨今、うつ病患者の発生数が多くなっているが、これもまた日本人特有の過剰な共感性が発端になっているのかも知れない。

私自身、『罪業妄想』という言葉を知ったのは、母が精神保健福祉士を受験する際、テキストの中に目に留まったときだった。それから、自分の罪業妄想を自覚し、自責の念に駆られる際には『ああ、これは症状の一つなんだ』と思うようになったのだ。

罪業妄想というワードは、必要以上に自分自身を責めて暗くなる、無価値感に支配された毎日の生きづらさに名前が付いたらしい。

無価値感に支配されるけれども

SNSの隆盛が理由で、無価値感に支配される方々が多くなっていると言われている。しかし、SNSの使い方さえ間違えなければ、その無価値感の対応にも役に立つだろう。

私が、X(元Twitter)で『同じように無価値感がある人がいるのではないか?』と検索すると、丸々一冊タイトルの本を見かけたくらいに同じように悩んでいる方々の投稿を見かけたのだ。

無価値感についてツイートすると、多くの反響が出る。それだけに無価値感に苛まれる人が多いのだろう。

罪業妄想と付き合って

自分自身を必要以上に卑下することも妄想の一種に当てはまる罪業妄想。妄想と言えば、あまり良くないイメージがあるかも知れない。

罪業妄想は一長一短に消滅するものではないが、『自覚するのは良いことだ』と、罪業妄想という概念を知った私は新たな一歩を踏み出したのだ。

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