今、文学フリマ(同人誌即売会)が熱い!
「文学フリマ」という同人誌即売会の存在をご存知だろうか。漫画の同人誌即売会であるコミケ(コミックマーケット)は知っているけれども、文学フリマは知らない方は多いかもしれない。
文学フリマとは文学バージョンのコミケみたいなイベントで、2002年から行われている。文学フリマは小説や詩集、歌集や句集、エッセイのほかに漫画や写真集、果てはアクセサリーやポストカード、雑貨なども取り揃えている。2023年の東京で行われた文学フリマでは、出店者が1400人、来場者が出店者と合わせて1万1000人も来場し、過去最高の賑わいになった。
アマチュア作家のニッチなニーズに合わせるフリマ
おはようございます! 本日開催となりました!!
【文学フリマ東京36】
🕙5/21(日) 12:00〜17:00
🎫入場無料✨
📚合計1467出店!
🏢東京流通センター 第一展示場・第二展示場Fホール
🔰詳細 https://t.co/fbX5oh4NIk
ご来場を心からお待ちしております!!#文学フリマ東京 pic.twitter.com/C8cMREfJGu— 文学フリマ事務局 (@Bunfreeofficial) May 20, 2023
文学フリマの見どころはニッチ過ぎるジャンルを取り揃えること。文学フリマの出品者の中には東京大学の文芸部の部誌や中にはプロの作家の出品もあり、ここでしか手に入らない作品が読める。自分は好みなんだけど一般には流通していないんだよな……と思うようなマイナーなジャンルも文学フリマでは人気だ。フリーペーパーも豊富でその無料のチラシをもらうだけでも活気を感じられる。
人気ジャンルの幻想文学は大型書店でもニッチなジャンルで、知名度もまだまだ低いが文学フリマでは多くのニッチな作品が紹介されている。福永武彦や横溝正史などの研究会の会報など普段手に入らないような冊子も手に入ることができる。
短歌ブームにおける読者と作者の交流
ただいま放送中のNHK「クローズアップ現代」の短歌特集で今年1月の文学フリマ京都に出店した方の様子が紹介されました。#文学フリマ
— 文学フリマ PR📚 (@Bunfree_PR) March 14, 2023
SNSでは日々短歌が投稿されている。その投稿される短歌はNHKスペシャルによれば、1年間で100万首に達するという。普段、本で購入できない短歌集を購入できるのがここ、文学フリマだ。私自身もSNSや投稿サイトに短歌を幾つもアップしているが、気になったユーザーさんの作品をもし、購入できたら嬉しいと思う。
NHKのクローズアップ現代では短歌ブームの中、アマチュア歌人の多くが文学フリマで自作の短歌を売り出している光景が特集された。文学フリマはNHKでも紹介される時代なのだ。
プロ顔負けの作品も
新川帆立さんのエッセイで文学フリマ東京のことが触れられています。写真つき! #文学フリマ #文学フリマ東京
急に売れた作家のサバイバル術|帆立の詫び状|新川帆立 – 幻冬舎plus https://t.co/JHHEpRvZr2— 文学フリマ PR📚 (@Bunfree_PR) June 4, 2023
というよりも何と芥川賞作家やプロの作家やエッセイストも参戦している! 文学フリマのいいところはそんなプロの作家と混じって、和気あいあい売り出せるのが醍醐味だ。私が去年、福岡で行われた文学フリマに行った際も何とプロの作家さんが売り子になっている光景を目撃した。初めてプロの作家さんが同人誌即売会で売り出しているところを見たがとても新鮮だった。
文学フリマでデビューしたエッセイストもいる。『ここは、おしまいの地』でエッセイストデビューしたこだまさんは文学フリマで好評だったところは出版社からオファーを受け、何と講談社エッセイ賞を受賞する。文学フリマはプロの作家も輩出する居場所になっているのだ。
2023年秋、文学フリマ福岡に私も参加します!
初めて文学フリマの来場者として見学に行った頃の文学フリマは、今ほどは勢いはなかった。今はその頃とは違い、レベルは格段と高くなり、読みごたえのある作品が多くある。ネットにはアマチュアだけど上手く書いている作家さんは多く、そんなアマチュア作家の受け皿になっているのが文学フリマだ。
個人的な話になるが私は今年の10月22日(日)、「文学フリマ福岡」に参戦することにした。出店者として参加するのは初めてだから今からも楽しみだ。
ちなみに文学フリマ福岡では出店者のブースが当初の予定の170から280に拡大し、地方都市でも文学フリマの活気は高まっている。次期開催の文学フリマ東京では出店者の応募がついに2000を越し、大盛況となっている。
文学フリマは100都市構想を掲げており、大都市だけではなく、地方都市でも参加できるような体制を整えつつある。鹿児島での開催は未定だが、鹿児島でも開催されるのを切に祈る。