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「女子大×刑務所」=社会と繋がる!かわいい木工作品の架け橋。

まさかの「女子大×刑務所」という異例のコラボレーションが生まれた。

刑務所内で作られる木工作品を見た大学教員が、その「かわいくなさ」に絶句したことをきっかけに、女子大生が木製おもちゃのデザインを無償で提供することになったのだ。

画像引用:with news

10月5日に協定書を交わしたのは、京都女子大(東山区)と京都刑務所(山科区)。これまでに前例のない包括連携である。

「刑務所と女子大という意外な組み合わせで、最初話を聞いた時には、『えっ、そういうのもあるの?』という感じで驚いた」

そう語るのは、他でもない京都女子大の林忠行学長。

学長もびっくりの、この組み合わせであるが、実は大学と刑務所は東山を隔てた「ご近所さん」。しかし、これまでほとんど「ご縁」は無かったという。

両者が急接近を見せたのは3月で、その「仲人役」になったのは、京女大の地域連携研究センター長を務める竹安栄子さん。地域社会学が専門だ。

京都府内の保護司を選考する委員でもある竹安さんが、同じく委員を務める京都刑務所の山本孝志所長と会合で同席した際、刑務所の実態について話を聞いたことがきっかけでした。「受刑者のために何かできることはないか」。そう考え、翌4月に刑務所を見学に行きました。

そこでは受刑者たちが、高い技術を駆使して木工作品を作っていた。

作られる作品は、受刑者によっては貴重な社会とのいわば「接点」であり、作品が売れると社会に受け入れられたと感じて、励みに思う受刑者も多いそうだ。

ところが…。

この時に作っていた動物の顔の木製カスタネットを見て、竹安さんは絶句しました。

「かわいくない!」

デザインを考えるのは、それまで刑務所の職員でした。「ほんま、大したことないんですよ。企画力がない」と職員自身も力不足を認めるほどのデザインでした。

そこで、デザインを無償で提供してもらえるとありがたいという要望に対し、「かわいくしてあげましょう」と返事をしたのだ。

そうして、ここに「女子大×刑務所」というコラボが誕生したのだ。

女子学生を巻き込めば実現できると、竹安さんが提案。「受刑者を帰す先は社会。その社会がどういう色をしているのか、刑務所はもっと知らないといけない。社会との連携を進めるべきだ」と山本所長が応じ、包括協定締結が実質的に合意されました。

10月22、23日には、同じ学部の児童学科の矢野真教授のゼミ生が刑務所である矯正展に参加し、箸作りなど工作に関するワークショップも開く予定。

そんな受刑者が作る木製おもちゃなどのデザインを提案するのは、幼稚園教諭や保育士などを目指す彼女たち。こちらは来年度に実現する見通しである。

もちろん、このコラボは大学側にとってのメリットもある。

京都女子大は来年度から、全学部を対象にした地域連携科目を始めることになっており、その中で刑務官に刑務所の実情などを講義してもらうのだ。

そして学生に、

「社会は(受刑者を)単に排除するだけではいけません。共に生きていくことを考えることこそが、安心・安全のまちづくりにつながるのです」。

ということを理解してもらいたいと竹安さんは語る。

「学生には、社会の一つの側面として、刑務所に入っている方々の現実のほか、単に隔離するだけではなく更生のためにこれだけ努力しているという刑務所の役割も知ってほしいのです」

更には結果として、受刑者である人々も、女子大学生が提案したデザインに触れることによって、「あなたが作る製品のために学生が一生懸命デザインを考えたのです」という思いが伝わり、自分は社会から排除されているわけではないのだということを感じてもらえたらと、竹安さんは願っている。

そうしてこのコラボレーションが生まれたことによって、両者共に、「社会との繋がり」についてを、深く考えていくきっかけになるのではないだろうか。

http://withnews.jp/article/f0161009000qq000000000000000G00110601qq000014122A

via:with news

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