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2024/5/10:フリーペーパーvol.98発刊!

大人の発達障害 、日々意外なことで「まじADHD」と痛感中

習慣化する、集中して早くこなすが難しい

私は50歳で発達障害の診断をうけました。ADHDと多少のASDという診断を受け、ADHDの投薬治療を始めてからまだ一年ちょっとです。診断を受けてから「発達障害がある」という視点で自分を観察してみると、周りの人とは違う、不思議なことがたくさんあります。とくに毎日、ADHDだと痛感していることがあります。

歯磨きって、考えなくてもできるの?

私はヤフーニュースで、ライフハックや健康に関する記事をチェックするのが好きです。先日読んだ中に、頭から離れない文章があります。たしか、「正しい姿勢」に関する記事だったと思います。

”習慣化すれば考えなくても継続できること”の例えとして、『だれでも歯磨きは、考えないで出来ますよね』と書かれていました。しかし、私はよく考えて集中しないと歯磨きができません。だから、その文章に大きな違和感を感じました。

「できない」というのは、集中しないといつまで経っても終わらないという意味です。かなり集中して急げば15分くらい、集中できないと30分経ってもスタート地点から同じような場所で歯ブラシを動かしたままです。

でも歯磨きなんて、多くの人がほとんど考えずにしていることかもしれないですね。たしかに他の人は、ささっと終わらせているイメージがあります。

そこで、私がどうして歯磨きに時間がかかるのかを知っていただくと、ADHDの特性の理解にもつながるのではないかと思いました。

歯磨きはマルチタスク。やることがたくさんで難しい

私は歯磨きをするために、集中を妨げるさまざまなことから自分を隔離します。そして歯磨きに集中します。納得がいく歯磨きをするには平均で20分かかります。これでも、かなり努力した結果です。

どうしてそんなに歯磨きに時間がかかるのか、と不思議に思う人もいると思います。歯磨きには、気をつけなくてはならないこと、やることがたくさんあります。私にとっては苦手なマルチタスク、つまり複数のことを同時にやることになるのです。

こだわりの歯磨き

時間がかかる理由の一つは、「こだわり」です。歯医者に教えてもらったとおり、きっちりやりたいのです。真面目に取り組みすぎるというよりは、「融通がきかない」という方がわかりやすいかもしれません。

ブラシのヘッドの長さの半分弱の歯磨き粉をのせたら、まず座ります。できるだけ人が来ない場所、寄りかかることができて落ち着く場所に座り、目をつぶります。集中するためです。

早く丁寧に磨くために、自分がやりやすい順番を決めていて、そのとおりに進めるようにします。しかし自分が決めた順番を自分で破りやすいので、間違えないようにすることへ集中します。

まず、歯磨き粉を上下の歯に軽くなでつけて広げます。磨くのは、下の奥歯のスタート地点から表、裏と一周し、噛み合わせる部分へすすみます。そして上の歯も同じようにすすめます。歯、歯と歯のあいだ、歯と歯茎のあいだにも磨き残しが無いように集中します。歯ブラシの角度にも気をつけます。

磨いている間に腕が疲れたり、磨き残したと感じるところへ戻ったり、力が入りすぎているからゆるめようとか考えます。すると、どこまで磨いたのかがわからなくなります。だから、できるだけ丁寧に確実に進めます。

ちなみに歯ブラシがおわったら、歯間ブラシとY字のフロスを使います。そして少量の水を口に含んで、しつこく2回ゆすいでやっと完了します。

これ以外の方法だと、中途半端で気持ちがわるいままです。しかしとても頭をつかうので、毎回の歯磨きがすごく負担で疲れます。

体調がわるかったり、いつもの歯磨きのタイミングで他のことに夢中になっていると、歯磨きをしたのかどうかすら忘れることもあります。思い出しても、苦手なことだから後回しにしがちです。

歯磨きに集中できない

さらに、余計な時間がかかってしまう根本的な原因は「集中できない」ことです。テレビをみながら、スマホをみながらなどの「ながら」はできません。

ムダな時間を活用しよう!という健康法で流行った、「歯磨きをしながらスクワットをする」なんてことはまず無理です。試してみましたが、どちらかに集中してしまいます。変な動きになって、すぐに諦めました。

新しい歯磨きの情報を目にすると、それも取り入れようかと迷います。歯磨きは、どの方法が正解なのかが曖昧なことも、迷い、考えてしまう原因です。

気が散る原因は日常にあふれている

歯磨きをしながらいろいろと考え、思いついたことをやってしまいます。スマホでなにかを調べだし、目についたものを動かし、予定や買い物を思いついてメモをとったりします。だからできるだけ気が散らないように、目をつぶり、瞑想したような状態へもっていくようにしています。

結局ADHDの特性がある人は、「一つのことに集中して確実に終わらせる」の積み重ねが時短につながると思っています。入浴、料理、外出の準備、さまざまなことに集中するための工夫が必要です。

少しずつ上達している感覚

私がいまの歯磨き方法を始めてから、約四年になります。歯科クリニックで、歯磨きの方法を詳しく教えてもらったのがきっかけです。最初は、鏡をみながらでないとできませんでした。自分の歯と歯茎の境目や、フロスを入れる場所がわからなかったからです。途中で疲れて、洗面台の前でひざをついて鏡をみていました。

いまは鏡をみなくても、好きな場所で座ることができるようになりました。最近は、天気の良い朝に窓辺にすわって日光浴をしながら磨くくらいの、ちょっとした「ながら」もできるようになりました。

しかし、まだまだ気がつくと30分経ってもスタート地点で歯ブラシをくわえたままのことがあります。思いついたことを始めて、集中していないときです。疲れて、途中で止まってしまうことも多々あります。

その代わり、なににも邪魔されず自分のペースで集中して歯磨きを終えることができると、すごくスッキリして達成感を得られます。過集中で疲れるけれど、清々しい気持ちになります。

いまのところ磨きすぎではないようです

長い時間をかけて歯をみがくと、磨き過ぎて歯のエナメル質が傷むのでは?歯が削れるのでは?と心配する人もいると思います。

私はこの三年ほど、大学病院の歯学部で治療をうけています。大学病院ですから、治療によって科が変わり、さまざまな先生のお世話になります。幸いなことに、どの科の先生にも歯磨きがうまいと褒められます。磨きすぎで削れたり、知覚過敏もないようです。力を入れすぎないように、丁寧に磨くように心がけています。

まとめ

ADHDの特性が強くあると、日常のちょっとしたことでも工夫をし、集中しないとできないことがあります。歯磨きが終わった直後の私は、頭も腕も疲れ果てています。他の人からみたら、どうして何もしていないのに疲れているの?と思う生活かもしれません。

でも、一生懸命に集中してやったことの精度は高いと思います。どうか発達障害の子供をサポートするご家族は、時間がかかっているのをみてイライラしても急かさず、結果を褒めてあげてほしいです。そして疲れやすいので、ゆっくり休む時間や寝る時間も多くとってあげてください。他のやらなくても良いことを減らせば良いのです。

私も50歳を過ぎていますが、歯医者に褒められることを日々の歯磨きのモチベーションにしています。そしていつの日か、「考えなくても歯磨きができている!」、ふとそう気がつく日が来ることを心から願っています。

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